《悩み相談室》患者さんと上手くコミュニケーションがとれない
チッタさんからのお悩み相談
私は現在病院で働いている新人看護師ですが、同僚の看護師や先輩看護師とはうまくコミュニケーションが取れるものの、患者とコミュニケーションを取るのが苦手です。私は比較的知らない人にも普通に話しかけることができるものの、患者に話しかけてもそっけない返事しか返ってこないので、話が長続きしません。
逆に患者をイライラさせてしまうような場合もありますし、少し休ませてほしいと言われたこともありました。入院している患者であっても、通院している患者であってもうまくコミュニケーションが取れず、先輩の看護師に相談してアドバイスをもらっても、全く改善しないのです。このように患者とうまくコミュニケーションが取れない場合には、どのように改善していけばよいのでしょうか。
アドバイス
●無理にこちらから話しかけることはない
医療機関というのは病気で体の状態が悪い人が来る施設です。そのため、必要最低限のコミュニケーションが取れれば問題ありません。患者にもいろいろな性格の人がいるので、人と話すことで元気をもらえるという人もいれば、1人でゆっくり休むことが好きという人もいるのです。あまり話をするのが好きではない人に話しかけても、そっけない返事や一言だけしか帰ってこないのは当たり前なので、悩む必要はありません。
上手にコミュニケーションを取ろうとするのではなく、患者のためにどのような対応をするべきかを考えてみましょう。新人看護師のうちはまだわらかないでしょうが、経験を積んでいけばだんだんわかるようになってきます。ただし、患者の方から話しかけてきた場合には、しっかりとコミュニケーションを取らなければいけませんし、質問に対してもしっかりと返答しないといけません。
患者のことが心配で、お加減はどうですかと話しかけた場合、話が好きな患者であればいろいろと話してくれるでしょうが、あまり話が好きではない患者の場合には、あまりよくないなどと答えて終わる場合や、昨日よりはいいと答えて終わってしまうことがあるでしょう。これだけではしっかりとコミュニケーションが取れていないように見えますが、これで十分なのです。
無理に看護師から話しかけて、コミュニケーションを取ろうとしても、相手にストレスを与えてしまう結果になるので、簡単に声をかけるだけでも十分です。逆にこのような対応をした方が、患者から信頼されることもあります。逆に看護師に対していろいろと話してくるようであれば、その人は話をするのが好きなので、しっかりとコミュニケーションを取ることで、患者から信頼されるようになるのです。
●笑顔を忘れないようにする
患者とコミュニケーションをうまく取ろうと思うのであれば、絶対に忘れてはいけないものがあります。それは笑顔です。昔看護師がまだ看護婦と呼ばれていたころは、白衣の天使と呼ばれていました。それは患者に対して笑顔で対応することで、多くの患者が癒されるからです。病は気からという言葉があるように、笑顔で親身になって対応してくれれば、誰でもよい気分になります。
もし自分が入院した場合、笑顔で看護師に話しかけられるのと、険しい表情で話しかけられるのとでは、どちらがうれしいでしょうか。普通の人であれば、笑顔で話しかけられた方がうれしいに決まっています。だからこそ新人看護師のときにはうまくコミュニケーションを取ろうと考えるのではなく、まずは笑顔で患者に対応することを心がけましょう。そうすれば自然とどのようにすればコミュニケーションが取れるのかがわかってきます。
看護師の仕事はきついですし、新人看護師は特に体力的にも精神的にもきつい日々が続いているので、どうしても顔が引きつってしまう場合もあるでしょう。そうすると、患者にこの看護師は疲れているのではないか、安心して任せられないと考えてしまいます。笑顔で対応することで、自分のモチベーションも上げることができるため、特に患者と接しているときには笑顔を忘れてはいけません。