新人看護師の1日の目標の立て方
ドキドキ、ワクワク、不安と期待を心に抱き入職したあの頃、看護師になりたいと意気込んで夢を叶えた訳ですが、もうそろそろ職場環境に慣れ、仕事ってこんなものか、看護ってこうやって行うんだって分かって来たころではないでしょうか?
心も体も慣れてきたら、次は、仕事内容、業務に慣れることが求められます。
新人看護師として、日々教育、研修、実践を行う中で、着実に能力を身につけるには、目標だったり、目的を明確化して臨み、振り返り、反省しながら成長していくものです。
では、新人看護師の日々の目標の立て方について考えてみましょう。
まず、職場が導入している教育体制を最大限に活かそう
新人看護師には、年間の大体の教育スケジュールがあり、この時期には大体この程度の看護、知識が身についていると設定されプログラムが組まれている病院や施設が多いです。
プリセプター制
プリセプター制をとる医療施設が多いですが、現代では、プリセプターのみが教育に関与するのではなく、プリセプターを支える教育担当指導者や中堅・ベテラン看護師の助言や指導、サポートをプリセプター・プリセプティ共に受けながら成長を目指すという教育方法は主流となっています。
これは、新人看護師のメンタルヘルスに配慮し、プリセプターの教育に関与する負担を軽減するために行われだしたことで、新人看護師とプリセプターが安心して成長を遂げられる為に必要な方策です。
なぜなら、新人看護師の早期退職や医療業界からの早期離職、教育に悩んだプリセプターの離職や自信喪失に至らない為の対処です。よって、一人一人の重圧を分散させることで、病院全体の離職者を食い止めることに関与します。
パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)
最近少しずつ広まってきている看護師教育方法です。これは、看護師が二人のペアを組み、患者ケアや看護、処置を行う事です。
この方法の利点は、一人で看護やケアを行わず、ペア実践する事により、二人でより良い看護を考え、偏った見方や方策を今一度考え直し、冷静に実践できるところです。
また、二人の良いところを発揮し、苦手、難しい部分を互いに補い、教え合う事で、ペアの能力を最大限発揮できるようになり、質の高い看護の提供に持っていくことが出来ます。
新人看護師が日々の目標を立てる前の準備
まず、新人看護師が目標を立てる前に、どんな看護師になりたいか、どのような看護師を目指すのかを考えることが大切です。
良い看護とは、患者さんの為とはなどと、自問自答し、理想の看護師像を作り上げることです。
その理想を元に、実現するには何の勉強や経験が必要であるかを考えるところから始まります。
日々の目標設定
まずは、一日一日をクリアする事から始まります。
その日の担当や役割を前日から分かっている場合と、その日にならないと分からない場合とがあります。しかし、どのような状況下でも、患者さんにこちらの事情は関係ありません。
必要なケアや処置を安全に、安楽に提供されることを患者さんは望んでいます。日々行う事を振り返り、助言でできた内容が、次は見守りで、その次は一人で出来るようになると言う事を目標とします。
分からなかったことは、質問し理解する、自分で調べて納得する事により、知識や技術を自分のものと出来るよう努めます。
大切なことは、分からないことを放置しない、解決する、調べる努力と聞く勇気を持つことです。
病棟の雰囲気や特徴を理解するところからスタート
急性期なのか、回復期なのか、内臓疾患系なのか、骨・運動器系、精神分野、神経系、難病系など自分の所属する部署の特徴を理解します。
- 病棟の伝達や連絡事項を確認できる
- 病棟の雰囲気や病院での位置づけを理解できる
- 職員として、他の職員や患者さん、ご家族、医療関係者に対応できる
- 健康管理を行い、休むことなく出勤できる
次は、患者さんに寄り添う、患者さんを理解するように動いてみましょう
看護実戦や技術は、経験や回数をこなすことにより何とかなります。よって、患者さんを理解し、どうすれば安楽に、不安を和らげ、療養治療に専念できるかを考えます。
- ナースコールの対応が出来る
- 病室を適切に訪室できる
- 患者さんの訴えを聞くことが出来る
- 患者さんに対応した内容を、上司や先輩に相談する事が出来る
- 物品の位置や必要物品の名称を覚えることが出来る
このような、基本的な必要知識と対応がこなせるようになれば、医療・看護行為の知識と技術を真から学べるようになるでしょう。
医療的知識、看護技術の理解と実践
失敗しながら、怒られながら看護と言う仕事は学びを深めます。
●疾患の基本的病態の理解 基本を知って、応用に活かす
患者さんは、いつも同じ状況を辿るわけではありません。時には複数の疾患が複雑に絡み合い今に至っている事もあり、典型的でないケースがあります。基本を知って、応用する事を求められるようになります。
●基本的看護ケアの実践による方法を押さえる
看護ケアの基本を弁えることで、自分ひとりで実践できるケアの幅が広がります。それを踏まえて、患者さんの身体的状況や個別性あるケアに無図美つける必要がある為、基礎を十分に理解しておくことが必要です。
●看護計画を立案し、看護展開する、優先順位を考える
必要なケアを書面に起こし、それを評価、修正する事で日々の必要な看護を考慮できるようにします。
また、実践中に訂正を繰り返すことで、誤りや偏った見方を是正でき、より患者さんにとって良い看護を実践できますし、次に同じ間違いや偏りを起こさない学習、振り返りとなります。
●医療処置や看護ケアを自分ひとりで実践できるようになる
まずは、お手本を見せてもらう事から始まります。見学、そこから、見守り、サポートによる実践、一人で実践と段階をおって一人立ちを目指します。
この他にも、自分の私生活を充実させることにより、仕事への活力を見出すことが出来ます。よって、休日にどのように過ごすか、リフレッシュするかと言う事も、日々の目標設定に挙げられます。
例えば、休日は、趣味の○○を思う存分楽しむ、休日は、この分野を再学習するなどの目標も立てられます。
まとめ
成功体験を繰り返すことで、遣り甲斐やモチげーションの維持・向上、次への挑戦心への刺激を行う事が出来ます。それは、日々の振り返りと目的意識を持った看護実戦、業務を行う事にあります。
新人看護師の日々の目標設定は、自分の役割を理解し、それを実践しながら、また、失敗し助言を受けながら、次に同じ失敗を繰り返さないよう振り返りを行うことです。