新人看護師技術チェックリストの活用法
厚生労働省では、新人看護職員の臨床実践能力向上の為の施策として、「新人看護職員技術チェックリスト」や「新人看護職員研修到達目標」を掲げています。
質の高い看護職員を育成するために、また、新人看護職員が教育方法に関して悩み、早期退職へ至らない為のサポートなどを狙いに作成されています。
- 看護の基礎知識・技術チェックリスト
- 安全な診療の補助業務に関する基礎知識と技術チェックリスト
- 安全な看護ケアを提供するための知識・技術チェックリスト
- 看護実戦における管理側面のチェックリスト
- 看護職員として必要な基本的な姿勢と態度についてのチェックリスト
上記の5項目が新人看護師の求められる姿勢や知識、技術を充足するためのチェック項目として大別されています。
病院や医療機関により用いられる物品や医療機器、機材、設備環境、実戦マニュアル等が異なります。
しかし、基礎や基本を熟知していなければ、どの状況にも対応ですることはできません。
よって、厚生労働省からの通達により方針を統一して、根拠に基づいた方法で新人看護師が実践できるよう研修や教育により実戦能力を見に付ける方向性を見出しています。
新人看護師技術チェックリストの使い方
新人看護師技術チェックリストは、新人教育が始まった時に早期に説明を受けます
。そして、実戦開始1カ月後、3カ月後、6カ月後と教育担当者と評価を繰り返していきます。1年後には、プリセプター以外の新人教育研修担当者とともに評価していきます。
経験は、説明や見学、先輩看護師の見守りによる実践、一人での実戦など段階を経て一人立ちを目指し、安全にクリアしていくことが求められます。
一つ一つの行為が出来ているかも大切ですが、一連の動作として円滑に遂行出来ているかが評価の対象となります。そして、基礎を弁え、何かその操作時に起こった問題に対して適切に対応できるかどうかも評価対象となります。
評価は、実践中に行い、評価基準に則り施行していきます。一連の項目による動作で80%以上出来ていると判断されれば、目標到達と判断します。
実践方法は、各部署の手順や基準のマニュアルを参考とし、実戦で活用できる技術であるかどうかが大切となります。
実戦評価は、振り返り時のみの行うのではなく、日々の業務の一環として、実践した経験項目を振り返り、見直していくことで効果ていな活用が出来ます。
また、教育を受ける新人看護師の姿勢として、未経験項目や自信のない項目に関して、積極的に、先輩や教育担当者に見学や経験をお願いし、クリアしていく心構えも必要です。
モチベーションを高めるための振り返り
新人看護師技術チェックリストの新人看護師の活用方法としてもう一つの解釈があります。
新人看護師は、日々の業務や覚える医療・看護技術の重圧に押しつぶされそうになります。時に叱られ落ち込み、それが度重なると自信喪失により、やる気の低下や自信の喪失に陥ります。
しかし、このようなチェックリストは、客観的評価の指標とも言えます。日々の実戦により出来るようになったこと、あと一息という事が一目瞭然でわかります。
「出来ない」「自信が無い」「ダメな看護師」と落ち込んでしまった時は、このチェックリストを評価して見てみてください。
本当にあなたは、何もできませんか?「出来る」の項目にチェックが入っていませんか?
日々着実に成長している証として残るものが「新人看護師技術チェックリスト」でもあるのです。
自己の実戦を振り返り、成長したなと感じることは、モチベーションを維持、回復させ、新たな分野への挑戦する力であったり、活力、自信に結び付けることにもつながります。
一人前の看護師に近づく為に、あとどの分野を経験し、熟練させていけば良いかという指標にもなります。新人看護師技術チェックリストは、次の目標を立て、着実な成長を目指すようにと活用することもできます。
最後に、新人看護師として働き始め、厳しい医療の現実の壁を感じている職員もいるでしょう。
しかし、患者さんは、新人と言う若さにエネルギーを貰い、その溌剌さに勇気を貰って闘病の意欲に変えている人もいます。長期の療養ともなれば、その新人看護師の成長を見守っている患者さんもいます。
くじけそうになることがあるかもしれませんが、新人看護師の奮闘や頑張りが、患者さんの好影響を与えることがある事も知っておいてください。