新人看護師が理解しておきたい医療現場のヒューマンエラー
医療現場のヒューマンエラーとは
人が起こす可能性のある失敗やミスのことです。人間は、完璧な存在ではありません。
行う一つ一つの行為に対して、失敗やミスが付き物です。しかし、医療現場では、起こしてはいけないミスや失敗が多くあり、時に人の命を脅かす要因ともなる為、回避する方法の模索や対策が必要となります。
看護師や医療職者の確認不足や未熟な知識や技術が引き起こすもの、患者さんの注意不足で起こすもの、人の性格や性質が起こすもの、精神的要因や肉体的要因が引き起こすものもあります。
医療現場のヒューマンエラーの原因
インシデントやアクシデント報告の全体の二割を新人看護師が占めていると言われています。
新人看護師が起こすヒューマンエラーの原因は技術の未熟さ、知識の無さ、経験不足、確認不足が多くあります。また、この他にも、過重労働や過酷勤務による注意欠損、不規則勤務やストレスによる睡眠不足で集中力が低下している状態があります。
そして、新人看護師という慣れない仕事や業務に対する過度の緊張や極限状態の精神により上手く身体が動かない、頭の中の整理が上手くいかないこともヒューマンエラーの原因となります。
申し送りや報告・連絡・相談、変更事項の未確認が引き起こすものもあります。新人看護師の「思いこみ」や「判断不足」による事もあります。
新人看護師が起こしやすいヒューマンエラーの要因
- 注射の内容や注射時間や経路(部位)の確認不足
- 点滴の速度の確認不足
- 薬の投与時間や内容の確認不足
- 患者の精神状況や身体状況を理解できず、アセスメント不足
- 認知機能、麻痺や欠損、安制度、精神状況の認識不足
- 報告や連絡や相談の不足
- コミュニケーション不足
新人看護師のヒューマンエラー防止策
まず、仕事が忙しく疲れをためやすい新人看護師は、自分の健康管理を行う事がヒューマンエラー防止の最善策です。
そのうえで、以下のポイントにも気をつけましょう。
情報収集の徹底
失敗を回避するためには、事前の情報収集が必要です。知識や経験が浅い新人看護師が自信を持って業務を行うには、知るべき事象を知っておく事です。
患者さんについて、治療について、行うべきケアや行為について、また方法について熟知しておく事で不安を軽減する事が出来ます。
不安が無いと言う事は、自信に繋がり、冷静に正しく実践する事が出来ます。失敗するかもしれないと臆病になることもありますが、もし失敗した時の対処方法まで知っておけば、怖いもの知らずに対処できるでしょう。
そして、新人看護師が慣れてきた時に起こすことが、確認不足です。「たぶん大丈夫」「さっき確認したから」と確認作業を怠ることがあります。
情報収集という観点から、「大丈夫」と確実なものとするためにも、確認による「確実性」の情報収集が必要です。
確認と相談、助言を聞く
分からないことを分からないと言える事です。分からないことを放置したり、分かった振りをしていると、いずれ聞きたい時に聞けなくなる、適切な対処が出来ず失敗してしまうこととなります。
今は、新人看護師という事で周囲のスタッフは気にかけ、助言や指導を行ってくれます。しかし、経験を繰り返すことで「分かっているだろう」「もう出来るだろう」と判断されるようになります。
その雰囲気は、もう新人看護師が質問しにくい状況になり、質問や指導を受けにくい状況になります。よって、みんなが気に泣けてくれている今、しつこいくらいに確認、相談を繰り返し、助言を貰っておく事をお勧めします。
恥ずかしい、こんなこと聞いていいのかと思うかもしれませんは、ミスを起こしてしまっては散る返しがつかないことが多いのが医療現場です。ちっぽけなプライドは捨てて、自分の知識や技量向上のために相談や確認を繰り返してください。
インシデントやアクシデントの振り返り
前にも述べましたが、人間ミスはつきものです。失敗を繰り返しながら成長するものです。そのミスを起こした後の対応が成長するか否かを決定します。
原因を考え、今後の取るべき行動を振り返り、自分の糧にしていくことが重要です。失敗した自分を責めるのではなく、その失敗をもう一度しないと言う決意と、もう一度起こさない為の方策をしっかりと練りましょう。
また、先輩や上司がどのように、そのミスを起こさないように対策しているかを聞いてみることも、自己回避に役立つでしょう。