第二新卒看護師として「地域医療連携室」へ転職!
現在の医療では、医療の専門化、細分化によりより高度で専門性高い技術を要求されるようになりました。診療報酬の改定から在院に数の短縮などが必要となり、患者さんの医療を受ける環境も激変してきました。
軽症から重症、急性期から慢性期・療養期など患者さんの医療ニーズも多岐にわたります。病院で療養したい人、在宅で療養したい人等生活に関する要求も多様化し、サービスもそれに応じて選択可能となってきました。治療後の多様化する医療・福祉の選択肢のなか、安心して次の生活の場、受けたいサービスをスムーズに受けられるよう調整、申請、実行していくのが地域医療連携室の役割です。
地域全体で地域医療、完結型の医療を構築していくことが業務と言う事になります。簡潔型の医療とは、大きな病院、小さな診療所、開業医、福祉施設、行政等それぞれが個々のサービスを行うのではなく、関わり合い情報提供、情報共有する事で地域全体ネットワーク化して、力を合わせることで、一人一人に最適なサービスを行うと言う事です。
■地域連携室の機能
・地域医療の連携に関する業務
急性期病院であれば、回復期、慢性期病院、療養の為の福祉施設・サービスの利用等に関する次の生活の場を調整して作る仕事を行います。
・地域医療連携に関する広報活動
地域医療連携については、まだ歴史の浅い取り組みです。一つでも多くの病院が連携に参加してもらえる事が患者さんの選択肢を広げる要因となります。広報活動により地域連携に関心を持ち参加してもらえる事業所をつくる事も仕事の一つです。
・地域連携を進める医師会などとの連絡調整
紹介患者の紹介状作成と受け手の早期の返信、連絡、ベッド調整等を行います。
・医療相談、福祉相談の患者さんと家族の方への対応をする。
・画像診断等における医療機器の共同利用の依頼や予約などの調整、検査等の実施を行う。
地域連携室で働く看護師の仕事内容
医療相談に関する相談業務
退院後の活用資源の調整と退院への円滑な支援
効率的な患者受け入れに対するベッド調整
紹介元医療機関への返信管理
紹介元医療機関との連絡調整
入院中患者の退院までの情報提供と相談受付
患者・家族に対する療養・社会的資源の問題解決サポート、受けられる資源の情報提供
他の医療、福祉、行政機関との連携
地域住民の健康維持・増進活動
地域連携室の仕事に興味がある新人看護師さんへ
地域連携室に勤務する看護師は、患者さんの次の療養の場所を決定する役割があります。その方が何を望み、どのような療養を求めているかを知ることは当然ですが、紹介元の病院がどのような特徴があるか、その方にとってメリットがあるかなどを考えながら連絡調整を行う必要があります。
知らない病院に、知っている患者さんを送り込むことほど不自然で無責任な事はありません。紹介元病院や施設を知っているという事が大切です。
継続した看護や医療が提供されるために、患者さんの要望や要求を紹介元に的確に伝える事も必要です。
それには、患者さんとコミュニケーションを図り、何を求めているかをじっくりと聞きとる必要があります。患者さんと何でも言い合える関係を築く事も大切です。
地域連携室に勤務する看護師は、退院していく患者さんの退院調整に関与するため、患者さんの退院への喜びを感じ、また、生活の質が高まるような関わりが出来るために達成感や仕事への喜びを感じる事が出来ます。
患者さんの今後の生活の不安を実感する事が出来、未然に対策する事で患者さんの安心に関わる事が出来るのも看護師としての喜びです。また、勤務形態的にも、他の行政、医療、福祉機関の稼働時間のみの勤務となる事が多く、日勤のみで残業が少ないという働きやすい環境があります。
新人看護師が、この部署に勤務したい場合は、多くの患者さんに触れ患者さんの退院後の不安や悩みに触れる経験を積むことが重要です。よって、新人時代からここへ配属されることは無いでしょう。まずは、第二新卒看護師として関連する職場への転職を考えるところから始めましょう。そして、臨床経験を積み、地域連携や連携パス、行政、福祉などの知識を十分に携える事で配属される見込みのある現場です。
地域連携室では、現場では知識として身につけられない法律や行政の仕組みについて知識付けが可能で、自分や身近な人が医療、福祉の手助けが必要となった時に活用できる知識が身につくと言ったメリットもあります。
しかし、退院後の調整役として働く地域連携室看護師は、病気を患う臨床実践は業務上無いと言えるでしょう。実践家で有り続けたい看護師にとっては興味がわかない部署でもあります。