《悩み相談室》病院以外で働いてみたいです
ASAさんからのお悩み相談
看護師の資格を取得してから病院に就職して働いている新人看護師ですが、最近は病院ではなく、別の職場で働きたいと思うようになりました。もちろん苦労して取得した看護師の資格を活かしたいので、看護師として病院以外の職場で働きたいと思うようになったのです。なぜこのような考えを持つようになったのかというと、生活習慣の乱れで体力的にも精神的にもまいってしまったためです。
夜勤と日勤に分かれているというだけではなく、休みもバラバラな上に休日も少ないので、このままでは倒れてしまうのではと考えてしまいます。病院以外の職場で働くのであれば、どのような職場で勤務するのがおすすめできるのでしょうか。また、病院以外の職場で働くときに必要な心構えやスキルなども教えてほしいと思います。
アドバイス
●どのような仕事をしたいのか明確にしておく
病院以外の職場ならどこでもよいと考えているのであれば、どこの職場に行ってもまたこの職場以外のところで働きたいと考えてしまうことは確実です。どこの職場であっても看護師が勤務する職場は大変ですし、公務員として勤務しても、看護師の仕事はかなりハードです。よってこのような仕事をしたいという明確な目的がなければ、転職しても全く無意味になってしまうので、このまま病院で勤務していた方がよいでしょう。
もし高齢者の介護を行いたい、子供たちを守るような仕事がしたい、病気の人にアドバイスを送るような仕事がしたいなど、明確な理由があるのであれば、転職しても特に問題はありません。ただし、新人看護師では採用してもらうのが難しい職場もあるので、できればある程度病院で経験を積んでから転職した方が、確実に自分が働きたい職場に転職できる確率は上がります。
職場によって必要になるスキルも変わってくるのですが、基本的に看護師としてある程度経験を積んでおけば、どのような職場であっても通用することが多いでしょう。やはり新人看護師が最も転職しやすい職場が病院ですし、看護師としての基本を学ぶことができる職場なので、どのような仕事がしたいのか明確な目的がないのであれば、転職するのは考え直すべきです。それでも病院以外の職場がよいのであれば、失敗を覚悟して転職しましょう。
●隣の芝生は青く見える
日本にはいろいろな諺があるのですが、隣の芝生は青く見えるという諺もあります。どのような意味なのかというと、何でも自分より周りの方がよく見えるという意味であり、仕事に例えると、自分が働いている職場以外のところは何でもよく見えると解釈できます。自分は病院で勤務しているが、病院は待遇も悪くて仕事もきついから、別のよい職場に移りたいということになります。
しかし実際に転職してみると、以前の職場の方がよかったと後悔する人もいるのです。このように自分が最も苦労している、自分は最も過酷な職場で勤務していると勘違いしている人が、別の職場で勤務したいと考える人が多いので、明確にこの職場で働きたい、このような仕事に興味があるという場合であればともかく、しっかりとした理由がないなら転職は控えるべきです。
病院というのは最も看護師の技術や知識を高められる職場といっても過言ではないので、病院でしっかりと経験を積んでおくことで、多くの職場に転職できるだけのスキルが身に付きます。他の職場では研修を行っていない場合もありますし、経験がないと採用してくれない場合もあります。しかも病院は、第二新卒のようにほとんど経験がない看護師でも積極的に採用してもらえるので、スキルアップには最も適しているのです。
体力的にも精神的にもきついのはどこの職場でも同じなので、自分が最もきつい職場で勤務していると考えている人は、隣の芝生は青く見えるという諺を思い出してみましょう。辞めるのは簡単ですが、自分の希望通りの職場に転職するのは難しいので、すぐに決断するのではなく、1度きちんと考えてから決めるべきです。まだ若いから大丈夫という考えは通用しませんし、看護師は年齢よりも経験が重要になります。