新人看護師はレジリエンスを鍛えよう!
新人看護師の早期退職や離職を阻止しよう、人材確保しようという試みから、教育方法の改革や教育者側への研修や教育により、新人看護職員が看護を学びやすい環境整備を行う事業所が増えてきました。
しかし、個々の精神面の強さや性格はそれぞれ違い、その新人看護職員自体の心構えや精神力の強化も必要と言われています。
最近、「レジリエンス」という言葉が、心理学分野にて提唱されるようになっています。
このレジリエンスについて学んでみましょう。
レジリエンスとは
レジリエンスとは、心理学や精神医学の分野で用いられる用語です。精神的な回復であったり、精神的に抵抗する力、疲労やストレスをためた心の回復や復元する力、ストレスに耐える力に使われる言葉です。
対義語として、「脆弱性」と用いられ、ストレスに耐えかねて潰れてしまう、精神的健康を失ってしまう事を指します。
よって、レジリエンスとは、精神的な自然治癒力を意味し、精神の健康を自らの力で保つと言う事です。ストレスを跳ね返し、ストレスフルな辛い状況下においても正常で、平衡状態の精神を維持できる力に使われる用語です。
一例として、外的なストレスや衝撃に対し、多数の人々が同内容の出来事に遭遇した場合、特に何も心に変化なくその後の生活を送れる人々と、心的外傷後ストレス障害に見舞われ、その衝撃や出来事が、今後の生活や精神活動に支障を来たす人々がいます。
レジリエンスの差がこの結果です。
レジリエンスに与える影響として、自尊心、真からの愛着、ユーモアや思考の転換、物事の捉え方と楽観的・悲観的な思想、自分を支えてくれる誰かが居ると言う状況など、自他の要因があります。
失敗しても、間違っても、プレッシャーやストレスを感じていても、それに耐えうる力を有する、それに適応する柔軟性があると言う事で、自分の中の適応力と、自分を支える人や物の支えが大きく作用します。
鋼の精神と言うよりは、あらゆる方策、方法、支えを駆使して柔軟に、しなやかに乗り越えていく力を言います。
レジリエンスの強い人と弱い人の考え方
レジリエンスを強化するには、つらい体験や経験を繰り返し、それに耐えうる力を養い、その壁に当たった時に対応できる方法を多数保有し、乗り越え、回復する事が必要です。
困難な状況に多く遭遇する事で、強化出来る部分もある為、逃げず立ち向かう事も大切です。
「こうあるべき」との考えや「一人で何とかしよう、自分の力で強く居られる力を」と無理することにより、ストレスに押しつぶされ、精神が脆弱化する事が考えられます。
レジリエンスの強い人ほど、その困難な状況下を客観的に捉え、あらゆる方策により障壁を乗り越え、精神的健康を保ち、自分にとってプラスにとらえ、壁に立ち向かう力を養う頃が出来ます。
レジリエンスの強化方法
レジリエンスが高い人は、肉体的にも精神的にもきつい仕事や作業を行いながらも、健康的にはつらつと、その責任を果たし、心を病むことなく事をこなすことが出来る状態です。
・逆境を乗り越える力
・困難に負けない力
・困難に立ち向かう力
この力は、性格やこれまでの養育環境や生育環境などの影響します。自分の内面に備わる力です。その力を上手く引き出し、外的、内的ストレスに立ち向かう力を発揮する事が大切です。
これを強化するには、「認知行動療法」と「ポジティブ心理学」を組み合わせた考え方の習得です。
落ち込んだ気持ち長引かせない
ストレスや失敗に対し、誰しも一度は落ち込みます。それに対して、いつまでも引きずることなく、立ち直ることが必要です。
憂鬱な気持ちや腹立たしさをいつまでも抱えていては、前に進むことができません。その気持ちを断ちきり、元の心理状況を取り戻します。まずは、辛い気持を受けとめることから始めましょう。
そこから、立ち直る力を溜めこみます。
「大丈夫」「次はやれる」と自分に言い聞かせ、周りの助言などを参考にしながら「成功策」を考え見出します。
これを糧に、失敗を「教訓」にし、次に挑戦する力を溜めこみます。
そして、準備が整ったら「挑戦する」のです。
この失敗と、挑戦の繰り返しまた、別の部分での失敗と挑戦、成功の繰り返しによって、レジリエンスは強化出来ます。よって、失敗や間違いを恐れること、失敗しない為に挑戦しないことは、レジリエンスの発達や成長を妨げます。
体と心のリフレッシュ
それでも、悪循環や、マイナス思考から抜け出せない時の脱出方法を考えてみましょう。
まずは、疲れた心の解放、「気晴らし」をしましょう。マイナス思考からは、なかなか脱出しにくいと言う事が特徴です。
●身体を使って心を解放
エクササイズ、ダンシング、ウォーキングやジョギングで、何も考えず、身体を動かすことだけに集中します。
●芸術に触れて心を解放
好きな音楽を聞く、楽器を鳴らす、映画や絵画を鑑賞するなど、芸術に触れて違う時間や土岐の流れを過ごします。
●呼吸を落ち着かせて心を解放
ヨガ、瞑想、散歩、ピラティスなどのゆったりとした動き、時の流れを過ごし心を落ち着かせます。
●思いを認めて心を解放
日記や手紙、殴り書きでもいいです。自分の思いや内面を紙に書くことで自分の気持ちを直接理解し、受けとめて無理をしない、心の解放方法があります。
ストレスに対する発散以外にも、「自分は出来る」と信じる力と心積もりがレジリエンスを高める要素となります。もっと、自分の奥底に眠る力を信じることも大切です。
人に相談する、人の力を借りるという人を頼りにする気持ちも自分を楽にする方法です。