年間の計画・目標を立てよう!
新人看護師として入職し、まもなく手渡される書類の一つに年間目標や自己課題の目標管理シートがあります。自分は、一年後、どのような看護師になるために、どのような姿勢で仕事に臨み、どのように目標が達成できるように行動していくかどうかを文書化します。
そして、日々の経験や研修参加、自己学習により、一人前の看護師を目指します。
年間の計画や目標をどう立てればよいか迷っている新人看護師も多いことでしょう。
しかし、締め切り迫る目標決定に頭悩まされることがあるでしょう。新人看護師にお勧めする目標管理についてまとめてみます。
新人看護師の求められる到達目標
専門職業人としての態度
●医療職者としての責任ある行動と患者や家族との関係づくり
倫理、尊厳、人権を理解し、患者や家族へ適切な対応を取る(プライバシーなどに配慮し、自分の言動や行動で患者や家族を不安や怒りに晒さない)
●組織での役割遂行を行え、自己学習のもと研鑽を図る行動がとれる
病院の意向や組織の位置づけを理解し、自分の与えられた役割を適切に果たす。それを行うために自己能力開発を積極的に行える(自発的な研修参加や教育指導を受ける姿勢)
看護実戦
●正しいアセスメントものと看護計画立案、実践できる
●患者の全体像を理解し、個別的ケアの展開、基本的な看護ケアを実践できる
●自分の配属された職場の特徴的なケアや医療を理解し実践できる
●患者との関係を作り良好なコミュニケーションが図れる
対象者の意思表示や自己決定を尊重し、出来る限りの手助けを行う
管理
●インシデント報告を速やかに行い、早期対処、今後の対策を考える
●感染予防の為の対策と、感染した際の対処法を習得する
●正しい業務管理のもと、円滑な日々の業務遂行が図れる
優先順位とタイムスケジュールの決定
●物品、薬剤や情報管理、この他、コスト意識を持ち、医療現場で努める看護師としての責任ある行動をとる
新人看護師に求められる取り組み姿勢
専門性の高い質の良い看護を提供するためには、誰が、何のために、どのようにして看護活動を行うかと言う目的や目標のもと業務遂行していくことが求められます。
「なんとなく」「こう言われたから」と行うのでは、個別性ある患者さんの為の看護はできません。これまでしてきた看護がどうであるかも振り返られず、看護職者の独りよがりの看護となり、患者さんの満足度は低下していきます。
新人看護師は、新人看護師として半年後、一年後その湯に成長していたいかを考え、目標設定し、達成すべく日々の実践や研修による能力開発を求められます。それが、専門職業人としての仕事をする姿勢です。
定期的に振り返り、評価する事で気付くこともあり、評価を修正しながらモチベーションを維持、向上させ日々の看護に反映、一年後の目標達成を目指します。
新人看護師の目標設定のポイント
病院や病棟の目標を確認し、自分ではその目標を達成するためにどうあるべきかを考えます。達成し易く、評価し易い内容とします。
例えば、「体調管理を十分に行い、欠勤や病気による休暇をとらない」「患者さんを笑顔に出来る看護技術を身につける」「技術チェックリストのチェックを達成する」「何カ月後に日勤業務の一人立ち、何カ月後に夜勤導入、何カ月後に夜勤一人立ちできる」「ナースコール対応と電話対応が出来る」「特徴的な検査や処置を挙げ、この項目を一人でできるようにする」など、具体的に目標を挙げます。
この大きな目標のもと、小さくステップを持ち、これを達成するために何を土台とするか小さな短期目標を作ります。
評価と振り返り
時期を見て、数か月ごとの評価します。その短期目標を評価し、着実に達成に近付けているかを評価します。そして、そこで気付いた無理な内容や、追加したい内容を変更しながら、また、次の評価日まで能力向上に向けた看護活動を実践します。
ただ、目標を掲げるだけですと、そのうち「目標は何だったか」「目標すら忘れた」と言う状況になりかねません。定期的に振り返り、評価、修正を加えることで、モチベーションを維持していく必要があります。
また、この評価の時に、日々の自分を振り返ってみてください。充実した成果が行えているか、仕事に前向きに、私生活を楽しく過ごせているかを考えてみてください。
仕事とプライベートの充実は、関係性を持ちます。仕事を楽しく前向きに行うためには、自分をケアし、自分の為の時間を取るゆとりが必要です。仕事の評価をすると同時に、自分の生活面の評価や振り返りもしてみましょう。