新人看護師時代に特に辛いのはどんな時?
夜勤が辛くて辞めたくなる看護師が多い
3年未満の新人看護師の離職率が高いといわれています。なぜ新人看護師が辞めてしまうか見てみると、いくつかの特徴があります。その中でも多いのが「夜勤がつらいので辞めたい」というものです。
私たちは通常、朝に起きて日中仕事をし、夜になったら休むというサイクルを取ります。夜勤になるとこれが逆転してしまいます。しかも毎日夜勤であればまだリズムも取りやすいかもしれませんが、夜勤があったり日勤があったりといった感じで、生活のサイクルが乱れます。その結果、しっかり休息を取りたくても頭がさえてしまって休めない、夜勤になると眠たくなって集中力が持たないといった現象が起こります。
しかも夜勤は日勤の時と比較すると、看護師のスタッフの数が少なくなります。このため、一人が担当しないといけない仕事量が多くなります。まだ経験が十分でない新人看護師の場合、いっぱいいっぱいになってしまってパニックに近い状態にもなりえます。しかも急患が現れて、迅速に的確な措置をしないといけないとなればより大変になります。その結果、肉体的についていけなくなって離職する傾向があります。
勉強したいのに残業があることも
日勤だと夕方ごろ、夜勤の場合には朝になれば通常シフトは終わります。しかし実際問題、時間通りに仕事を上がれない人が多いです。残業をこなさないといけなくなって、数時間さらに勤務時間が延長ということもあります。
これは患者の看護ケアや医者の医療サポートなどに勤務時間中追われてしまって、看護日誌をつけるなどの事務作業がなかなかできないためです。このため、日勤でも終わるのは夜の8時とか9時という人もいますし、夜勤も昼近くになってやっと解放というケースも見られます。
新人看護師はまだまだ実務をこなしながら勉強していかないといけません。そこでたいていの新人看護師は、新しく覚えたことをメモして自宅に戻ったら復習します。ところが残業が長いと勉強している暇がありません。そして先輩のナースにおぼえていないことを中止されると、悪循環に陥ります。
いじめの問題
新人看護師が離職する理由の中で、いじめの問題が見られます。新人看護師の場合、まだまだ先輩から実践的な看護技術を教わる立場にあります。そこでいろいろと指導や注意をされるわけですが、中にはそれが行き過ぎていじめと思われても仕方のないケースも見られます。
「ナースステーションで見世物のような感じで叱られた」「患者の前でミスを責められた」「人格を否定されるようなことを言われた」「馬鹿にされるような注意を受ける」といった事例が、看護師の掲示板でもしばしば紹介されています。看護師は患者の命を取り扱っている仕事で、大変ハードな業務です。
先輩ナースもストレスがたまっているのでしょう。それが結局立場の弱い新人看護師に向けられている可能性があります。上で紹介したような、理不尽な仕打ちを受け続けていると心が折れてしまって離職する人もいます。
派閥への戸惑い
新人看護師として入職してしばらくの間は、仕事をこなすことで精いっぱいになります。しかし徐々にルーティンの仕事に慣れてくると、だんだん周りのことが見えてきます。大きな病院で往々にして起こりうることですが、派閥のある職場はしばしばあります。看護師は女性ばかりの職場のため、派閥の生まれやすい環境といえます。
新人看護師の中には、できるだけどの派閥にも巻き込まれないようにしたいと思っている人が多いです。しかしこのようにうまく立ち回れるスキルを持っている新人看護師は少ないです。
派閥として多いのは、師長と主任といった管理職同士の派閥です。このような管理職同士の派閥の場合、維持やプライドが関係してきます。一度意見がぶつかるとなかなかお互いに主張を曲げなくなります。その結果、どんどん対立が深刻になっていってしまうのです。このような派閥争いに巻き込まれると、仕事に対する情熱を失って離職したくなる新人看護師も多いです。