入職半年で辞めたいモードに…
新人看護師さんが、職場に入職してもう半年が過ぎました。仕事内容もなんとなくわかり、看護師の仕事や役割が理解できた頃でしょう。
そして、この頃に多くなるのが、業務量の増加、日勤業務の一人立ちや夜勤業務の開始、仕事が多くなることによる上司や先輩からの叱責があります。時に、インシデントや医療事故に繋がるミスが増える時期でもあります。
このように、お叱りや失敗を繰り返すと、リアリティショックの壁や、仕事を辞めたい気持ちに押しつぶされそうになります。
しかし、せっかく大変な学習過程を経て、国家試験に合格し、自分の夢を叶えたのだから、本当は続けたいし、辞めたくないものです。誰もが経験する「辞めたい」気持ちに打ち勝つ方法を学んでください。
新人看護師が辞めたくなる理由は?
同年に看護師を始めた新人看護師の1年以内の離職率は、約10%と言われています。念願かなって看護師になった新人看護師の約一割が、何らかの理由で退職、転職しています。
- 仕事がきつい
- 人間関係が悪い
- 業務量と待遇(給与)が合わないと感じた
- 仕事が向いていないと感じた
- こんな仕事とは思わなかった
- 不規則な生活が難しい
- うつ病になった
- 健康を崩した
- プリセプターとの関係が上手くいかなかった
仕事自体がキツイ、キタナイ、キケンと言われる看護業ですが、その部分が気になり対処できない新人看護師は、仕事を継続する事は難しいかもしれません。
しかし、自信が無い、レベルが高すぎる、先輩のようには出来ないと感じる新人看護師は、経験が浅い為の悩みである為、その壁を乗り越えさえすれば、数カ月後、数年後の未来は明るいと考え、継続できるのではないでしょうか。
また、業務量や給与、待遇面、人間関係や教育体制に不安や悩みのある新人看護師は、その職場に留まらなくても、他の職場で楽しく看護を出来るかもしれません。そして、うつ病や鬱状態に陥った新人看護師は、今の身体を大切にし、休職をすることで身体と心を休め、今後をじっくり見つめ直す必要があるでしょう。
新人看護師のモチベーションの変化と対処法
新人看護師のモチベーションのピークは、国家試験合格時や、入社式をした時ではないでしょうか。やる気がみなぎり、これからどのような事をするのか、どんな現場が待っているのかなど、期待に心が躍る時期です。
そして、職場で自己紹介をし、院内研修などが開始されますが、そのような日々に遣り甲斐と期待を高めることでしょう。
しかし、これまで経験しなかった内容を学び、時に失敗やお叱りを受けながら仕事をしていると、自信を無くしたり、自分には出来ないと劣等感を感じることがあります。
そして、そのように注意や指導を受け、日々の身体的にも精神的にも大変な業務を繰り返していると、モチベーションは低下し、半鬱状態に陥ったり、やる気を無くしてしまう事があります。
ここで大切なことは、そのモチベーションを回復させることです。
その方法として、出来る事や出来るようになったことに着目し、「出来ない事ばかりではない」「入職時より出来ることは増えた」と成長を自分で認めることです。
モチベーションを低下させた新人看護師は、出来ない事ばかりに目を向け、どんどん、どんどん「自分はだめだ」と自滅していく傾向にあります。そして、そのように落ち込んでいく新人看護師に気付いた先輩看護師は、時に新人看護師を褒めたり、「出来ている」と評価してくれます。
しかし、そのような言葉にも反応できなくなり、「そんなことはない」と否定的になる新人看護師は、退職や離職の道へ進むこととなります。よって、先輩の評価や上司の評価を信じ、「出来る」「出来た」という感触を大切にする事も辞めたい気持ちに歯止めを利かす方法です。
たった半年で辞めないためにできること
看護師という仕事はたった半年働いただけでは見えてきません。そんなに早く辞めてしまうのはとてももったいないです。
辞めるかどうか、転職するかどうかの判断の前に、自分自身が仕事とプライベートを上手にやりくりしているという余裕を持った状態になってみましょう。そうなると、今まで見えなかった看護師の仕事というのがだんだん見えてくるはずです。
●趣味に没頭する
誰しも、好きなことに邁進できる事は、活力や生きがいを感じられる一時があるでしょう。
●休暇を大切にする
休日にも仕事の事を考えすぎる新人看護師は、自爆・自滅へ走る傾向にあります。よって、休日は白衣を着ていないので、自分の自由時間、私生活を楽しみましょう。
●ドライブや小旅行に出かける
リフレッシュや癒しは、仕事のやる気回復に一役買います。
●友人や家族に相談する
医療界に属さない人、自分の心寄せられる人に相談や、愚痴を言う事で、心に待った鬱憤を晴らすことが出来ます。医療を知らない人の助言も必要です。
●同僚や先輩に相談する
同僚は、同じような悩みを抱え思いを共有する事が出来ます。また、先輩は、同じような壁を乗り越えた人でもあり、効果的なアドバイスが貰えます。
●マッサージや身体のメンテナンスをする
心身を癒すことに繋がり、疲労を回復させることが出来ます。
●一日の最後は、入浴などで疲れを充分にとる・栄養を充分にとる
仕事を行う事は、疲労回復とエネルギー摂取が重要です。
辞めたい気持ちに拍車がかかる時期、どのように乗り越えるかが重要です。自分にあったストレス発散法や、休暇の取り方を工夫し、心と身体を発散させる必要があります。
自分を追い詰めないでください。自分をほめ、自分の頑張りを認めてください。今の頑張りで充分です。
これから経験する事で、どんどん魅力的な看護師になれるのが新人看護師ではないでしょうか。