もうすぐ二年目に突入する新人看護師の目標設定・チャレンジしたいこと
看護師二年目ともなると、業務を理解し、自分で対応できることが多くなっています。そして、一番違う事は、後輩が入ってきて先輩ナースになると言う事です。
もうすぐ二年目がスタートする新人看護師の目標設定とこれからの能力アップについて考えてみましょう。
二年目の看護師としての目標設定
まずは、業務内容の理解を見直し、自分の配属先で重要とされる医療処置や知識、看護ケアの特徴を再確認します。
そして、次に、患者一人一人について理解し、そのニーズを満たすケアが考えられているか、個別性ある看護計画の立案が出来ているかを見直します。
最後に、その計画や目標がタイムリーに評価修正出来ているかを考えます。
二年目ともなれば、自分ひとりで動くことが出来る実戦力や経験を踏んでいると判断されます。よって、基本から応用へと求められる内容は高度化していきます。
看護師と言う仕事、職種に慣れ、今働いている職場環境に適応する
二年目は、まだ一人前とは言えません。未経験分野や助言・相談により実践する部分が多くあります。基礎を身に付けた一年目を踏まえて、応用を見出す力を養います。
これまで、新人看護師として許されていた失敗が許されなくなる、もし、分からないことを聞ける時期であった一年目に放置していた疑問や不安を聞けなくなるのも二年目です。
仕事量も、他の先輩や中堅看護師同様の内容を求められるようになり、より忙しさを増すこともあります。委員会やチームでの役割を任されるようにもなります。このような状況に適応する事を求められるようになります。
一杯一杯になり、頭の中がごちゃごちゃになってしまう事もありますが、この状況に慣れ、適応できるようになることこそが目標になります。
一人一人の患者理解に努め、個別性ある看護を考える
一年目、疾患を聞き、それに必要な基本的な病態や検査、処置、治療を理解したうえで、必要な看護を立案することを目指してきました。
しかし、そこには、個別性を組み込めると言う余裕はなかったものです。しかし、経験と実践を繰り返すことで、また、患者さんと関わりコミュニケーションをとるという余裕が生まれてくることで、「この人に為の看護」「この患者さんだけの計画」を立てられるようになります。
二年目ともなると、仕事に慣れてきた分、患者さんや他のスタッフ、医療職者へ目を向けるゆとりが生まれます。人々と関わることで、真の看護を考えられるようになります。
チーム医療を理解し、他職種の理解と看護師の役割を理解する
円滑な診療、治療、患者の早期回復を考えると、他職種との連携やカンファレンス等による検討などが重要となります。
看護と言う仕事を理解し、その発揮できる能力を把握したうえで、患者さんを取り巻く医療職者の役割、立場を理解し、相互関係を充実させることで、よりよい医療の提供を考えられるようになることを求められます。
言われたからするのではなく、自ら進んで看護職者として働きかける行動力も求められるようになります。
二年目の看護師のチャレンジ
基礎を身に付けた一年目、より発展的な学習と経験によりジェネラリストとしての道や、スペシャリストとしての道を歩み始めるのが二年目看護師です。
研修や学会の積極的参加
看護の知識や現状を把握するために、院内外の研修や学会参加をすることをお勧めします。各県には、看護協会が設置され、年間教育プログラムをそれぞれの県で作成し、看護師の能力開発に一役買っています。
クリニカルラダーを採用している医療施設、看護部では、そのレベルに沿った、看護協会主催の研修に参加する事が出来ます。看護協会に入会していると、参加費用が安く抑えられたりする為、職員に入会を勧めている病院も多数あります。
研修参加により、知識を養い、また、自分の極めたい分野を明確にしていくことも出来る為、研修参加はキャリア形成に必要な要素とも言えます。
関連資格取得
各配属部署により、必要とされる看護技術や医療知識はそれぞれです。自分の配属先に必要とされる資格を取得する事で、より専門性高いケアや技術を洗練する事が出来ます。
よって、その部署に求められる存在となり、やる気を保ち、遣り甲斐ある仕事を継続する事が出来ます。
例えば、高齢者が多い部署では、「認知症ケア専門士」「初級認知症ケア指導管理士」「認知症ライフパートナー」「認知症認定看護師」などの資格があります。
寝たきりの患者さんが多い現場では、「日本褥創学会認定士」などの資格もあります。
糖尿病患者が多い現場では、「糖尿病療養指導士認定」「フットケア指導士」などの資格が役立ちます。高齢者の失禁や排泄トラブルに関与する資格として「排泄機能指導士」などという資格もあります。
学会認定ではなく、人を癒す、人と話すという観点から、「」アロマテラピスト」「音楽療法士」「手話通訳士」「臨床心理士」「心理カウンセラー」「不妊カウンセラー」などの資格もあります。
今、現場の必要とする「ケアマネージャー」「家族相談士」などの資格もあります。
認定看護師や、専門看護師の資格は、決められた実務経験や学習過程に沿う必要があり、高い壁となることもありますが、認定資格や民間資格にチャレンジする事は、その全段階やステップともなり、とても有効な経験や資格となります。
将来を見据えた転職
二年目になると、仕事場に慣れて看護の仕事を理解できるようになります。それを踏まえて考えてみると、転職したいと感じたり、「こんな看護師になりたい」との思いが強まることがあります。
「今の職場では、理想の看護師像にはなれない」と感じる場合もあります。
そんな時に頭をよぎるのが「転職」です。
看護師の1年目の離職率は、1割程度と言われえています。10人に一人は転職、離職していると言う現状があります。
●第二新卒としての就職
第二新卒とは、看護師として働き始めて3年未満の看護師を言います。看護師として経験が浅く、まだ教育が必要な人材であり、これから伸びしろのある人材とも言われています。
看護師は、3年を期に一人前と言われることがあり、第二新卒としての扱いは、まだ未熟と判断されることがあり、時に転職や再就職に不利になることもあります。
このことを踏まえると、3年程度は一つの職場で経験を積むと言う事も頭の片隅においておくとよいかもしれません。
まとめ
二年目の看護師は、出来るようになったことがどんどん増え、「あれがしたい」「これがしたい」と希望と期待に満ち溢れている職員が多いでしょう。
資格取得や研修参加、役割の遂行と能力アップの為の行動に移せる勢いある時期です。看護師としてのキャリア形成に最も勢いを感じられる年代でしょう。