新人看護師の挫折パターン
入職して数カ月がたちました。夏を前に、夜勤を始めようかと言われている新人看護師の方もいるでしょう。日勤業務の一人立ちを求められている新人看護師の方もいるでしょう。
周囲は、成長に期待を抱き、次々と教育指導を行ってきますが、新人看護師のこの時期の気持ちとしては、「もう少し休ませてほしい」「息が切れそう」と身体的にも精神的にも休息を求めている時期です。
新人看護師は、この時期を何とかして乗り切れないと、自信を喪失し仕事を退職しようとしたり、身体的バランスを崩して仕事が続けられない状態になることがあります。
新人看護師が挫折しない為の対策を考えてみましょう。
新人看護師の挫折の典型的3パターン
新人看護師の離職率は、1年以内で9.2%と約一割の新人看護師が挫折している現状があります。
看護師として働くには、体力が必要ですが、精神的な強さも必要です。身体を病んだ患者さんは、心も弱っています。その心身を病めている人を十分に看護するには、大層なエネルギーを必要とします。
自己評価の低さから、自分の出来が悪いと自己攻撃し自爆するパターン
頑張って、頑張って、しかし失敗を繰り返し、先輩に叱られることが多い新人看護師は、そのたびに自分の出来の悪さを感じます。
「また出来なかった」と落ち込み、「なんでこんなにも自分は出来ないのか、向いていないのではないか」と自己否定します。これ以上頑張れないほどに頑張っている自分を正しく評価しません。
「これ以上無理」と打つ症状や不眠から始まり、心身症やうつ病、時にパニック障害などを引き起こし、挫折してしまう事があります。
疲れやストレスによりやる気が底をついたりして、知識や技術がついていけない為にお手上げとなるパターン
初めはやる気を持って前向きにしていた新人看護師でも、日々の仕事の大変さや実践の難しさを感じ、やる気を低下させてしまう事があります。
低下したやる気は、学習意欲や仕事への意欲をも奪い、振り返りや復習をする力をも無くさせてしまいます。そして、全部ことから逃げてしまい、実践が伴わず「こんなはずじゃなかった」と挫折に至ることがあります。
また、逆に初めから「なんとなるさ」と努力を怠り、やる気の無い新人看護師もいます。
これまで、何とか学校生活をこなしてきた新人看護師は、時に仕事に対しても適当な態度をとることがあります。教育を必死に行うプリセプターの努力をよそに、真剣にならずその場しのぎの対応をとる新人看護師も見受けられます。
楽して稼ぎたいと看護師を目指した看護師が当てはまることがあります。実際働いてみると「こんなはずじゃなかった」「なんで社会人になってまで勉強づくめなの」と自ら退職という道を選択する新人看護師もいます。
先輩や上司に嫌われてしまい、仕事を継続する事が困難となるパターン
嫌われるきっかけは、種々の理由があります。仕事に熱意が無い、社会人としての基本的マナーがなっていない、積極性に欠ける、好かれようと媚を売ろうとしている、先輩の陰口を言うなどこの他にも理由はたくさんあります。
時に、自分に理由はなく「ただなんとなく」といじめの対象となることがあります。もちろん、教育を必要とする新人看護師が嫌われてしまうと適切に指導を受けられず、仕事が出来ずに退職に陥ってしまう事があります。
挫折を未然に防ぐには
挫折しないためには、自分が働きやすい環境づくりが必要です。人間関係、知識面、技術面など、自分が仕事をする上でそれぞれの向き合い方で周囲の自分を見る目を変えることが出来ます。
先輩を頼る
先輩は、頼ってくる若い新人看護師が大好きです。「かわいい奴」とかわいがってくれます。
仕事上の辛いことや疑問、指導の依頼だけではなく、私生活においても何か誘われたら共にする、相談するなど、少し頼ってみることで親密性が高まり仕事をし易い関係を作り上げられることがあります。
仕事に熱意を持ち、やる気を見せる
仕事をし易くするには、仕事へのやる気を周囲へ示し、やる気を見せることが必要です。やる気さえあれば、失敗を繰り返していても「いつかはできるようになる」と教育や指導に力を注いでもらえます。
前向きに頑張っているからミスもカバーしてあげようと言う気持ちになります。質問や自己学習をすることで、知識や技術を習得でき、今はできなくても着実なレベルアップに繋がります。
社会人としての最低限のマナーを守る
新人看護師は、看護師、医療職者からの教育を受ける立場です。挨拶、お礼、敬意を払い依頼をするなど、社会人としての基本を示し、「教えてあげたい新人看護師」になる事が大切です。
挨拶やお礼の言えない新人看護師に、先輩は何故自分の時間を割かなければならないのでしょう。お礼が言える新人看護師は、「また教えてあげたい」と感じます。教える立場の人々の気分のいい対応が出来る新人看護師は、十分以上の指導を受けられ成長が見られる看護師になれます。
復習と振り返りを行う
教わったことを自分のものと出来るか否かは、自分の努力次第です。出来ることなら、一度教えたことをもう一度教えたくないのが先輩看護師の思いです。
一度で覚えよとは言いません。やる気を見ることで、二度目も教えてあげようと思えます。しかし、全く成長できていない新人看護師は、また覚えないと感じ、教育へのモチベーションが下がります。
自己の成長の為と、先輩からの教えを受けるために復習や振り返りによりレベルアップを図る努力をしましょう。
何のために看護師になったかを考える
挫折しそうな時、自分が看護師になった理由を考えてみましょう。「もう諦めて言いの」と問うて見ましょう。
あんなに苦しい思いをして看護師の資格を取ったのに、止めてしまっていいのかと考えてみましょう。自ずとその気持ちにストップがかかるでしょう。
心身のバランスを整える
なんと言っても仕事の疲労とストレスで挫折に至る新人看護師が多いのが現状です。
看護師のメンタルヘルスに対しては、新人看護師のみならず、中堅、管理職者にも注意を促されています。それほどに看護のプロでも大変なことが医療の仕事なのです。
上手くストレスを発散し、休息をとることが求められます。こんな方法で、ストレスを発散します。
・エステやボディケア
・ご褒美のスイ-ツやランチを楽しむ
・趣味に没頭する
・寝る、ダラダラする
・ドライブをする
・合コンや婚活をする
・アロマオイルやヒーリングミュージックを楽しむ
・一人カラオケに行く
・ショッピングに出かける
ストレス発散法を見つけることで、上手にストレスと向き合い看護師の仕事を続ける力を身につける、壁を乗り越える原動力を備えることが出来ます。