新人看護師がレポートを上手に書くコツ
新人看護師に与えられる課題の一つとして、レポートがあります。
疾患について、解剖生理について、フィジカルアセスメントについて、看護観について、経験や実践の振り返りについて、看護展開や看護計画についてなど、多くのレポート提出を求められるのが新人看護師です。
レポートと聞くと、「苦手」「嫌」「何を書けばいいのかわからない」とあまり良いイメージを抱かない新人看護師が多くいます。
そのレポートが苦痛で、退職や転職を考える新人看護師がいるほど、レポートは新人看護師を悩ませます。
しかし、しなければならない、乗り越えなければならないのが「レポート」です。苦痛とも言えるレポートがすらすらと書けるようになるコツをお話しします。
何故、レポートが必要なのかを考える
本当に実践していることや知識として備わっているかの判断
医療や看護を実践するうえで、基本的な知識が必要となります。知識があっての実戦で、安全なケアが行えます。その基礎を養うために、理解をする為にレポート提出が求められます。
また、そのレポートを基に、実戦、経験をして、振り返りに用いたり、臨機応変に対応できるように自分の実践ノートとして発展させるために活用します。
看護師に求められる文章能力を伸ばす
看護師には、多くの書類や計画書の作成、アセスメントや文章を書くと言う事を要求されます。その文章能力を養うために、レポートが活用されることがあります。
書くことで、振り返りを行い、危険予知能力を身につけられたり、実戦力の強化を図ることが出来ます。文章化する事で、自分が人を教育する立場になった時にどのように伝えるかという糧にすることもできます。
自己の振り返りと課題の明確化
自分の行ったケアや経験項目を文章化する事で、その行ったことの振り返りと評価を行う事が出来ます。冷静に客観的な視点から記述できることがレポートなので、主観を含まず思い返すことができるのです。
これを反省や課題を見出すことに活用することで、能力アップに繋がるというわけです。
看護観を深める
学生時代から、どのような看護師になりたいか、どのような看護を行いたいかと考える機会が多くあったでしょう。
看護師になった今も、これからも追求すべきが答えの無い「看護とは何か」という看護観です。自己を振り返り、看護観を見直すことが出来るのもレポートの役割です。
レポートの書き方(実践や経験に関するレポート)
知識や実践方法、疾患についての記載は、参考書やテキストを参考にすれば何とか提出できるでしょう。
しかし、実践や経験に関するレポートは、自分の行ったことを思い起こし、正しくその情景が思い浮かべられるように記述する事が求められます。
よって、抽象的な内容になったり、何が言いたいかが分からなかったりと、困り果ててしまう内容のレポートとなります。
まず、与えられたテーマや記述すべき内容を吟味し、自分は何が主張したいかを考えます。
「導入文」「本文」「まとめ」という風に「起承転結」を用いて記述します。
「導入文」
何故、そのテーマを選択したのか、記述の目的や何を明らかにしたいかなどを記載し、この分を読んだらなんとなく全体の構成が理解できるような文章にしましょう。
「本文」
まず、あった出来事や自分の行った対処、その時に発生した問題や事象について記述します。そこには、「主観は記述せず」、自分の感じたことやそれを行う事になったきっかけなどを冷静に客観的に記載します。
主題にしようと思ったきっかけや振り返りたいと思った要因等も記載出来ればより、分かりやすい文章となります。
そして、次には問題や起こった事象に対して何が出来たのかを振り返る場面とします。
解決の手段や方法、他の看護師やスタッフの助言を受け取り、どうすべきであったかを振り返ります。どうするべきであったかが理解でき、明確化できれば自分の糧となります。
そして最後に、次に活かせる課題や目標について、自分の意見を含めて記載します。自分に足りなかった知識や技術、対策を明確化し、今後どのように対応していくべきか、どのような部分を強化していくべきかを考えます。
「まとめ」
テーマに対しての自分の学びや理解できたこと、これから実践すべきことや挑戦すべき内容を記述し、結論付けます。
自分の判断や問題に対する対処法がまとめられれば、今後の課題として分かりやすいレポート、もう一度見た時に見やすいレポートに仕上がります。
レポート作成が苦手な新人看護師さんへ
課題を明確化し、その課題の問題点、つまづいた点を振り返り、その問題点を解決するためにどのように判断し、対処すべきかをまとめることが、レポートを書く目的です。
文章を書くこと自体が苦手な新人看護師が、自己を振り返ることは至難の業です。
しかし、自分の行ったケアや看護の結果を振り返ることは看護師としての成長を図るためには重要です。
振り返りが行えない新人看護師は、結果と反応を理解する事が出来ず、独りよがりの看護、自分主体の患者を無視した看護を実践する看護職者となってしまいます。
患者にとって良い看護を考える、自分の看護を改める、よりよい看護を実現するために振り返りやレポートを書くことが求められます。
苦手かもしれませんが、よりよいケア提供の為に、レポートに対するイメージを変えてみるところから始めてみましょう。