新人看護師時代に努力しておかないと後悔すること
これまで、看護学校で看護師として働き始めると、能力開発について専門職は怠ることなく、常に向上心を持ち専門性を高める努力をしなければならないと教育を受けてきました。
新人看護師として働き始め、集合研修、現場研修、院内外の多くの研修に参加したり、学習や実践についてのレポートを提出したりと大変な日々を送ってきたことと思います。
時に、やる気を失い、時に自信を失い、「もう嫌だ」「こんなはずじゃなかった」と弱音を吐きたくなったこともあったでしょう。
そして、まさに今、「もう良いかな」「勉強しなくても何となかなるか」と手を抜いたり、学習を止めてしまおうと思っている新人看護師のいるのではないでしょうか。
ここが正念場です。
きっと、今頑張っておくと報われるときが来ます。今、努力を怠ると後悔する時が来ます。
頑張る新人看護師へエールを送ります。今、頑張って明るい未来を想像しましょう。
新人時代のやる気スイッチの波
新人看護師として入職したてのころ、初めての仕事に期待と不安を抱えながらも、社会人として、専門職として、看護師としての意識を持ち、漠然としたやる気は最高潮の状態で入職します。
早く一人前になりたい、患者さんの為に働けるようになりたいと意気込み、先輩の指導やレポートなどの宿題にも前向きに取り組めます。
しかし、日々の疲れやストレス、看護師の仕事の大変さを思い知り、自信喪失や仕事の不向きを感じ、やる気は低下していきます。
ですが、この頃は、何とか看護師としてやっていけるようにと疲れた体と心に鞭を打ち、やる気を保って実践や学習を続けられます。
入職して二カ月、三カ月経ってくると、一人で行う業務が少しずつ増えてきて、叱られたり、注意を受けたりすることが出てきます。「こんなに頑張っているのになんで」「自分がこんなに出来ないと思わなかった」とがっかりする事感じるようになります。
そんな時に多いのが、インシデントやアクシデント。
それが原因で、今後看護師を続けられるかという見つめ直しを始める新人看護師も多くいます。この躓きで退職を考える新人看護師もいます。
この時、やる気スイッチはどんどん低下し、学習や能力向上への意欲は低下します。しかし、振り返りを行い、失敗や注意を真摯に受けとめられると、「このままではいけない」とやる気スイッチ「ON」となり、また、やる気を取り戻します。
そうしながら、自分の出来た事、出来るようになった事、これから挑戦したい事を明確にし、また前進を始めます。
夏ごろ、夜勤導入を開始する医療機関が多い中、この時、「夜勤が出来るようになった」と喜びと不安を感じる新人看護師のやる気は再び最高潮を向かえます。
夜勤を行うために、救急や急変についての再学習や夜勤の業務内容、報告や連絡、相談等の再確認の為の教育が開始されます。意気込み頑張る新人看護師、日勤と夜勤を開始し、やる気を保ちます。
しかし、この頃注意やお叱りを受けることが増えています。仕事が思うように進められない、優先順位や指示系統を把握できないなどという問題に直面します。
自信を失い、「もう無理」「自分には難しい仕事」と感じます。その原因は、不規則な生活リズムへの変調や体調管理の難しさ、不眠による疲れの蓄積、失敗の連続等が挙げられます。
入職半年ごろに感じるのが、再び訪れる退職への意思です。「リアリティショック」に直面し、仕事の大変さと、自分の力不足により、一生看護師を行うことへの不安が強まります。
ここで頑張れるか否かは、ストレス発散と、能力アップへの学習を続けられるかどうかです。多くの医療機関では、リフレッシュ研修やフォローアップ研修などでメンタルケアやストレス対策を行い、何とか新人看護師は持ち応えます。同期の看護師との思いを共有したりして、踏ん張ります。
このような波を受けながら、新人看護師は1年間の集中した新人教育を終わらせます。
新人時代、手を抜いてしまいがちな事
新人看護師時代の頑張りは、今後数十年看護師を行っていく糧となり、自分の力となります。必ず報われるときが来るのですが、やっている本人は苦痛でしかなく、如何にして手を抜くかと感じてしまう事もあります。様々な誘惑もあります。
何事も「最初が肝心」です。新人看護師の陥りがちな手抜きを紹介します。
分からないことを放置する
看護技術、医療知識と学習や実践を行う上で、分からないことや疑問に思う事が出てきます。ここで、きちんと自分の知識として調べたり、先輩に質問出来るかどうかで、看護師としての成長度は変わってきます。
疲れやストレス、やる気の低下により、分からないことを分からないまま放置し、分からないことが不味いと気付いた時には、先輩の監視や指導の眼を得られなくなり困り果ててしまう事があります。教えてもらえるのは新人のある一定期間、短い間だけという事を覚えておきましょう。
技術チェックの振り返りをしない、したフリをする
チェックリストを上手く活用すると、出来ることや出来ないことを一目瞭然で理解でき、次の目標や目的を明確化し、またモチベーション維持へも活用でき有効に使う事ができます。
チェックを怠り、振り返らない新人看護師は、自分の出来ることや出来ないことが曖昧となり、何に手を付けて良いかわからなくなります。
「出来ない」「自信が無い」と感じる時、チェックリストを見ると「こんなに出来るようになったことがあるのか」と成長を確認でき、モチベーション回復へ役立てる事も出来る為、上手にチェックリストを活用しましょう。
研修中、寝る
研修は、看護師の能力開発に重要で、新人看護師が参加するよう促された研修は、今後必ず必要となる知識や技術に関与する内容です。
しかし、仕事の疲れや興味関心の内容によって寝てしまう新人看護師もいます。必要な教育を自ら受けないという選択は、自分の首を絞める結果となります。必要最低限の教育は、社会人として、看護師としての正しい態度により、前向きに参加しましょう。
指導に対し、メモをとらない、メモを見返さない
最近では、メモをとらない新人看護師が目立つようになりました。教わっていることを頭に留めているのか、また聞けばよいと思っているのか、その思いは教育する側には理解できません。
メモをとらないと言う事は、振り返りや見直しが出来ないと言う事です。成長を見込めません。教わったことくらいは、見直し、自分のものとする為に書き留めるようにしましょう。いつまでも教えてくれると思ったら大間違いです。
新人看護師のモチベーション維持方法
ストレス発散
初めての仕事、実践、仕事の大変さや不規則勤務、人間関係などによる新人看護師のストレスは多大なものとなります。また、そのストレスは、看護師を続けるのであれば、無くなることはありません。
よって、上手にストレスと付き合い、発散や解消に積極的に努めることが求められます。寝る、休む、遊ぶ、話す、趣味に没頭するなど、休息と活動をウ上手く行い、自分なりのストレス対策を行いましょう。
自己評価を正しく行う
新人看護師がモチベーションを低下させる原因は、自己評価がとても低いと言う事があります。自分では出来ないと感じていても、先輩はそこまで出来ないと評価していない、チェックリストは「出来る」「○」ばかりという事もあります。
そして、「自分はもっと出来る」と目標が異常に高すぎてプレッシャーをかけすぎる新人看護師もいます。自分を正しく評価してあげてください。頑張りすぎくらい頑張っている場合は、少し休息も必要です。
看護観を振り返る
つまずいた時、もう一度自分はどのような看護師になりたかったのか、どのような看護師を目指すのかを考え直してみることも必要です。
低下したモチベーションは、もう一度その夢に向かい邁進し始めます。「なりたい看護師は?」「どんな看護をしたい?」やる気スイッチを入れる為に、再度自問してみましょう。
自分へのご褒美
頑張っている自分にご褒美を与えてください。スイ-ツ、ランチ、趣味の用品、アクセサリーや装飾品、旅行の予定などでもよいでしょう。自分に頑張った証やこれから頑張る為の原動力となる逸品を用意する事もお勧めです。