新人看護師が押さえておきたい「ホウ・レン・ソウ」
多くの人とともに働く社会人として、引き継ぎや申し送りの多い看護職者として求められる「報告」「連絡」「相談」。
「ねぇ、なんで今頃報告するの」「なんで、今もっと早く報告するべきでしょ」「分からないのになんで相談しないの」と先輩の厳しいお叱りが聞こえる、新人看護師のいる病棟の現場。
新人看護師は、いつ、何を、どのような状況で「報告」「連絡」「相談」すればよいのかわかっていないことがあります。また、何を相談して、何を報告すればいいのか、そのタイミングを弁えていないこともあります。その結果、今日もまた、先輩に注意されたという経験があるでしょう。
そんな難しい、「ホウ・レン・ソウ」について学んでいきましょう。
一歩間違えれば、大きなミスや事故に繋がりかねない大切なことです。タイミングと適切な方法を知り、安全で安心な看護活動を実現しましょう。
「報告」「連絡」「相談」の基本
「報告」上司や先輩、医師、コメディカルスタッフ、チーム活動のある現場では、チームリーダーなどの指示により活動した結果や過程を伝えることが報告です。バイタルサインの測定結果、業務の進捗状況、看護ケアや処置方法や実践による観察事項などを伝えます。
「連絡」情報を共有すべき関連職者に伝達事項を知らせます。退院調整、ケアや検査の時間や方法、病棟内の連絡事項の伝達を行います。
「相談」自分の判断では心配な事柄、判断しかねる状況に対して、適切な助言を求める為に、責任者や上司、先輩等に判断を仰ぎます。また、自分に自信が無い時の確認を行うことも含みます。
「報告」「連絡」「相談」では、自分の指示系統を十分に理解しておかなければ、適切に対応ができません。チームリーダーに伝えるべきか、病棟師長に伝えるべきか、医師に伝えるべきか、プリセプターに伝えるべきか、その内容を考慮し、適切なタイミングで適切な人に話すことが求められます。
特に相談を行う時、その内容によっては緊急性が無いこともあります。日々の仕事中の疑問やアドバイスを忙しい時に求められても、相談相手は困ります。「今、ご相談大丈夫ですか」「お話しする時間ありますか」と相手の状況を確認する配慮が必要です。
報告
・患者の状態報告、検査結果報告
・インシデントやアクシデント報告
・患者さんの家族についての報告
新人看護師は、特に自分の行っていることや、業務、関わる患者さんに対して他の職員に状況を分かって貰っておく必要があります。自分で対応しきれないことでも、他の職員に報告し、状況を理解してもらっていれば、適切なフォローを貰う事が出来ます。
自分をトラブルから守るためにも、多くの人と情報を共有し、自分のおかれている状況を発信していくことが、自分の安心に繋がります。
連絡
うっかり伝え忘れることが許されないのが「連絡」です。連絡は、伝えるべき相手が「聞いてない」という事が許されないことです。よって、伝えるべき人に確実に伝えなければならない事項と言う事になります。
共通に認識で看護を行う、業務を遂行する、委員活動や病棟会を勧めるなど、現場実践以外にも、看護計画・新人教育・委員会活動など進捗状況や決定事項など、広く知られておくべき内容が含まれています。時に、口頭ではなく、書面や文書を確認する事で「連絡」を行う方法も含まれます。
相談
分からないことを確認したり、尋ねたりすることが相談ですが、新人看護師は、基本知らないことだらけです。教えてもらったことでも、不安や疑問があれば、確認も意味でも尋ねことが新人看護師に求められる姿勢です。
こんなことという些細なことでも、ミスを起こさない、安全を期すためにも相談する事が大切です。業務や看護などの基礎知識について、時期に聞けない、聞きにくい時期が来ます。その時期が訪れる前に、十分に相談、確認をして知っておくべきことを習得しておきましょう。