腰痛の悩みを解消するには
看護師に腰痛はつきものです。重たい患者さんを搬送したり、移動や異常ケア、中腰や無理な体勢でのケアや処置、重たい医療機器の搬入や搬送など身体に係る負担が多い職業です。
また、身体の痛みや不調はストレスうが原因とも言われており、心のストレスが腰痛として痛みを発している、心の悲鳴の表れと言う事もあります。
しかし、腰痛を原因で看護と言う仕事を離れることは避けたものです。自分なりの予防と対策により、腰痛に負けない身体づくりと注意を払いましょう。
そして、もし、仕事に支障をきたす腰痛を感じた際の対処法を知っておきましょう。
まず、看護師の腰痛の原因を知ろう
看護師の腰痛は、少なくとも職員の二人に一人は感じていると言われています。
女性の多い看護職は、女性の冷え性が多いという特性から、筋や関節に血流障害があり、関節や筋肉に対する負担が多く、痛みとして苦痛を与えることがあります。
また、冷えからくる自律神経の乱れや、不規則勤務によるストレスや生活リズムの狂いによる自律神経失調状態も腰痛や関節、筋肉へのダメージになっていると言われています。
・業務による負担
患者さんに対する日常生活援助や医療行為や処置による肉体的負担や、姿勢や動作による腰への負担が腰痛の原因となります。
・慢性的な疲労
看護師の仕事は肉体的にも精神的にもきついと言われています。仕事後の休息により必ずしも疲労を回復させることができず、疲労が溜まったまま次の日を迎えることもしばしばです。この疲労の蓄積が腰痛の原因にもなります。
・ストレス
看護師は、肉体的疲労の他に、仕事上、対人関係上、過重労働などのストレスによる負担が多くあります。ストレスは、自律神経のバランスを乱れさせ、腰痛、筋肉や関節の痛みの原因となると言われています。
・交代勤務、生活リズムの変調
夜勤や日勤を繰り返すことにより、生活リズムが整わないのが看護師の仕事です。寝不足による疲労蓄積や疲れの発散困難、自律神経の乱れも腰痛の原因と言われています。
・睡眠不足
看護師は、不規則で交代制勤務を行います。それだけで睡眠不足や不眠を訴える看護師が多くいます。これに加え、看護師の精神的ストレスは大きなものと言われています。その精神的失調による不眠症が増えていること、それが原因で腰痛(心身症)になってしまうケースもあります。
自分自身でできる腰痛対策
予防法
・中腰にならず、対象面が低い場合は、膝を曲げて高さを合わす。
・ボディメカニクスの活用
・患者さんの搬送や移動は、なるべく一人で行わない
・腰痛ベルトやコルセットの活用
・腰痛体操やストレッチ運動の実践
・寝具を自分の身体に合ったものにする
・整体や接骨院、カイロプラッティックに通い、身体のメンテナンスを行う
腰痛緩和の為のストレッチ
仰向けになり、片足を両手で抱えるように胸に付けます。
片方ずつ、20秒数え、最後に両足を抱えて20秒数えます。
入浴後、血流を良くしてから実践する事でそのストレッチ効果は高まります。
少しでも良いので、毎日無理なく継続して行う事で腰痛改善、腰痛悪化防止ができます。
通院が必要な腰痛もあるので注意!
受診が必要なケース
・安静時も痛む、姿勢を変化させても痛みに変わりが無い
・排便や排尿に異常がある
・激痛で動けない、痺れる、感覚障害がある
椎間板ヘルニアによる神経障害や感覚障害をきたしている場合があります。その場合は、CTやMRI撮影により簡単に診断を行う事が出来ます。
早期治療により症状回復を早めたり、症状悪化予防、ヘルニアの悪化を食い止めることができます。長引く腰痛に悩まされたり、神経症状を感じた場合は、早期の施ケk外科受診が必要です。
必要な治療
・安静療法
急性期、安静に過ごすことにより腰への負担を和らげる指示が出されることがあります。
・薬物療法
消炎鎮痛剤の注射や内服、シップや塗り薬の処方、筋弛緩剤の処方
・運動療法、物理療法
運動による筋力強化や物理療法による患部の循環促進などを狙った治療
・固定療法
コルセットや装具の利用
・神経ブロック、緩和療法
神経を麻痺させ、痛みを焼失させる治療
筋肉の緊張や疲労の回復がなされたら、腰痛のほとんどは解消されると言われています。腰痛にならない姿勢や生活習慣の是正が腰痛緩和の要因とも言われています。