ポートフォリオを作ろう!
看護師としての目標や、理想とする人材を思い描けていますか?それを実現するための行動に移せていますか?
漠然とした看護師像や看護観を持って看護学校を卒業し、実際の医療現場に飛び込んだ四月、その理想と現実の差に驚いたのではないでしょうか?
あまりの忙しさや膨大な経験や覚えるべき事、業務量や高度な知識を技術に度肝を抜かれ、意気消沈した新人看護師も多く居るようです。
ポートフォリオとは
ポートフォリオとは、未来を切り開く夢を実現するための目標を達成するための具体的案や実践・活動実績を明確に文章化したファイルです。
なりたい看護師像実現の為の目標管理や、その目標達成の為の具体案を自分で考え、実現に向けて努力する指針を決定していく対策案でもあります。看護師のスキルアップや能力開発に大変重要とされているものがポートフォリオなのです。
ポートフォリオのメリット
看護師にとってのポートフォリオは、能力開発に適していると言われています。
なりたい自分を想像し、その目標に対して課題を立案し、それを達成するための行動目標や行動計画を立案します。その課題をクリアする事で、目標とする看護師に着実に近づいていくことが出来るというメリットがあります。
新人看護師は、多くの未経験項目と指導を要する医療・看護行為があります。まず、それらをクリアし、看護が自ら進んで実践できる看護職者にならなければなりません。
その出来るか否かを判断するために活用されているものが、新人看護師技術チェックリストであったり、到達目標や目標管理シートであったり、クリニカルラダー制度です。
新人看護師で、様々な経験をしてくると、何が出来て何が出来ないのかが曖昧になってくる時期があります。それを曖昧にせず、一目瞭然でわかるようにできるものがチャックリストや管理シートなのです。
■自信をなくした時の振り返りのためのポートフォリオ
時に新人看護師は大きな壁に当たり、心が砕けて自信をなくすことがあります。「看護師には向いていない」「また怒られた」「失敗した」と、モチべーションが下がり、それを回復させる手立てを見いだせないことがあります。
そんな時に、初心に還り、どうして看護師になりたかったのか、どのような看護師になりたかったのか、何を目指して今があるのかを思い返し、やる気へ繋げる、モチベーション回復に一役立てることが出来るのがポートフォリオです。
また、出来るようになったことや、出来そうなこと、経験したことなども客観的に分かる内容となっている為、「何もできない」と感じていたけれど、これを見たら「何もできないことはない」と出来ることもあると自信回復、心の支えとなることもあります。
【看護師版】ポートフォリオの作り方
準備する物
・クリアファイル(テーマ毎の管理がしたい場合は、数冊必要)
・パソコンでデータ管理する際は、USBなどの記録ファイル
テーマの選定
テーマは大きくしすぎても、細かく分類しすぎても管理しにくいと言われています。自分の思い描く未来に対して、これからの自分の行動や活動をどのように振り返りたいかが大切となります。
一例
・わたしの看護の道
・わたしの看護技術
・わたしの目指す看護師像 など
ポートフォリオの内容
自分が書いた文章やレポート、評価や研修、討論などの記録、看護観連や自分の感銘を受けた言葉や本、自分の考えや気持ちなどをつづった日記などでも良いです。自分が使った看護用品や消耗品、頑張った証なども一部として置いておいても良いでしょう。
ノートやファイルと活用し、見開き左に残しておいた記録や題材、素材を張ったり、したため、右側には、その題材や素材に対しての自分の思いや印象、その時の感想や状況を書きつづりましょう。
その左右のページを振り返り、もう一度見た時に自分が何を感じるか、何を思うかが大切です。その経験や出来ごとに対し、何を自分に糧にできたかなど、自分の学びを記述しておく事も成長の証と出来る素材になるでしょう。
ポートフォリオの活用法
ポートフォリオは、身返す、振り返ることをしなければ何も役にも立ちません。ただ、書き残す、置いておくだけでは自分の成長に繋がりません。
看護師として、自信をなくした時、辞めたいと感じた時、向いていないと感じた時に開いてみてください。初心に戻り、一から出直す個からとなることもあります。
また、自信に漲りやる気になっている時にも思い返してみてください。活力となり、やる気に拍車をかけることができます。
ポートフォリオは、客観的指標となる為、自分のしてきた経験や実績を再認識する事が出来ます。これまで行ってきた頑張りを認め、これからの課題や方向性の決定に役立てることができます。
能力開発やスキル・キャリアアップは自分が進んで行う事です。自分の道は自分で切り開く、自律した看護師になる為にポートフォリオは役立ちます。