新人看護師のバーンアウトシンドローム(燃え尽き症候群)
やる気をみなぎらせ、あんなにも前向きにはつらつと看護の勉強をしていた学生時代、国家試験に見事合格し、気持ち新たに決意したあの頃、過去の事と感じている新人看護師がいるでしょう。
これは、燃え尽き症候群という現象です。
なにも、看護が嫌いになったわけではありません。ただ、頑張りすぎて、頑張りすぎて、頑張りすぎた心が悲鳴を挙げて少し休暇を希望している心のSOSです。
これを無視していると、うつ病の発症原因となったり、看護師に復帰できない精神状態に陥ることがあります。
このような悲しい結果を回避するよう、新人看護師の燃える気症候群について正しく理解し、対処出来る精神的ケアを身につけておきましょう。
バーンアウトシンドローム(燃え尽き症候群)とは
原因
一定の生き方や関心に対して献身的に努力をしたけれど、期待していた報酬や評価が得られない場合、徒労感や欲求不満に陥ります。
その状態が継続され、慢性的にストレス状態が持続されると、その生き方や関心に対して意欲をなくし、無気力状態を呈し、社会的に機能出来なくなる状態です。
会社の倒産や残務整理、リストラ、家族の不慮の死や、自己の長期にわたる過労や激務などによります。
看護師の燃え尽き症候群発症は、全体の30~40%が発症していると言われています。それに気付かず働き続けている看護師は多いと言われています。
症状
心因性鬱とも言われます。
●身体的症状
頭痛、肩凝り、不眠や睡眠障害、胃腸障害、疲労感、倦怠感、腰痛
●精神的症状
不安、イラつき、気分の落ち込み、仕事への意欲低下、自信喪失、達成感の減退、人との関わりが苦痛、無関心、配慮の欠如、他人を責める傾向、感情の不安定、不平不満が増える
燃え尽き症候群になりやすい人の特徴
・猛烈な社員、キャリアウーマン、ビジネスマン、やる気がみなぎる若手社員
・高い目標のある社会人や受験生
・理想が高すぎる人、完璧主義者
・対人関係、要領が悪い社会人、職員
・世渡りが下手な社会人
燃え尽き症候群の対処法
新人教育プログラムを充実させ、職場環境や対人関係の良い職場で働くこと、個人の生活を充実させることが大切です。慢性的な疲労の蓄積が燃えつき症候群の原因ともなります。
精神面への配慮
まずは、自分に厳しく、自分を評価しない性格に終止符を打つことが必要です。自分に優しく、自分の頑張りを認めて行ってきた仕事の評価を正しくしてください。
一度、休んでみて冷静に自分を見つめ直しても良いでしょう。休むことは大切です。誰も、怠けているとは思いません。
そして、周囲はこれまでのあなたの頑張りを評価しているので、少し休みを貰ったり、有給休暇を使っても、何も感じていないでしょう。
長期休暇には時に診断書を必要とする職場もあります。心療内科で診断書を貰いましょう。早めに対処できれば、また仕事をしたい気持ちが戻ってきます。
身体面への配慮
まずは、生活リズムを立て直しましょう。不規則勤務で自律神経の狂いを生じた身体は、元の生活を求めています。
少しの間、夜勤を外して貰ったり、休暇を貰って身体のリズムを改善させましょう。
だるい、しんどい、疲れが取れない状態は、身体が休めと言っているサインです。自分の身体に正直に対処しましょう。
入浴時には、十分に浴槽につかり血液循環を良くしましょう。十分な睡眠と休憩を取りましょう。そして、適度な運動を。バランスの良い食事で栄養を蓄えてください。
仕事後の光刺激、パソコンや携帯電話の光をあまり見ないようにすることも効果的と言われています。
燃え尽き症候群の予防
心身ともに、日ごろから休めるようにしましょう。仕事を忘れる時間も必要です。休日は、是非仕事を忘れてください。
新人看護師で勉強が必要な時は、時間を区切ってその時間だけを仕事の勉強時間に充て、その後は自分の時間にしてください。
100%完璧出なくてよいのです。自分が出来る限りの80%で良いのではないでしょうか。
なぜなら、燃え尽き症候群になるような人は、100%以上、120%頑張ろうとしているからです。そして、たまには自分にご褒美をあげてください。