新人看護師が妊娠してしまったら…
新人看護師が妊娠した時、まず考えることが仕事についての不安ではないでしょうか?
しかし、命を預かる看護師が、真っ先に仕事の心配をすること自体、看護師失格です。まず、お腹に宿る命を大切に思う気持ちが必要ではないでしょうか?
そして、新たな命を抱え、そこから仕事について考えるべきではないですか?
では、新人看護師の妊娠について周囲の意見と自分のあり方を考えてみましょう。
新人看護師時代に妊娠してしまうのはダメなこと?
そもそも、新人看護師が妊娠する事は、現場の意見としてあまり好ましくありません。看護師が一人前になるには三年は少なからず要すると言われています。
しかし、新人看護師が妊娠すると、一年以内に休暇に入り、少なくとも子供が一歳になるまで復帰は無いでしょう。
これまで教えてきたことは、数年後には使えない知識や技術もありかもしれません。そして、新人看護師自体、現場を離れることで再復帰時には、「頭はまっさら」な状態で一から教育を始めなければなりません。
そのような新人看護師に、これから教育を行う必要があるのかと感じる先輩看護師もいます。
喜んであげたいけれど、自分たちの教育への労力や日々の仕事の負担を考えると、心の底から喜べないと言う現状があります。
しかし、現場の看護師は「新たな命」に対して、共に喜べるように心をコントロールして対応してくれています。
妊娠した新人看護師の心構え
前述のように、先輩看護師はあまり好ましくない新人看護師の妊娠を、表面上コンロトールして喜んでくれています。もちろん、心の底から喜んでくれる先輩看護師もいるでしょう。
そのような心遣いに対して気をつけたい新人看護師の態度があります。
●迷惑をかけないように、体調管理をする
妊婦さんは、体調が不安定です。仕事を行いながら妊婦生活を継続するためには、自己管理が重要です。規則正しい生活と栄養管理、十分な休息をストレス対策により、健康的に仕事を行え、妊娠を継続できるよう努める必要があります。
しかし、看護の仕事は肉体的にも精神的にも大変です。時に妊娠悪祖、切迫早産や妊娠高血圧症、妊娠糖尿病などのトラブルを抱えることがあります。職場に迷惑をかけないよう、早め早めに報告や相談をすることも必要です。
●無理をしない
無理をして、不正出血や切迫流産、切迫早産などのトラブルに見舞われることがあります。「仕事が理由で」と言われると、周囲のスタッフの気持ちも良いものではありません。
無理をした結果、なることがあるこれらのトラブルを回避するためには、無理をしない事が大切です。
●出来ることを何でも行う意思と行動
新人看護師で妊娠すると、新人看護師という事だけで出来ることが限られる、成長過程である状態なのに、妊娠していると言う事で出来る業務が限られる場合があります。
レントゲンに関わる業務や薬品に関する事、看護実戦に置いて重たいものを持つ、移動させる、患者さんを搬送する、ケアするなど、身体的負担を考慮し出来ない業務が増えます。
何が出来るか、何が出来ないかを判断し、周囲の負担とならないよう自分に出来ることを率先して行う姿勢が必要です。その意思と行動により、周囲の受けとめが厳しいものから緩和されることも期待できます。
特に雑務を引き受けることで周囲の負担を少しでも少なくする努力が出来ます。
●これまで通り、これまで以上に学ぶ姿勢を
新人看護師で、妊娠していても能力を高める姿勢は保ち続けましょう。教えられる立場の新人看護師が妊娠を理由に甘えては、周囲からの反感を買います。伸びたい気持ちと行動によりやる気を見せましょう。
●お礼の気持ちを持つ
周囲は、たくさんのフォローをしてくれています。肉体的配慮、精神的配慮により負担を与えないよう心配りをしてくれています。
それを実感できないかもしれませんが、自分が妊娠していない新人看護師であった事を考えましょう。教育により出来ることは日々増えています。
しかし、妊娠しているためにできる業務が制限されることがあり、見えない部分で周囲に負担をかけています。「有難い気持」「敬意」を払い、仕事が続けられる喜びを仕事に還元しましょう。
妊娠した新人看護師さんへ
妊娠する事、それはとても喜ばしいことです。
命のありがたみを感じながら、すくすくと成長できるよう、自分の体を気遣ってください。仕事と命を天秤にかけることだけはよしてください。
医療の現場で働く看護師であれば、命には何もかえられない事を分かっていることでしょう。
妊娠を機に、いじめやマタニティハラスメントを行うような職場であれば、その後の仕事復帰や子育てにも良くない環境となることがあります。
よって、その後働き続けられる仕事場かどうかを判断すべき時期となる事もあるでしょう。