40代の新人看護師向け転職・就職マニュアル
職場選びのポイント
体力のことを考える
40代の新人看護師が職場を探す場合、急性期病院を選ぶのは慎重になるべきです。急性期病院では一刻の猶予も許されないような重篤な患者が時に運び込まれることもあります。大変ではありますが、看護師としてのキャリアを積むにあたってプラスです。新人看護師の中には、救急病院などをあえて選ぶ人もいるくらいです。
しかし救急病院や急性期病院の場合、いつ急患が運び込まれるか、入院患者の容体が急変するか予想がつきません。もちろん月に何度か夜勤をすることもあるでしょう。急性期病院の中には、夜勤の間か民もなかなか取れないような所もあります。都市部の救急病院などは、急患が結構運び込まれるのでなかなか休みにくい傾向があります。
若い時ならほぼ徹夜でも、何とか体力的に持ちこたえられるかもしれません。しかし40代になると、さすがに体が厳しいという人も出てくるでしょう。ですからキャリアアップしたいという志は良いですが、自分の体と相談しながら無理のない働き方を考えましょう。
肉体的な負担のあまりない職場として、慢性期病院があります。慢性期病院であれば、容体も落ち着いているので一刻の猶予も許されない事態は少ないでしょう。急患も運び込まれない所も多いので、夜勤でもそれなりに仮眠をとって仕事できるところもたくさんあります。
研修制度のしっかりしている所を選ぶ
40代でもまだ経験のない新人看護師は、仕事をしながら勉強をして業務を遂行するための知識やノウハウをマスターしていく必要があります。そこで研修制度がどうなっているかをしっかりと確認することです。できれば、クリニカルラダープログラムを実施している所を探しましょう。
クリニカルラダーとは、それぞれの看護師のレベルに応じていくつかの段階を設けています。その看護師のレベルに合った教育を施し、教育が完了すれば、ワンステップ上の研修を受けさせるシステムです。ラダーすなわちはしごを一段一段上るようにレベルを上げていく方式です。
これならその時々の自分のレベルに合った教育が受けられ、着実に実力を培えます。また次の目標をはっきりと自覚できるので、仕事へのモチベーションも高い状態のまま維持できます。
このように看護師として学習できる場を準備しているかどうか、職場探しをする時にチェックしましょう。「新卒・第二新卒歓迎」と書かれている求人でも、ほとんど研修や教育体制が整備されていない医療機関もあるので、注意しましょう。
ひよこマザーからワンポイントアドバイス
専業主婦をしていたけれども、離婚して看護師の夢を再び志すようになった方。子育てがひと段落したので、これからは自分の生きがいを求めると決めて看護師になった方。看護学校卒業後に訳あって就職しなかった方。40代で新人看護師という方の境遇は様々です。
40代になって、新しいことにチャレンジする、これって素晴らしいことだと思います。思っていてもなかなか実践できる人はいません。皆さんは人並み以上の精神力を持っていると思います。
実は私の職場でもそうですが、時として40代の新人看護師に対する風当たりが強くなってしまうこともあります。年齢が年齢だけに、いろいろな経験を持っているだろうと考えてしまいます。その結果「このくらいはできるだろう」「できないはずはない」といった思い込みが強くなってしまいます。ところがそれができないと、「何でできないの?」となってしまうわけです。
最初の内は誰もができません。今はベテランで後輩の指導をしている看護師も、最初は誰もが新人で右も左もわからなかったはずです。でも経験を積むことでだんだんとコツがつかめてきます。
最初の内は先輩看護師からいろいろと小言を言われるかもしれませんが、看護師になると決めた最初の気持ちを思い起こしながら乗り越えていきましょう。そしていろいろと言われるのは、皆さんに対する期待の裏返しでもあるのです。期待に応えられるようになれば、充実感や達成感を得られると思います。