看護師のスキルアップ資格「急性・重症患者看護専門看護師」
緊急を要する事態も医療現場もあります。このような危機的状況の中では、迅速・的確に看護活動をする必要があります。処置を誤ってしまうと、患者の命に係わる可能性もあります。
このような中で専門的な知識やスキルを使って処置のできる看護師のことを、急性・重症患者看護専門看護師と言います。
看護スキルが必要なのはもちろんのこと、このような現場ではいろいろな医療スタッフが同時に仕事をしています。医療チームの一員として、連携を良くすることも看護師にとって必要です。
患者はもちろんのこと緊急事態の中に立たされると、その家族も心理的な動揺も大きくなります。このような不安に感じている家族の精神面のサポートをすることも大事です。急性・重症患者看護専門看護師にはこのように、実にいろいろな任務をこなしていかないといけません。
急性・重症患者看護専門看護師は2015年までに117名登録されています。多くの看護師が総合病院や大学病院のような、救急患者の受け入れを行っている地域の中核病院に勤務しています。
急性・重症患者看護専門看護師になるためには受験資格を満たし、認定審査を受ける必要があります。認定審査の合格率は例年8~9割程度と言われています。
一見すると高い合格率のような感じがしますが、受験資格を得るためにはいくつかのハードルをクリアする必要があります。その意味では、決して簡単に取得できる資格ではありません。
急性・重症患者看護専門看護師の資格取得方法・条件
専門看護師は日本看護協会が認定審査を実施しています。
受験資格を得るには
急性・重症患者看護専門看護師の認定審査を受けるためには、まず看護師免許を持っていることが条件です。その上で通算5年以上の実務経験、その中で3年以上は急性・重症患者看護分野における実務経験が求められます。
その上で、看護系大学院修士課程の中で、日本看護系大学協議会の定める専門看護師教育課程の26もしくは38単位を取得して受験が可能です。ちなみに教育課程を用意している大学院は、日本全国に21カ所あります。東京に集中している傾向が見られます。
大学院の中には、平日の夕方からとか、土曜日に講義を開催しているところもあります。このため、仕事と並行しながら単位取得できるケースも見られます。
ここまでの条件をクリアして、急性・重症患者看護専門看護師の認定審査を受けます。そして合格すれば、晴れて資格取得できます。
医療の進歩でより重視される資格
医療の世界はどんどん進歩しているため、一昔前なら助からなかった命も助けることができるケースも増えています。しかしこのような救急患者の命を救うためには、高度で専門的な知識やスキルが要求されます。
そのためにも救急医療の世界では、急性・重症患者看護専門看護師の資格を持った看護師が求められます。
急性・重症患者の場合、峠を超してからも決して油断できません。中には複数の病気を患っていて合併症を引き起こし、容体が急変することもあります。
中には危篤状態に陥るので、いかなる状況でも冷静に適切に処置できる能力が求められます。その意味でも、急性・重症患者看護専門看護師はどの病院でも求められます。
急性・重症患者看護専門看護師の資格に興味がある看護師さんへ
急性・重症患者看護専門看護師の資格を持っている看護師を見てみると、救急医療を行っていて、地域の中核をなすような病院で勤務している人は多いですね。
救急救命とか集中治療室で在籍している看護師も多いです。その他には大学や大学院で先生をしていて、後進の育成にあたっている人も見られますよ。
一分一秒の猶予も許されない状態で担ぎ込まれる患者もいます。また容体が急変して、予期しない危篤状態に陥る患者もいるかもしれません。どのような状況になっても冷静で、柔軟に対応できる環押しが望ましいですね。
救急医療をしていると、患者の死に立ち会う機会も多くなります。その意味では精神的にタフでないと仕事を続けることはできないと思います。そのようなことを考えて、資格取得するか考えましょう。