看護師のスキルアップ資格「認定看護管理者」
私たちの間には健康を維持するために人によってさまざまなニーズがあります。また疾患を抱えている人は、健康管理が必要になります。疾患を抱えている当人はもちろんのこと、その家族も看病のためにいろいろと必要なことが出てきます。
認定看護管理者は、このような個人や地域住民に対して、質の高い看護サービスの提供できる人に与えられる資格をさします。保健医療福祉に貢献できる資質や看護水準の維持・向上を図ることを目的として、制定されています。
2014年のデータによると、認定看護管理者は日本全国で1961名の登録が記録されています。ちなみに都道府県別で見ていくと、東京都と大阪府、兵庫県がトップスリーになります。
現在日本国内で看護職について実際に活動している人は、百数十万人います。そのうちの何千人ですから、0.1%程度しかいません。
しかしその一方で合格率は60~70%もありますから、しっかりと試験の準備をしていれば、資格取得は可能です。希少な資格ですから、転職などをする時にはセールスポイントになりえます。
認定看護管理者の資格取得方法・条件
認定看護管理者の資格は日本看護協会が認定しています。日本看護協会の実施する試験に合格しなければなりませんが、その前にクリアすべきこととして受験資格があります。
受験資格を得るには?
まずは看護師免許を持っていることが絶対条件で、なおかつ5年以上の実務経験を有していなければなりません。その上で以下の4つの要件のいずれかを満たしている必要があります。
・認定看護管理者教育課程のサードレベル修了
・看護系大学院で看護管理を先行し修士号を獲得し、その後3年以上の実務経験を有する
・師長以上の職位で3年以上の管理経験があり、看護系大学院で看護管理を先行し修士号を取得する
・師長以上の職位で3年以上の管理経験があり、大学院で管理に関係した学問で修士号を取得する
ちなみに認定看護管理者課程はファーストレベルが150時間、セカンドレベルが180時間、サードレベルも180時間あります。これだけの講義を受講するためには、病院の協力が必要になるでしょう。
試験内容
書類審査と筆記試験によって実施されています。筆記試験ではマークシート方式と一般問題、状況設定問題が40問、論述問題が1問出題されます。試験時間は120分です。
高収入が期待できる資格
認定看護管理者の資格を取得している人を見ると、看護部長相当の役職についているケースが多いです。しかも看護管理の世界で10年を超えるようなベテランの方が中心です。
このため、もともと資格取得を目指す人は給料が高いです。平均年収で700~800万円程度もらっているはずです。
そこに認定看護管理者の資格を取得すると、より活躍できる範囲が広がります。病院の職場からの期待も高くなりますし、病院によっては経営参画を求められるケースも出てくるでしょう。
このため、さらなる給料アップの可能性も十分期待できます。年収900万円とか、病院の幹部クラスに抜擢されれば1000万円を超えるケースも病院によっては出てくるかもしれません。
認定看護管理者の資格に興味がある看護師さんへ
認定看護管理者は看護師専門の資格ですが、幅広い領域で将来活躍できる可能性があります。たとえば病院だけでなく、行政や地域社会における活動にも積極に関われます。
その他にも看護管理分野における研修会や看護協会の主催する講演の講師を頼まれることもあるでしょう。学会の役員や委員などを任されることもあるかもしれません。
このようにより責任ある立場で仕事できる機会もでき、充実した日々を送れる可能性もあります。
65歳以上の高齢者が20%を超える超高齢社会といわれる今日、ヘルスケアに関するニーズはどんどん高まっています。テレビ番組で健康を話題にしたものが多くなり、行政の催しもヘルスケアをテーマにしたものが主体です。
そのような背景を考えると、認定看護管理者を持った看護師の需要はどんどんアップするはずです。