看護師のスキルアップ資格「循環器専門ナース」
心臓循環器系の分野で仕事をしている人、今後そのような方面でキャリアアップしたい人はいませんか?
そのような看護師におすすめの資格として、循環器専門ナースがあります。文字通り、心臓を中心とした循環器系の疾患の専門知識を持った看護師であることを証明する資格です。
心臓循環器の疾患はひとたび発症すると、時間との戦いになります。そして治療が後手後手に回ると、患者が命を落とすこともあり得ます。
迅速な治療のためには、医師と看護師の意思疎通のスムーズさが重要になります。循環器専門ナースの資格があれば、専門知識も豊富なため、スムーズなコミュニケーションが図れます。
循環器専門ナースの資格保有者は、2015年時点で日本全国におよそ500名いると推定されています。人数が少ないですが、難易度は低いです。合格率はおおむね9割以上ですから、興味のある人は資格取得の準備を始めましょう。
循環器専門ナースの資格取得方法・条件
臨床心臓病学教育研究会と日本心臓財団が連携して資格の認定をしています。
必要な資格
循環器専門ナースの資格を取得するためには、循環器専門ナース研修コースという臨床心臓病学教育研究会の主催する講義を受講しないといけません。
しかし、この講義を受講するためには、いくつかの条件をクリアしないといけません。看護師が受講するためには、以下の2つの条件のいずれかを満たす必要があります。
・正看護師として1年以上の経験、かつ准看護師と正看護師の合計で5年以上の実務経験を有する
・医療関係で従事してきた勤務月数が通算で60か月を超えていること
たとえば看護師の他に保健師として勤務した経験があれば、合計の実務経験が60か月以上あれば受講資格を取得できます。
循環器専門ナース研修ですが、隔月の土日、3か月にわたって実施されます。大阪で行われますから、他の地域の看護師は少し負担になるかもしれません。
試験内容と更新について
研修が終わると、認定試験が出されます。ちなみに一般的な試験とは違って、いったん自宅持ち帰って問題を解き、締め切りまでに返送します。選抜するための試験ではなく、研修内容を理解できているか確認するために行われると思いましょう。
循環器専門ナースの資格は2年間が有効期間となります。更新するためには、更新試験を受け、合格しないといけません。更新試験も上の認定試験と一緒で、自宅で勉強し返送する方式を取ります。
循環器専門ナースの需要
偏った食生活や腹側な生活習慣によって、生活習慣病を患う人がたくさんいます。生活習慣病が原因で、心臓疾患を発症するケースも増えています。このため、看護師の中でも循環器系専門の循環器専門ナースの需要は高まっています。
心臓疾患の場合、処置を誤ったり遅れたりすると、命に係わります。そして多くのスタッフが連携して治療に当たります。このような状況下で、循環器系の専門的な知識を持っている循環器専門ナースがいれば、他のスタッフにとっては頼りになる存在と言って良いでしょう。
循環器専門ナースの資格を持つと、給料にも反映される可能性があります。資格手当や特別手当なども付きますから、年収で500~600万円くらい稼ぐことも十分可能です。
給料を見ると、都心部の方が給料はよくなります。これは救急患者の搬送頻度が多いことも関係しています。給料はよくなりますが、その一方で仕事量が増えハードになる恐れのあることも理解しておいた方が良いでしょう。
循環器専門ナースの資格に興味がある看護師さんへ
総合病院のような大規模病院だと、心臓外科や循環器科を取り扱っている医療機関が多いですね。このような病院では、循環器専門ナースの資格を持った看護師は積極的に採用される傾向があります。
また心臓疾患はある日突然発症して、一気に重篤な状態になることもしばしばです。このため、ICUで循環器専門ナースの資格を持っている看護師が求められることも多いですよ。
大変ではありますが、ハイレベルの看護技術をマスターできますから、キャリアアップしたい人にはおすすめの資格ですね。