新人看護師と自律神経失調症
自律神経失調症という言葉を聞いたことがありますか?聞いたことがあっても、その症状や原因は看護師であってもあまり深く学ぶことがありません。
しかし、仕事が忙しく、休暇や休憩の少ない、不規則勤務の看護師が知らず知らずの内にかかっていると言われている自律神経失調症。
これを放置すると、心身のバランスが崩壊し働くことはおろか、通常の人の送る生活すら送れなくなると言う大変な病気です。
一度かかれば完治する事も難しい自律神経失調症について知り、自立神経失調症にならない対策と、かかった時の対処法を知っておきましょう。
新人看護師は自立神経失調症の原因になりやすい環境で働いている
自立神経失調症の原因は、多くのストレスによるものと言われています。肉体的、精神的、生活リズムなど、ストレスとなる原因は多くあります。
仕事の過労
勤務する職場は、緊迫感があり、常にミスが起こらないようにとプレッシャーがかかります。肉体的にも重いものを持つ、運ぶ、患者さんを移送する、歩き回る、看護行為や医療ケアを行うなど、体を酷使した仕事です。
毎日仕事は、疲れをスッキリ解消する間もなく次の日がやってきて、慢性的な疲労が続きます。定時出勤・定時帰宅が叶う職場はほとんどなく、残業や残務の追われる日々を過ごします。
そして、新人教育による業務外の仕事、夜勤による不規則勤務と仕事による過労が続きます。
精神的ストレスの蓄積
仕事のプレッシャーや時間内に仕事を終わらせないといけない、予定通り運ばせないといけない時間的重圧、新人教育や上司からのプレッシャー、患者さんや患者さん家族とのやり取り、他の医療スタッフとのやり取りによる精神的ストレスが多くあります。
生活習慣の乱れ
看護師は夜勤があります。それを分かって就職、勤務しているわけですが、人は朝に起きて夜に寝ると言う性質を持っています。
それに反して働いているわけですから、身体の反応として「止めて」と悲鳴を発するようになることは理解できます。特に新人看護師のうちはこのサイクルに慣れていないので、負担もより大きくなります。
自立神経失調症の症状
倦怠感、慢性的な疲労感、やる気の低下、睡眠障害、食欲不振、味覚障害、体重減少、下痢や便秘の排泄障害、胃痛、胃部不快、頭重感、口渇感、喉の詰まる感じ、めまい、ふらつき、肩凝り、腰痛、背部痛、関節痛、手のしびれ、冷感、動悸、胸部圧迫感、呼吸困難感などを症状としますが、これ以外にも種々の予測されない症状に悩まされることがあります。
「うつ病」と思われることもあったり、鬱状態や心身症と診断されることもあります。症状に悩まされ、時に「自殺企図」「自殺念慮」の症状が出現する事もあります。
自立神経失調症にならないための対処法
上記の症状が現れた場合は、速やかに医療機関で治療を受けましょう。
しかし、軽い症状であれば病院にかからずに改善することも可能です。
基本的に、自立神経失調症の改善には、規則正しい生活とストレスの発散が大きく関わってきます。以下で紹介するポイントは発症を未然に防ぐためにも役立つので、参考にしてみてください。
生活習慣の改善
規則正しい生活が最も有効な治療法です。看護師は、当然夜勤がある為にこれを守ることが困難です。しかし、人の体より自分の体の方が大切ではないですか?
上司に相談し、夜勤を減らして貰ったり、夜勤を止めさせてもらいないか相談してみましょう。一日三食、質の良い眠りと適度な活動により健康的な生活を取り戻しましょう。
自立神経失調症を診断された時は、仕事を休養させてもらい、じっくり休みをとる事が一番早く回復する方法です。
プライベートを充実させる
趣味、入浴、アロマオイル、マッサージ、ヒーリングミュージックなど、自分のリラックスできる状態を作りストレスから心と体を解放する事がお勧めです。
ストレッチにより身体を溶きほぐす
ストレッチによる筋緊張の緩和と、ストレッチ中の深い深呼吸で副交感神経に働きかけ、全身の脱力を目指します。
感情を溜めこまない発散術を身につける
心の闇やストレスは、自分の内面を攻撃し、全身のホルモンバランスを崩壊させます。よって、ストレスを溜めこまないように感情を上手く表出する方法を身につける、性格の変容が出来ると良いでしょう。
受け流す、溜めこまないという性質を身につけましょう。泣く、叫ぶなどは、その場では難しいですが、帰ってその気持ちを引きずっている時は、自宅で泣きじゃくり、大きな声で叫んでも良いでしょう。
運動やリズム運動をする
有酸素運動は、身体に酸素を送り、ストレスで酸欠になった身体を癒します。ヨガや、ゆったりとしたストレッチ運動は、自立神経のバランスを整えます。
リズム運動は、一定のリズムで同じ動きを繰り返す為、脳に単純作業を植え付けストレスからの解放へ導きます。また、陽光を浴びることで身体のリズムをリセットできる事もあります。
三食バランス良く摂取する。
ビタミンE、ビタミンC、イソフラボン、カルシウム、ミネラルは、身体の退社に関わります。ストレスを感じると、その反応でビタミンやミネラルは失われます。
失われっぱなしでは、身体のバランスを崩すこととなりますので、上手く補給し続けることが必要です。
心療内科や精神科へのうつ病や心身症患者の精神回復に、ビタミンを利用されることがあるほど、ストレスや自立神経のコンロトールには微量栄養素が必要という事です。