新人看護師が優先順位を考える力を身につけるには
優先順位の決定は、新人看護師が最も苦手とされる部分です。
看護の現場では、突然の指示変更や患者さんの急変等があり、いつも平常業務が終わることがありません。
一日の初めに、あらかじめどのように仕事を振興しようかと考え業務を開始しても、途中で急な仕事が入ったり、急な指示変更に対処しなければならない状況もあります。
よって、新人看護師でも正しく判断し、優先順位を決定、変更しながら円滑な業務進行が求められます。
では、その優先順位を決定づける力とは、どのように身につければよいのでしょうか。
優先順位の考え方
優先順位とは、複数人患者さんを受け持つ看護師が、いつ、どのように、どの業務を進行していくかを考え、円滑に仕事を勧めることが出来るよう、計画的に業務を考えることです。
新人看護師は、自分ひとりで部屋持ちできるように、日勤業務を一人立ちする頃、その能力が備わっているか確認されます。
時に、研修などにより、その手法を学んだり、グループワークでその知識を養う医療機関もあります。
優先順位決定に必要な情報
患者さんには、毎日同じ時間に同じことをするケア、一日の間に済ませればよいケアや処置、急な検査や処置などの決まりの無い業務、曜日や週間で行うべきケア等があります。
- 決まった時間のケアや処置:検温・食事時間・定刻の与薬・定刻の検査など
- 一日の間に済ませるべき業務:清潔ケア、術後や創処置、時間指定の無い与薬、時間指定の無い検査、リハビリなど
- 急な指示変更や検査
- 曜日や週間業務:輸液セットの交換や点滴や固定部の消毒、呼吸器の回路交換、与薬の準備など
これらの情報を総合的に捉え、瞬時に判断する必要があります。
優先順位を誤ってしまうと…
優先順位を誤ると、円滑な業務進行を妨げる以外に、患者さんに多大な迷惑をかけることになります。
患者さん一人一人には、生活スタイルや自分なりの過ごし方があります。看護師の判断の誤りで、治療や休息などの変更や負担を強いることにもなります。
何時に清拭をしますと告げていた時間に、実は他の検査や治療が入っていたら、患者さんには清拭時間を変更して貰わなければなりません。
よって、患者さんとしてはイラついたり、がっかりすることとなります。
そして、看護業務は、複数人を担当とする為、一人の確認不足や誤りが、複数のンにタイムスケジュールに変更をお願いしなければならないことになります。
優先順位を決定する能力を身につけるには
優先順位を決定するためには、経験や実践が大切です。
今、先輩たちが何の障壁もなく業務を円滑に進行しているのは、経験や日々の実践があるからです。
よって、新人看護師も日々の業務をこなし、失敗や指摘を受けることで、気付き、実践できるようになることなのです。
自分の考えている事を先輩などに話し、助言を得る
自分がどのように一日をこなそうかと考え、教育担当者やプリセプターに、自分の考えを述べ、助言を貰うようにします。
それも良いけれど、こうすればもっと業務が円滑になるなどと、適切な助言を得られることがあります。
一つ一つの体験を大切にする
同じ患者さん、同じ部屋持ちであっても、毎日同じ一日はありません。昨日行った方法が、次の日には出来ないことがあります。
それは、患者さんの一日には急な変更や追加処置などが考えられる為です。
その変更に柔軟に対応するためには、どんな些細なことでも一度体験した業務を心にとどめておくことが大切です。
先輩看護師の動きを参考にする
先輩の対処や動きを充分に観察しましょう。
急な変更があった時、先輩はどのように平常心を保ち対処しているかを観察してください。人の振りを見て、自分の肥やしにしましょう。
シュミレーションや多重課題研修への参加
シュミレーション研修や多重課題研修を行う医療現場や研修体制を取る医療機関も多くあります。その研修への参加姿勢を前向きなものとし、積極的に考える姿勢で臨みましょう。
また、看護協会や他医療機関の公開研修などで、このような研修項目があれば参加してみましょう。自分以外の人の考えを聞くことで、見識幅が広がり、その場その場の対処法の知識た対応幅を広げられる事もあります。
看護師を続けていれば、判断力は自然と養われる
新人看護師の優先順位決定には、もっとも経験値が必要です。
初めから間違いなく、全てを把握し実践する事は困難です。
一人一人の患者さんを充分に知り、多くの情報を持って、一人一人の患者さんの為を思って看護する姿勢で仕事を続ければ、優先順位を考える能力は身についていきます。
あせらず、じっくり、目の前の課題を一つ一つこなしていきましょう。