新人看護師の自立・独り立ち
新人看護師の一人立ちの時期は、いつなのか。もう少ししたら、一人立ち?と心をドギマギさせている新人看護師もいることでしょう。
プリセプターや先輩のやりとりを見たり、自分への対応や掛けられる「一人で出来るよね」「もう大丈夫でしょ」という声を聞くと、危機感を感じることがあるでしょう。まだ早い、もう少し待ってと心で叫んでいる新人看護師もいることでしょう。
しかし、いつかは訪れる「一人立ち」何時まで経ってもお付きの先輩がいることも、好ましくはないでしょう。
それなら、「はい、大丈夫です」と胸を張って「一人立ち」の時を迎えてやろうではないか。
新人看護師が自立するまでの道のり
新人看護師の自立に関して、先輩看護師は時間がかかるとの認識を持っています。焦らせて、中途半端な知識のまま自立して欲しくはないし、出来るつもりで充分でなく医療事故の原因にもしたくありません。何より、急がせることで新人看護師のストレスを高め、早期退職の原因となるプレッシャーを与えてはいけないと感じています。
しかし、時に尻を叩き、刺激をしなければ、人間というものは甘えてしまいます。「いつかは私も」と言っている間は、成長は見込めません。
だから、期待をかけて先輩看護師は、「もう出来るよね」と軽い気持ちでプレッシャーを与えることがあります。「はい、出来ます」と自分から言ってくれることを心待ちにしています。
新人看護師の自立は、個人差があります。知識的、技術的レベルは個人により異なり、また、卒業した学校によっても経験幅が異なります。入職してからの要領や経験、呑み込み具合によっても異なります。
しかし、看護師の真の自立は、三年かかると言われています。しかし、そこまでプリセプターが新人看護師の成長を見守るわけにはいきません。
新人看護師がなかなか育たない原因
●リアリティショック
自分の思い描いた理想と医療の現状があまりにも違いすぎて、冷静に受け止められない。そのギャップに対して、どう受け止めて適応すれば良いかわからない。
●コミュニケーションが苦手
先輩看護師や医療スタッフ、患者さん等との関係性を築くことが困難で仕事に対してストレスが多い。また、コミュニケションが取りにくい新人看護師と教える側も感じることがあり、指導関係が成立しにくいことがある。
●自己評価が低い
失敗やミスに対して「自分は向いていない」「出来ない人間」と勝手にレッテルをはり、自分の首を自分で締めてしまう。やる気が底をつく。特に、周囲の評価は「こんなもの」「頑張っている」「頑張りすぎている」と言われているのに、どんどん自信をなくしていく新人看護師もいます。
看護師として自立するための心持ち
全てを自立しようと思わない
看護技術や知識に関して、または、業務の進行に対して自立には時間がかかります。一気に自立を目指すのではなく、一つ一つ着実にクリアしていく姿勢が必要です。この技術は一人立ち出来るけれど、これはもう少しフォローが必要とする分野が当ても当然です。
同じ事ばかりしているわけでは無いので、経験できやすい分野や、なかなか経験できない分野では、習得時期や期間が違って仕方ないことです。その事で一喜一憂する事はありません。
いつをもって、なにをもって自立なのかは、先輩や教育者が判断する事で、「一人でできている」と言われることを自信にしてレベルアップを目指していく姿勢があればよいでしょう。
同期と比較しない
同時期に入職した職員と比較したくなる気持ちは理解できます。しかし、人それぞれ特性や得意・不得意があります。自分は自分、他人は他人と理解して、「あの子は自立したのに」「あの子は夜勤を始めたのに」などと比べて「自分は劣っている」などと思う必要はありません。
自分には出来ることが、他者には出来ない事もある。他者ができることが自分にできない事もあり、その出来ない自分に強く反応している事もあります。
出来る、出来ないは、「いずれ出来る」に変わります。人と比較して、自立時期を比べないでください。自分のペースで確実に、安全に自立を目指しましょう。