新人看護師のリフレッシュ研修
新人看護師には、計画立てた集合研修や現場研修など多くの教育課程が準備されています。これを消化する事で、着実な看護師としての知識・技術習得を目指します。
しかし、いつのいつの研修ばかりでは、新人看護師の疲弊が重積するばかりです。新人看護師の精神面への配慮や支援により、早期退職や早期離職を阻止する試みとして、リフレッシュ研修を計画する医療機関が多くあります。
日ごろ、厳しい教育を行う先輩看護師とのコミュニケーションや親睦、同期や同じ境遇の仲間と触れ合い、思いを共有する事によりストレス対策を行う事が一つの目的となります。
リフレッシュ研修の事例
新人研修・リフレッシュ研修 INさんべ
島根県にある医療機関では、入職3ヶ月目の月に、県内の青年交流の家で看護師リフレッシュ研修を行っています。
一泊二日の宿泊研修で、目的は、一生懸命な新人看護師の心身解放と、プリセプターや他の職員とのコミュニケーションや親睦を深めることが狙いです。アウトドアクッキングにより、ピザやバームクーヘンを作り、みんなで食べたりするようです。
三ヶ月目の新人フォローアップ研修
関東の医療機関における新人看護師フォローアップ研修です。三ヶ月目のフォローアップ研修では、状況・拝啓・判断・提案を意識して伝えるコミュニケーションスキルを事例検討し、グループワークを行います。
また、それを基にどのような看護師になりたいか等の看護観を深める話し合いを行う機会を持ちます。プリセプターは、新人看護師の意見や思いを聞いたり、これまでの頑張りを認めて写真立てやメッセージカードをプレゼントし、親睦を深めるようです。
新人看護師には内緒の企画もあり、サプライズに感動、これからの仕事の糧に力と出来る新人看護師も多くいると好評です。また、一泊二日の宿泊研修二日目には、スポーツによる身体活動を行い、心身の発散を行います。
国立オリンピック記念青少年総合センターで新人研修
首都圏の医療機関の新人看護師リフレッシュ研修です。入職3カ月の新人看護師のリフレクション、社会人基礎知識チェック、身体活動などによるリフレッシュ研修が開催されます。
リフレクションによりプリセプターと仕事以外の時間や思いを共有し、思いを新たにしたり、気付きを得る新人看護師も多くいます。これまでの経験から自己を振り返り、今後に活かせる振り返りの場となれる研修となります。
自己を振り返った後は、ストレスや疲れの解消の為のゲームや活動により、心身を解放する計画が立てられます。スポーツやゲームを通し、これまで見えなかった新人看護師や先輩看護師の一面を知るきっかけともなると、良い機会となっているようです。
リフレッシュ研修は先輩看護師をより理解できるチャンス
先輩看護師に対して、どのような思いがありますか?
「怖い」「やさしい」「気難しい」「とっつきにくい」「怒らせたくない」「出来ると思われたい」「悪く思われたくない」どれも、先輩看護師の顔色を伺った内容ではないでしょうか。
しかし、先輩看護師は、新人看護師をどのように見ているのでしょうか。
・伸びてほしい:厳しくする原因は、一人前に早く成長して欲しい現れです。
・頑張ってほしい:自分の乗り越えた壁を、何とか突破して欲しいとの思いです。
・支えになりたい:自分にもできたから、きっと出来るはず、その自信の浮き沈みのサポート役になりたいとの思いがあります。
・自分の力不足:新人看護師が自分が出来ないと感じる理由は、自分の教育方法が悪いからと申し訳なさを感じている先輩看護師もいます。
先輩の性格や特性を理解し、その新人を教育したい気持ちとやる気を実感できる場が、新人看護師のリフレッシュ研修となる場合があります。
リフレッシュ研修中の先輩看護師の表情や言動を観察してみてください。現場教育の時の表情では見せない表情があるはずです。
先輩看護師は、時と場合と場所を弁えて対応しています。よって、リフレッシュ研修では、笑顔や声、いつもにない言動があるはずです。
実は、こんな一面があるのだと気づいたり、実戦での厳しい目線は自分の為を思ってのことだと、実感できる場面が多々あると思います。そこに気づけば、現場での厳しい指導に有難さを感じられるはずです。