「仕事に馴染めない…」は適応障害の可能性も
看護師がしたくて医療機関に就職した新人看護師が、どうしても仕事場に馴染めず、強いストレスを感じ軽い鬱症状から、場合によっては出勤困難な状態の鬱状態になることがあります。
仕事には行きたいけれど、身体は拒否反応を起こし、欠勤や病気休暇を取らなければならなくなります。その症状は、職場への不適応状態を示し、「適応障害」と言われています。
新人看護師には、職場の環境、現実とのギャップ、自信の無さ等により適応障害を発症する場合があります。
適応障害について理解し、発症予防と、発症した時の対処法について考えましょう。
適応障害とは
仕事や自分のおかれている環境に対し、強いストレスを感じ、とても耐えがたく、辛い状況と心身が判断し、気分障害、行動障害を起こします。
ある生活の変化や役割の変化、何かの出来ごとにより、その人にとって普段通り生活が営めないような抑鬱状態、不安、心配、心身諸症状により通常の生活が困難になる状態です。症状発症は1カ月以内に出現し、ストレスが無くなって半年以上の症状持続が無いものとされています。
適応障害が引き起こす症状
身体面:嘔気、嘔吐、めまい、動悸、多汗、胃痛など
精神面:抑鬱気分、不安、怒り、焦り、緊張など
行動面:行きすぎた飲酒、暴食、無断欠勤、無謀な運転、喧嘩、攻撃的性格に変容など
興味関心の低下、食欲低下、不眠などが2週間以上持続すると「うつ病」と診断され、適応障害とは言われません。
治療法
●ストレス環境の除去
本人が感じているストレスの排除を行い、原因を断ちます。職場によるストレスであれば、病気休暇や退職と言う方法を取ります。まず、退職と言う事は時期尚早なので、一旦休暇を貰い、クーリング期間と経て、症状が落ち着けば復職を試みます。また症状が悪化する、出勤しようとすると症状が出そうになることがあれば、退職を考慮します。
●ストレス耐性の強化
ストレスに対して本人が立ち向かう力を付けるトレーニングを行う。ストレスを恩人がどう受け止めるか、その受けとめに対して、認知行動療法、カウンセリングを行います。
●薬物療法
不安、不眠に対しては、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬を使用、鬱状態に対しては抗鬱薬を使用します。症状に応じた適切な薬物療法を行います。
新人看護師が適応障害にならないためにできること
適応障害にならないためには、ストレスに対する対策と、仕事に対する考え方や取り組み方、自己流のストレス発散法を身につける必要があります。職場に適応できるように自ら心掛ける必要があります。
●理想と現実の受けとめ
自分の思い描いていた医療現場や看護についての思いと現実とのギャップを受けとめる必要があります。「実際はこんなものなのか」と考え、「こうあるべき」「こうしなければならない」という考え方を柔軟に捉える必要があります。
医療現場は、どこも同じではありません、臨機応変に、その場で対応、その場で判断しなければ行けないことが多くあります。自分のレールに沿い仕事が行える職場、職種ではないと考えてください。
日々感じるストレス、「これって違う」と思うストレスに対して、「こんな事もあるのか」と受けとめられないと、ストレスはたまるばかりです。こうあるべきは理想であって、現実ではないと理解する事でストレスへの柔軟な対応が出来ます。
●ストレスをストレスと感じない工夫
ストレスは、どの現場に居ても感じます。今の現場で無く、転職したとしても、そこそこでのストレスがあります。よって、職場を変わったからと言って状況が改善しないと言う事を理解しておきましょう。今いる現場に適応することが、今後にとって良い場合があります。
新人看護師は、知らない事ばかりです。ストレスに感じることに対して、「こんな事もあるのか」と発見や気付きに変えることが出来れば、ストレスにはならず、知的好奇心の充足と出来るでしょう。
●ストレス発散
新人看護師は、ストレス発散が下手くそです。生真面目で、熱がこもり、焦りとプレッシャーで頭が置パンクしそうになっています。上手くストレスを発散しなければ、自爆してしまいます。
趣味や休息、旅行や買い物、ドライブや、友人・知人との集まりなどの機会を持ち、仕事とは別の時間を充実させることが「適応障害」の原因であるストレスをためないために重要です。