看護師のスキルアップ資格「新生児集中ケア認定看護師」
健康に生まれてくれればいうことはないのですが、中には健康面で問題を抱えて出産する赤ちゃんもいます。
早産であれば、より慎重なケアが必要になりますし、先天性の疾患を抱えて生まれてくる赤ちゃんもレアケースかもしれませんがいます。そのような場合、通常の子供のように成育しない可能性が高いです。
このような健康面で問題を抱えた新生児のケアを専門的に行う看護師で、新生児集中ケア認定看護師の資格を持っている人も多いです。
新生児のケアは一歩間違えると、命の危険に立たされることも十分想定できます。そこで専門的知識やスキルを駆使して、無理なく生育できる環境を作ります。
自分たちの赤ちゃんが早産した、何らかの重大な疾患を抱えていると言われれば、動揺する親御さんも多いでしょう。そのような親御さんに的確な説明をして、理解を得ることも新生児集中ケア認定看護師の重要な役割の一つです。
2015年までに新生児集中ケア認定看護師の資格を持っている人は日本全国に367人います。NICUのような設備の整った、大規模病院で勤務している人が多いです。
新生児集中ケア認定看護師の資格取得方法・条件
日本看護協会が認定審査や資格認定を実施しています。資格取得できても、5年経過すると更新しなければならず、更新審査で一定の基準をクリアする必要があります。
受験するには
新生児集中ケア認定看護師になるためには、認定審査を受ける必要があります。この認定審査の受験資格は、かなり厳しい条件がもうけられています。
看護師として通算5年以上の実務経験を有していること、さらにその中の3年は新生児集中ケアの実務経験であることが大前提になります。新生児集中ケアですが期間だけでなく、症例数も基準となります。5例以上のケアを担当した経験が必要です。
ちなみに条件としては、生後1週間以内の赤ちゃんで重症集中ケアの必要なケースがカウントされます。
この条件をクリアできれば、新生児集中ケア認定看護師教育課程を半年間受講します。フィジカルアセスメントや臨床薬理、親への理解といった広範囲の勉強をします。ちなみに勉強期間中は、いったん仕事を休む形になりますので病院勤務をしている人はその辺の調整が求められます。
以上の条件をすべてクリアできれば、認定審査を受けられます。そして一定の合格基準をクリアできれば、晴れて新生児集中ケア認定看護師になれます。
駆け込み出産が増えている
日本は少子高齢化の状態がしばらく続くと見られているため、新生児集中ケア認定看護師のような赤ちゃんに関するケアの資格は必要なくなるのではないか、と思っている人もいるでしょう。
しかし今後ますます新生児集中ケア認定看護師の存在感は増すかもしれません。
というのも赤ちゃんの数が少なくなるとともに、日本全国の産婦人科の数も減少傾向にあるからです。このため、駆け込み出産の案件が増えているといわれています。
その他にも不妊治療もかなり進歩しているのですが、多胎児をはじめとして出産した赤ちゃんには何らかの異常の伴うケースも増えています。このようなデリケートな問題をケアするために、新生児集中ケア認定看護師は今後も安定したニーズがあるとみられています。
新生児集中ケア認定看護師の資格に興味がある看護師さんへ
新生児集中ケア認定看護師の勤務先として多いのは、NICUですね。新生児に特化したICUのことです。このような設備を持っているのは大規模病院が中心となりますから、総合病院や大学病院に勤務するケースが多いですね。
新生児の場合、ちょっとした症状の調香の見落としだけでも重篤化を招く可能性があります。そのためには、確実な観察眼と何か起きた場合の専門的なスキルが求められますね。
新生児特有の疾患は、成長すると消えることも多いです。よって小児科医や看護師でも知らない事柄がたくさんあるんです。どう対処していいか周りのスタッフがわからない時には、新生児集中ケア認定看護師が率先して対応に当たることも十分考えられますね。