看護師のスキルアップ資格「小児救急看護認定看護師」
子供が健やかに成長するためにケアをするのが、小児救急看護認定看護師です。
子どもの場合、時折予想しえない行動をすることがあります。思わぬ事故の発生のリスクも高いですから、その防止のためのケアもしないといけません。
また子どもの場合特に小さいと、免疫力が大人ほど高くはありません。ですから感染症にかかってしまうと重篤化する恐れがありますので、早めに処置をする必要があります。
また子どもが病気やけがをすれば、家族も心配するはずです。その家族のケアも小児救急看護認定看護師の業務範囲になります。
病院に運ばれる子どもの中には、体中にあざがあって虐待の疑われる時代もあるかもしれません。その場合、行政機関や警察などとも連携して、子どもの安全を確保することも求められることも考えられます。
小児救急看護認定看護師の資格保有者数は2015年までに日本全国で、228名います。総合病院や大学病院、子ども専門の医療機関で活躍している人が多いです。
小児救急看護認定看護師になるためには、一定の受験資格を得て認定審査を受ける必要があります。認定審査ですが毎年90%台で推移しています。これは資格の難易度が低いわけではなく、受験資格を満たすための条件が厳しいからです。
小児救急看護認定看護師の資格取得方法・条件
日本看護協会が小児救急看護認定看護師の認定審査を実施しています。認定看護師や専門看護師などの上級資格の主催者団体でもあります。
受験資格取得の条件
まず看護師として通算5年以上の実務経験を有していることが前提条件となります。そしてそのうち3年間は救急看護もしくは小児看護分野における実務経験でないといけません。
小児救急患者と家族の看護を5例以上担当していることを証明できると、認定看護師教育機関で小児救急看護認定看護師専門課程を受講する資格を得られます。
小児救急看護認定看護師専門課程ですが、615時間以上のカリキュラムを受講する形になります。期間にして半年程度となります。
日本全国に専門課程を実施している教育機関があるとは限らないので、半年間どこかに引っ越して勉強することもあるかもしれません。
この条件をすべてクリアすると、認定審査の受験資格が得られます。そして審査をクリアできれば、小児救急看護認定看護師の資格が当てられます。ちなみに5年に1回のペースで更新審査が実施されます。
少子化でも必要な資格
小児救急看護認定看護師ですが、今後重要性が下がるのではないかと思う人もいるでしょう。少子化が進んで、子どもの絶対数が少なくなると予想されています。しかし子供の数は減少傾向にあるにもかかわらず、小児救急の患者は増加しているといわれています。
核家族化や共働きの世帯が増えることで、子どもの看病を家族で行うのが難しくなっています。このため、ちょっとした病気やけがをすると病院に連れて行くケースが増えています。
また地方を見てみると、小児科医が不足しているとか、そもそも小児科のない医療機関も出てきています。このような小児医療体制の脆弱なところで子どもの救急患者が来たら、対処できなくなります。
このような地域では、小児看護の専門家である小児救急看護認定看護師がいると大変心強いでしょう。
小児救急看護認定看護師の資格に興味がある看護師さんへ
小児救急看護認定看護師は、その95%が病院で勤務しているみたいです。過半数は病棟で勤務していますが、外来で仕事をしている小児救急看護認定看護師も2割くらいいますよ。
小児救命技術や小児救急看護技術などの専門的な知識がもちろん必要です。その他にも子どもの権利や尊厳を守った上で対応する必要もあります。子どもが何を求めているか、子どもの容体などを観察して、適切なケアをしていく必要があります。
冒頭に紹介しましたが、児童虐待の問題がニュースなどでもしばしば報道されています。虐待を受けている子供が病院に運ばれる可能性も十分考えられます。虐待に対する適切なケアをするためにも、そのような知識も身に着けた方が良いかもしれませんね。