看護師のスキルアップ資格「集中ケア認定看護師」
総合病院や大学病院になると、ICUという重症患者を集中治療するためのユニットを設置しているところが多いです。ICUに入る患者は、一刻の猶予も許されない、また容体が急変する可能性のある人が多いです。
その中で勤務する看護師もいますが、専門的な知識と冷静沈着さ、的確な観察眼が要求されます。このような熟練した技術や高度な専門知識を持った看護師に与えられる上級資格として、集中ケア認定看護師があります。
集中ケア認定看護師の役割として求められるのは、重症患者に対して専門的な看護を行うことです。重症患者の中には、一命を取り留めたとしてもいろいろな後遺症が出てしまう恐れもあります。
このため治療と並行しながら、リハビリテーションもこなしていかないといけないケースが結構あります。このようなリハビリや日常生活のサポートも、仕事の一つになります。
さらには倒れた患者の家族は、今後どうなってしまうのかいろいろと不安を抱えるはずです。このような家族の精神的な支えになることも、集中ケア認定看護師の役割の一つです。
集中ケア認定看護師として活躍している人は、2015年の時点で日本全国に1033名います。大学病院や地域の中核となるような総合病院で勤務している人が多いです。
集中ケア認定看護師になるためには、認定審査を受ける必要があります。しかし専門の教育機関でカリキュラムを受けていますから、90%以上の合格率で例年推移しています。
集中ケア認定看護師の資格取得方法・条件
日本看護協会が集中ケア認定看護師の認定試験や名簿管理などを実施しています。
資格を得るまでの道のり
集中ケア認定看護師になるためには、看護師免許を取得して、通算5年以上の実務経験が求められます。そのうち3年間は集中ケア分野における実務研修である必要があります。通算ですから、結婚や育児などで一時的に現場を離れても問題はありません。
集中ケア分野というのは、オペ室やICU、小児集中ケアなどで勤務した部分が該当します。他にも高度な侵襲を受けた患者に対するケアを5例以上担当していないといけません。
その上で、認定看護師指定の教育機関で、カリキュラムを修了しないといけません。このカリキュラムですが、合計で615時間あります。ここまでの基準をクリアすると、認定試験を受けられます。
筆記試験で合格すれば、集中ケア認定看護師の資格を得られます。ちなみに5年に1回の割合で集中ケア認定看護師の更新手続きをします。この時、書類審査が実施されますので資格を取得しても、さらに向上させる姿勢が求められます。
医療の進化と高まる需要
医療技術は日進月歩でどんどん進歩しています。このため、少し前までは手の施しようのない病気でも、治せる可能性も出てきます。
ということは、集中ケアのような生死の分かれ目にいる患者を救える可能性も高まり、集中ケア認定看護師のような熟練したスキルを持った人への需要も高まります。
患者の観察や医者のサポート、患者の家族に対するケアといった感じで、集中ケア認定看護師はいろいろな役割をこなさないといけません。だからこそ、大学病院や総合病院では必要な人材といえます。
集中ケア認定看護師の資格を取得しておけば、よりよい待遇で転職できる可能性も十分期待できます。
集中ケア認定看護師の資格に興味がある看護師さんへ
集中ケア認定看護師の資格を使って活躍している人を見ると、やっぱり総合病院や大学病院が多いですね。
その中でも内科や外科、命にかかわる病気を取り扱うとか手術の頻度の多い診療科で仕事をしている人が多くみられますよ。救命救急センターで後輩のナースの指導に当たりながら勤務している看護師もいますね。
集中ケア認定看護師の看護師は、通常のナースよりも幅広い医療知識や看護スキルが求められますよ。患者のかかっている病気そのものもありますし、合併症を引き起こす病気もありますからその知識も必要です。
さらにリハビリの技術なども求められますから、集中ケア認定看護師の資格を持てば、どの分野でも活躍できると思いますよ。