看護師のスキルアップ資格「透析看護認定看護師」
透析看護認定看護師は、人工透析に関する専門的な知識やスキルを持った看護師のことをさします。患者に対するサポートの他にも、家族も人工透析を受けるときには同行することもあります。その家族の精神面のケアも行わないといけません。
人工透析を受けに病院に来る人は多いです。年齢を重ねるにつれ腎機能が低下して、人工透析が必要になる人も増えます。また先天的に腎機能の弱い人は人工透析を受けます。
このため、人工透析を行っている病院には、連日多くの患者のやってくる人も多いです。このため、専門的な知識・スキルを持った透析看護認定看護師へのニーズは高いです。
透析看護認定看護師の資格を持っている人は、2015年の時点で日本全国に206人います。病院で勤務している人が多いです。
透析看護認定看護師の資格を取得するためには、認定審査を受ける必要があります。年度によって合格率には開きがあり、100%に限りなく近いときもあれば80%くらいのこともあります。しかし平均すると90%くらいになります。
透析看護認定看護師の資格取得方法・条件
透析看護認定看護師の認定は、日本看護協会が実施しています。日本看護協会のホームページでは、透析看護認定看護師の一覧を掲載しています。
受験するには
透析看護認定看護師の受験資格を得るためには、看護師免許を取得してから透析看護の分野で3年以上の実務経験を有していることが絶対の条件となります。
その上で教育課程に入学をして、透析看護に関する半年の教育カリキュラムを修了すると認定試験を受けられます。
教育課程に入学するためには条件があって、5例以上の透析導入期・維持期にある患者の看護を担当していないといけません。このため、まず透析看護の実務経験を積んで、条件を満たしたところで教育課程に入学するのが手っ取り早く資格取得するためのポイントといえます。
認定試験で合格すると、認定証が発行されます。それからは、透析看護認定看護師として活動ができます。
高齢化により重宝される資格
人工透析を受けている人を見てみると、慢性的な腎疾患を抱えている人が多いです。高齢化が進んでいる現在、人工透析を受ける患者の数は日本全国で増加しているといいます。
その意味では透析看護認定看護師への需要は今後も伸びることはあっても、少なくなることはないでしょう。
透析看護認定看護師は人工透析のある医療機関では、貴重な人材といえます。患者だけでなくその家族のケアも手広く行ってくれると期待できるからです。
人工透析は何時間も連続で行わないといけません。そうすると患者の中にはイライラして、看護師に八つ当たりをするケースもあります。透析看護認定看護師であれば、そのようなクレームもうまく受け流すことができるだろうと医療機関も評価しやすいです。
高齢者や末期の腎疾患を抱えている患者の場合、よりていねいにケアをする必要があります。そのやり方を後輩看護師に指導する役割も担っていますから、需要は今後も高いと予想されています。
透析看護認定看護師の資格に興味がある看護師さんへ
透析看護認定看護師の資格を生かして活躍している看護師は、やっぱり病院の透析室で勤務している人が多いですね。人工透析を専門に行っているクリニックなどもあり、こちらで勤務している人も見られますよ。
人工透析では専門の器具や装置が用いられます。その設備に関する知識や使い方に精通している必要があります。
また腎機能が低下すると、そのほかの病気を誘発したり、合併症を引き起こしたりする可能性もあります。そこで合併症として考えられる病気に関する知識も持たないと務まらないかもしれませんね。特に糖尿病と腎疾患には密接な関係がありますから、勉強しておいた方が良いでしょう。
人工透析を行うだけでなく、血液検査も実施することがあります。血液検査の結果を患者に伝えるのも、看護師の役目なこともありますね。特に透析看護認定看護師のような専門知識を持った人なら、生活面で注意すべきことへの指導をすることもあるかもしれませんね。