看護師のスキルアップ資格「精神科認定看護師」
精神科はほかの診療科目とは異なり、心を取り扱います。このため、他の看護ケアとは異なる知識やスキルの要求される分野とも言えます。
このような特殊なジャンルである精神科の看護ケアに関して、高いスキルを持った看護師であることを認定する資格に、精神科認定看護師があります。
精神科認定看護師はその中でもさらにいくつかのジャンルに分類ができます。思春期や青年期、老年期、リハビリ、精神科救急などのそれぞれの部門で、認定看護師の資格を与えています。まずどのような分野で特に活躍したいか、キャリアプランを立ててから資格取得の勉強を進めると良いでしょう。
精神科認定看護師の資格保有者数は、559名います。その中でも多いのがうつ病看護と退院調整の専門領域で、それぞれ100名近くの認定看護師がいます。一方少ないのは、薬物・アルコール依存症看護です。
特に薬物は、危険ドラッグといった従来の概念とは違った新しい薬物も登場しています。薬物依存のケアのできる看護師は、今後ますます必要になる可能性は高いと判断できます。
精神科認定看護師の合格率は90%程度あります。後で詳しく見ますが、精神科での勤務経験を持っていることが受験資格の条件として設定されているため、専門性の高い人が受験対象のため、合格率は高くなります。
精神科認定看護師の資格取得方法・条件
日本精神科看護協会が認定を行っています。
受験資格
看護師免許を持っている人が対象で、5年以上の看護経験がないといけません。しかも5年のキャリアの中でも、精神科における実務経験がないと、精神科認定看護師の受験資格は得られません。
ただし臨床で精神科の実務経験のない人でも、受験資格を得る方法があります。精神科看護を月間で28時間以上行って、それが証明できれば受験資格認定試験を受けられます。
受験資格試験で合格すれば、8か月から2年間の研修を受けます。この研修プログラムを修了すれば、資格試験を受けて合格すれば資格取得可能です。
試験の概要
3つの内容で考査がなされます。筆記試験の他に、小論文や口頭試問が実施されます。毎年11月ごろに試験が実施されます。
心の病へのニーズ
心の病というと、なかなか世間一般には認められない所がありました。しかしうつ病をはじめとして、メディアでも広く取り上げられるようになって、心の病の存在が広く認知されるようになりました。このため、精神科を受診することに対して、あまり抵抗がなくなりつつあります。
精神科を受診する人の中には、さまざまな症状を抱えている人がいます。このような多種多様な患者に対応するためには、高い精神科の看護スキルが要求されます。精神科認定看護師の資格を持っていると、精神科看護の専門家として採用される可能性が高いです。
精神科の看護師になると、25~30万円くらいの月給がもらえます。他の診療科目と比較して、高めの給料であることが多いです。精神科認定看護師の資格を持っていると、資格手当として、さらに給料を上乗せすることが可能です。
精神科で勤務していて、待遇をアップさせたいのであれば、精神科認定看護師の資格取得するのはプラスといえます。
精神科認定看護師の資格に興味がある看護師さんへ
精神科認定看護師の活躍できるフィールドは、精神科のある医療機関となりますね。病院の他にも、小児施設や高齢者の施設でも精神科認定看護師の資格を持ったナースの需要は高いです。
また大企業を中心として、医務室を会社の中に設けているケースが多いです。土日や祝日が休み、夜勤もないということで企業看護師は高い人気がありますね。
企業の医務室の相談の中で、精神的な疾患の問題が結構多いです。仕事へのプレッシャーや人間関係などでストレスを受けている人が多いからです。
精神科認定看護師の資格を持っている人は、精神疾患へのケアの経験が豊富ということで採用される可能性も高まりますよ。将来企業への転職を検討している人は、精神科認定看護師の資格を取得した方が良いと思いますよ。