看護師のスキルアップ資格「栄養情報担当者」
ドラッグストアなどに行ってみると、健康食品やサプリメントがいろいろと販売されています。日本人の健康志向は高まりを見せていますが、一方で初めて購入する際にはどれを購入すればいいのかわからないという声もしばしば聞かれます。
そこで健康食品などに関して正しい情報を提供できるだけの専門知識を持っている人に、栄養情報担当者という資格が与えられています。
栄養情報担当者は平成27年7月にいったん終了します。そして平成24年から認定の始まったNRサプリメントアドバイザー制度に統合されることになりました。NRサプリメントアドバイザーは、サプリメントで何を摂取すべきか、それぞれの栄養状態を見てアドバイスするための資格になります。
栄養情報担当者の資格保有者は、2012年時点までで5273人いました。NRサプリメントアドバイザーと統合された最初の2013年度の試験の合格者は、844人を記録しています。
合格率を見てみると、50.1%となっています。看護師のようなもともと医療や栄養面で専門的な知識を持っている人で、しっかりと試験対策を行っていれば、合格できる資格と言って良いでしょう。
栄養情報担当者の資格取得方法・条件
栄養情報担当者は国立健康・栄養研究所というところが認定していました。NRサプリメントアドバイザーの資格に関しては、日本臨床栄養協会という一般社団法人が認定しています。
受験資格
受験資格を得るためには、まず主催団体である日本臨床栄養協会の会員にならないといけません。看護師をはじめとして医療専門職種に従事していれば、正会員になれます。
その上で日本臨床栄養協会の行っている研修がありますから、40単位を取得する必要があります。ちなみにこの取得した単位に関しては、ずっと有効です。仕事を両立させながらコツコツと研修を受講して、受験資格を得る方法もあります。
試験の概要
公認テキスト並びに研修の内容から出題されます。出題分野は13科目で、基礎生理学や人間栄養学、食品安全衛生学、臨床薬理学などが含まれます。90題択一式で問題が出題され、2時間で問題を解きます。年に1回、例年12月の第一土曜日に実施されています。
健康食品に対する需要が増えている
健康維持や美容目的などでサプリメントや健康食品を購入する人は、老若男女問わず多いです。今後高齢化が進むことで健康志向はさらに高まることが予想され、サプリメントや健康食品に対する需要は高い状態で推移するとみられています。
看護師が栄養情報担当者の資格を取得すると、病院の他にも福祉や美容の分野でも活躍できます。異なるキャリアプランを検討している看護師は、栄養情報担当者の資格を取得しておいても決して損はありません。
病院で仕事をするに当たって、栄養情報担当者の資格はプラスになることは確かです。しかし資格取得しただけで、給料などの待遇で大きく変化することはあまり期待できません。
中には栄養情報担当者の資格を持っている看護師に資格手当を支給しているところもあるようです。ただし、手当の有無やどの程度もらえるかは医療機関によって大きく異なります。もし転職しようと思っているのなら、待遇がどのようになっているか事前に確認した方が良いでしょう。
栄養情報担当者の資格に興味がある看護師さんへ
栄養情報担当者の資格を生かせる職場はたくさんありますね。病院の他にも、保健所や保健センターといった公的な機関がありますよ。
その他にはサプリメントや健康食品のメーカーや販売会社に就職して、一般の会社員として仕事をするのも可能です。また食生活改善運動を展開している地域もあって、その行使やアドバイザーとして活動している人も多いです。
健康食品は、どんどんマーケットが拡大していることもあって、国も注目しているようです。これまでそれほどルールは厳しくなかったのですが、規制の法律もどんどん変更されています。
ですから栄養情報担当者として今後活躍するためには、最新の情報にもアンテナをしっかりと張って活動した方が良いと思いますよ。