看護師のスキルアップ資格「透析療法指導看護師」
人工透析や血液透析の仕事を中心に看護活動していきたいと思っているのであれば、透析療法指導看護師の資格を取得すると良いでしょう。透析療法全般に対して深い知識と高いスキルを持っていることの証明となる資格です。
透析治療本体だけでなく、患者やその家族に対してどのような治療をするかなどの説明をしたり、他の医療スタッフに治療に関する指導したりするなど総合力が要求されます。透析療法指導看護師の資格があれば、透析の職場への転職はやりやすくなるでしょう。
透析療法指導看護師の認定試験は、2004年から開始されました。1200人以上の人が合格しています。
透析療法指導看護師の試験の合格率ですが、年度によって若干の違いがあります。しかし毎年おおむね80%以上の合格率を記録しています。この合格率の高さを見てもわかるように、しっかり勉強をしておけば、資格取得できる可能性は高いです。
透析療法指導看護師の資格取得方法・条件
6学会の合同の認定委員会が審査を実施します。6つの学会とは、日本腎不全看護学校や日本透析医学会、日本腎臓学会、日本移植学会、日本泌尿器科学会、日本腹膜透析医学会によって構成されています。資格の認定先は、認定・受験・更新受付事務局になります。
受験資格
看護師免許を有していることが前提になります。准看護師免許では受験資格は与えられませんから注意してください。その上で、日本腎不全看護学会正会員歴が通算3年以上、腎不全看護領域実務経験が通算3年以上、看護実務経験が通算5年以上あることが条件です。
その上で、腎不全看護領域実践報告が3例必要です。また受験資格ポイントが学術集会やセミナーなどに参加すると与えられ、これが30ポイント以上になると試験が受けられます。
審査内容
日本腎不全看護学会が編集する「腎不全看護」に書かれている内容をベースにして、問題が出題されます。受験申請書類は11月までに提出することになっています。資格審査をクリアできると、翌年の1月第3もしくは第4日曜日に試験が開催されます。
透析患者は増えている
現在人工透析を受けている人は、日本全国に約30万人程度います。生活習慣病の増加に伴い、透析患者の数は年々増えています。医療機関の中には透析室や透析センターを増設している所も増えています。このため、今後は透析関係の看護師のニーズは高まってくるでしょう。
ちなみに透析関係の看護師の取得できる資格には以下のようなものがあります。
・透析療法指導看護師
・透析技術認定士
・透析技能認定試験
この中でもおすすめなのが、透析療法指導看護師です。人工透析や血液透析が必要になった患者とその家族に対して説明や生活上の注意点なども行えるスペシャリストです。このため、透析業界では最も需要の高い資格といえます。
透析療法指導看護師として一般病棟の透析専門の仕事をしていれば、月給で25~30万円くらいになると思ってください。ただし病院の中には透析手当や資格手当の付く可能性があり、より高い給料を手にできる可能性もあります。病院の中には4か月分のボーナスを支給するところもあり、看護師の中には給料はかなりいいです。
透析療法指導看護師の資格に興味がある看護師さんへ
高齢化が進んでいることもあって、透析治療が必要な人は増えています。透析を行っている病院やクリニックが主な職場になりますね。また透析に関する治験に力を入れている研究機関で活躍する方法もあります。
透析業務は看護師だけで行うわけではありません。医者や臨床工学技士、栄養士なども関わりますから協力して実施します。ですからチームとして治療に当たる意識を持つとか協調性のある人の方が向いていますね。
あとコミュニケーション能力も必要ですよ、人工透析を受ける患者は週に3回、1回当たり4~5時間程度待っていないといけません。中にはイライラして看護師に対して厳しい言動を行う人も見られます。
このような厳しい状態でもうまく受け流しながらスムーズにコミュニケーションの取れる看護師の方が適性もあると思いますよ。