看護師のスキルアップ資格「第1種・第2種滅菌技士」
医療現場ではいろいろな器材が使われますが、器材の管理は大変重要です。もしも細菌が器材に付着していれば、患者が感染症にかかってしまう恐れもあります。
そこで常に滅菌をして清潔な状態で、患者に対して使用する必要があります。このような滅菌をして、患者に安心して器材が使えるように管理する人を滅菌技師といいます。
滅菌に関する知識や技術を持ち、人々の健康や福祉に貢献するための資格です。滅菌技師には第1種と第2種の資格があります。第2種は通常レベルの、第1種はより専門的で高度な知識や技術を持った人に与えられる資格です。
第1種滅菌技師の資格保有者数は日本全国で200人前後といわれています。第2種滅菌技師になると少し増えて、資格保有者数は3400人程度在籍しています。
第2種に関しては、資格取得のための試験はありません。医療現場における滅菌保証のガイドラインを理解し、講習を受講して結果が良ければ認定されます。ただし第1種になると筆記試験や実技講習をクリアしないといけないため、難易度は高くなります。
第1種・第2種滅菌技士の資格取得方法・条件
滅菌技師専用の認定委員会があって、こちらで審査・認定をします。ちなみにこの認定委員会は日本医療機器学会の評議員と専門委員とによって構成されています。
受験資格について
第2種の場合、日本医療機器学会の会員となって、滅菌供給業務の3年以上の実務経験のあることが条件です。そのうえで日本医療機器学会の作成する「医療現場における滅菌保証のガイドライン」の内容について理解して正しく実行できることが条件となります。
第1種の場合、まず第2種の資格保有者であることが大前提になります。そのうえで第1種滅菌技師認定学科講習の筆記試験に合格し、認定実技講習を修了して資格取得が可能です。いずれの試験も申請書類や講習会の受講結果をベースにして、審査が実施されます。つまり他の資格のように認定試験と呼ばれるものは実施されません。
医療現場では滅菌は絶対に欠かせない作業といえます。医療現場における医療事故がしばしば紹介されることがあります。医療事故が起きる原因にはいろいろなケースが考えられますが、その中でも多いのは滅菌が不完全だった事例です。医療事故を起こさず、患者の健康を守るために欠かせないわけです。
病院管理のベースになるもの
病院内にいる患者は、何らかの病気を抱えていることが多く、体の抵抗力がダウンしているケースが考えられます。またもともと体力のないお年寄りも多数通院・入院しています。
このため、ひとたび病院内で感染症が発生すると、重症化する危険性が高いです。かつ限られた空間ですから、病院内で爆発的に感染者を増やすことにもなりかねません。
医療事故はメディアで取り上げられることもあって、世間でも広く認知されています。つまりそれだけ一般の目も厳しくなっているわけです。このため、滅菌に関して今まで以上に重点的に行う必要があり、その専門家である滅菌技師のニーズも今後ますます高まることが予想されるわけです。
第1種・第2種滅菌技士の資格に興味がある看護師さんへ
滅菌技師の資格を取得すると、病院での評価も高まるかもしれません。特に第1種滅菌技師の資格は、日本全国でも数百人しか取得していない資格です。給料などの面でもより大きく反映される可能性が高いです。
医療現場の他にも、医療機器メーカーとか医薬品メーカーなどでも滅菌技師の資格を持った人を求める傾向が見られます。看護師として病院でキャリアを積んできたけれども、一般の企業で仕事をしてみたいという人にもお勧めの資格です。
企業で勤務したいという看護師の中には、夜勤や不規則な勤務スケジュールが辛いという人は多いです。一般企業に転職をすれば、残業は多少あるかもしれませんが、夜通し勤務することはなくなります。
また原則土日や祝日は休みになりますから、規則正しいリズムで仕事ができます。家族を持った看護師の中には、子供や配偶者との時間を大切にしたいから一般企業への転職を希望する人が多いです。そのような人には企業就職の道を開くおすすめの資格ですね。