看護師のスキルアップ資格「血管診療技師(CVT)」
血管が硬化すると血液の詰まりなどを起こして、重大な症状を引き起こす可能性があります。このような血管疾患に対応するための専門資格に、血管診療技師(CVT)があります。
動脈硬化関連の疾患はきちんと治療できるかどうかは、早期発見にかかっていると言っていいです。血管関係の疾患に専門的に対応できる血管診療技師は、重要な役割を医療の世界では担っています。
血管診療技師の資格保有者数は、2013年の段階で日本全国に761名います。決して数の多い資格ではないですから、看護師で資格を持っていると転職の際のアピールポイントになりえます。
血管診療技師の試験の難易度ですが、決して高くはありません。第3回の認定試験の結果を見てみると、合格率は82.1%となっています。
だいたいほかの試験でも同じような合格率で推移していますから、しっかりと事前準備をしておけば、それほど不安に感じる試験ではありません。
血管診療技師(CVT)の資格取得方法・条件
血管診療技師は、血管診療技師認定機構と呼ばれる所が認定している資格です。この認定機構は、日本血管外科学会と日本脈管学会、日本静脈学会の3つの学会によって構成され、2006年に発足しました。
受験資格
試験を受けるためには、医療関連の資格を持っていることが条件です。看護師はもちろん、准看護師資格を持っている人でも問題ありません。
かつ看護師の場合3年以上、准看護師は5年以上の実務経験を有する必要があります。その実務経験の中でも、血管疾患診療の経験が求められます。
その上で、認定講習会を受講する必要があります。5月と7月、10月の例年3回実施されていますから、こちらを受講しましょう。
試験と資格更新の概要
毎年5~6月ごろ開催される試験で、血管やリンパ管に関する疾患に関する病態の基礎知識や血管疾患診療に関する専門的知識が50題の多肢選択方式と血管疾患検査の実技試験の2段階で考査されます。
合格をしても、5年ごとに資格の更新をしないといけません。先ほど紹介した認定機構を構成する3つの学会のいずれかへの参加や発表、論文の掲載、日本血管外科学会地方会やCVT認定講習会などに参加して単位を取得し、50単位以上更新時までに取っておかないといけません。
看護師が血管診療技師の資格を取得するメリット
看護師が血管診療技師の資格を取得すると、さまざまな血管疾患の治療で医師のサポートができるようになります。カテーテルを使った検査や治療にも参加できますし、手術の介助も可能になります。
より多くの場面で活躍できますから、キャリアアップやスキルアップを目指している看護師は、取得して損のない資格といえます。
特に最近不規則な生活リズムや偏った栄養バランスの食事によって、生活習慣病に罹患する人が増えています。また高齢化社会も進んでいることにより、血管疾患を抱える患者の数が増加し続けています。
このため、血管検査を行う場面も増加しています。血管診療技師の資格を持った看護師は、血管疾患に対応した病院であれば必要な人材といえます。
血管診療技師(CVT)の資格に興味がある看護師さんへ
血管診療技師の資格を有していれば、転職するときにも選択肢もグッと増えると思います。何せ血管疾患の治療を行っているクリニックや病院であれば、即戦力としてほしい人材ですから。
その他にも先ほど紹介したように、生活習慣病や高齢者の患者を多く抱える病院でも血管診療技師の資格を持った看護師の需要は高いです。選択肢が多い分、しっかりと待遇などの条件を比較して応募先を決めた方が良いと思います。
糖尿病や動脈硬化、高血圧症の看護ケアの経験のある看護師やカテーテル検査の必要な場所で仕事をしている看護師は、血管診療技師の資格を取得しておくとスキルアップが期待できます。
糖尿病患者も日本は世界的に見ても多い傾向が見られ、今後の患者が増えることが見込まれています。ステップアップを希望するなら、まだ決して数の多くない血管診療技師は狙い目の資格といえますね。