看護師のスキルアップ資格「理学療法士(PT)」
けがや病気で体の機能がマヒした・失われたときに昨日回復や維持するためのリハビリが行われます。このリハビリを担当するためには国家資格が必要です。
その中の一つに、理学療法士(PT)があります。運動療法や物理療法など、その人に合ったプログラムを策定し、リハビリを実施します。
2015年の時点で理学療法士(PT)の資格保有者は日本全国に、9万5981人います。男女ともに20~30代の資格保有者が多いです。若い人で医療の世界に興味を持った人が、資格取得を目指す傾向が見られます。
理学療法士(PT)の合格率ですが、平成26年度は83.7%を記録しています。一見すると、難易度が引くような感じがします。ただ実際には合格率も下がってきていますし、難易度のハードルはどんどん上昇しています。
特に既卒者の合格率があまり高くないですから、看護師の仕事をしながら資格取得するためには、それ相応の十分な試験対策をする必要があります。
理学療法士の資格取得方法・条件
理学療法士(PT)は、国家資格になります。厚生労働大臣が認定する資格です。ちなみに試験を主催しているのは、日本理学療法士協会という公益社団法人が担っています。
受験資格
理学療法士(PT)の国家試験を受けるためには、厚生労働大臣もしくは文部科学大臣の指定する理学療法士の養成施設が日本全国にあります。こちらで所定のカリキュラムを修了することです。
少なくても必要な知識やスキルを習得するために、3年間は必要だと思いましょう。
試験内容
理学療法士の国家試験は、筆記試験と口述試験・実技試験の2コースで考査が実施されます。筆記試験は一般問題と実地問題に分けて出題されます。
一般問題は解剖学や運動学、生理学、理学療法の知識について問う問題が出題されます。実地問題は、運動学の他に臨床心理学、リハビリテーション医学に関する問題の中から出ます。
口述試験と実技試験は、点字試験受験者を対象にして、筆記試験の実地問題が出題されます。一般問題が1問1点、実地問題が1問3点で平成26年度の場合、277点満点で167点以上、実地問題120点満点中43点以上獲得すれば合格扱いになります。
看護や介護の世界でも活用できる資格
看護師は病棟勤務をしている場合、患者がリハビリプログラムを実践するときにお供することが多いです。もし理学療法士(PT)の資格を取得していれば、いまどのようなリハビリが行われているかが把握できます。そして患者がどの程度まで回復しているかも推測就くはずです。
その結果、よりその時々の状況にあった看護ケアができるようになります。また看護師としてだけでなく、理学療法士として活躍できる見込みもできるわけで、活動できるフィールドも幅広くなります。
特に今後はさらに高齢化社会が進むと予想されています。高齢者の中には、リハビリの必要な人は多いです。そうなると、理学療法士(PT)の資格を持っている人の需要はどんどん高まるわけです。
実際、介護老人保健施設や介護付き有料老人ホームで勤務している人も少なくありません。特別養護老人ホームで理学療法士の募集の出ることもあります。高齢者看護・介護に興味のある人は、資格取得しておいても損はないでしょう。
理学療法士の資格に興味がある看護師さんへ
理学療法士の活躍できるフィールドは主に2種類ありますね。医療機関と社会福祉施設です。医療機関の場合、リハビリ施設の併設されている総合病院や大学病院で勤務する人が多いです。またリハビリ専門のクリニックなども選択肢になります。
ちょっと変わった職場としては、プロスポーツチームにつく方法もあります。けがで戦線離脱した人のリハビリの担当をするわけです。
その他にはフィットネスクラブに駐在して、会員のお客さんの体をケアするケースも見られます。今までと違ったフィールドで活躍して、視野を広げてみたいと思っている看護師はいませんか?そのような人にはおすすめの資格です。