看護師のスキルアップ資格「思春期保健相談士」
皆さんも経験あるかもしれませんが、思春期を迎えると何かと不安定になります。家族の他にも友人や社会から影響を受けやすい世代のため、心と体のバランスをちょっとしたことで崩すことがあります。しかも他の誰にも相談できずに、一人で悩みを抱え込んでしまうことも多いです。
そのような思春期の子供たちに対してサポートする役割が、思春期保健相談士です。
思春期保健相談士は平成27年の時点で、日本全国に8457名の資格保有者がいます。看護師の他にも医師や保健師、助産師、養護教諭、看護教員、少年補導員の資格を持った人が資格取得し、各方面で活躍しています。
他の資格と違って、思春期保健相談士の資格取得するためには試験を受ける必要はありません。思春期保健セミナーを受講し、修了すれば資格が与えられます。
ちなみにこのセミナーは総論と各論、実践の3つのコースで構成され、すべてを修了すれば資格が与えられます。
思春期保健相談士の資格取得方法・条件
日本家族計画協会という一般社団法人が資格認定を実施しています。JFPAとも呼ばれ、設立は昭和29年で長い歴史のある団体です。プロダクティブヘルスに関する事業を行政と協力しながら実施しています。
資格要件
先ほども紹介したように、JFPAの主催する思春期保健セミナーを修了することが条件です。ただしこのセミナーはだれでも受講できるコースではありません。以下の資格を取得している人が受講者の対象になります。
・医師
・看護師
・保健師
・助産師
・養護教諭
セミナーについて
3つのコースがありますが、8月と9月、翌年の1月といった感じで時期を分けて実施されます。ちなみにそれぞれのコースは週末3日の短期集中型です。
特に実践コースに関しては宿泊研修となりますから、病院勤めをしながら受講を希望する場合にはスケジュールの調整をしっかり行いましょう。
思春期保健相談士の資格の需要
実際に子育てを経験した人に話を聞いてみればいいですが、思春期の子供とどう接するかは大変難しいです。ガラス細工を持っている感じで、にぎりの強さを少し間違えただけでも簡単に壊れてしまうような繊細さです。
この時期に大人がうまくサポートできないと、問題行動に走る可能性が出てきます。犯罪を起こす、逆に巻き込まれる、いじめの問題によって不登校になる、引きこもりになるなど様々な問題が出てきかねません。
子どもを守るという意味でも、思春期保健相談士は重要な役割を担っています。社会全体で子供のサポートを行う必要がありますが、その中心的役割を思春期保健相談士が担うことが強く期待されています。
看護師として勤務する場合、思春期保健相談士の資格を取得しておくと資格手当の付く可能性が高いです。心療内科や小児科、婦人科のような関係する診療科目で勤務する場合には資格を持っていることが高く評価される可能性も期待できます。
思春期保健相談士の資格に興味がある看護師さんへ
子どもと接するのが好き、子育ての経験があって、その経験を仕事に生かしたいと思っている人にはおすすめの資格です。
もちろん子どもの患者が多く訪れる病院で看護師として活躍するときに、思春期保健相談士の資格があると重宝します。
その他には、保健所などでもニーズが高まっています。さらには子供を相手にした資格ですから、教育関連の施設(学校医務室など)でもニーズは高いです。
思春期保健相談士は現在、民間資格に位置付けられています。しかし文部科学省や厚生労働省が後援している資格ということもあって、徐々に認知度も高まっています。
しかも政府でも思春期保健相談士の役割の重要性は認知されています。ですから、今後ますます活躍できるフィールドも広がっていくことが期待される資格です。
看護師として、いろいろなジャンルで活躍していきたいと思っているのなら、取得して損はないと思いますよ。