看護師のスキルアップ資格「手術看護認定看護師」
手術は執刀医の他にも麻酔科の医師、看護師など多くの医療スタッフが一緒になって仕事をします。
オペ室看護師になると、手術に関する高い専門性と看護倫理を順守して業務にあたる必要があります。手術看護についての高い専門的知識やスキルを持っていう人に与えられるのが、手術看護認定看護師の資格です。
手術看護師は、手術の全般的な工程で深くかかわる重要な人材です。手術中トラブルが起きずスムーズに作業できるように、準備を怠らずに行う、手術中の安全を確保することが求められます。
また、病気によっては手術が終了した後も、容体の急変が起きる可能性も十分想定できます。容体が急変した時にいち早く気づき、適切な処置を施すこともオペ室看護師の役割といえます。
2015年9月時点で手術看護認定看護師の資格を持っている人は、日本全国で399名います。ほとんどが手術設備を持っている総合病院・大学病院で勤務しています。
手術看護認定看護師の合格率ですが、90%以上で例年推移しています。しかし受験するまでには、他で詳しく見ていきますが認定看護師課程でレベルの高い知識の勉強や実習を行います。決して簡単に取得できる資格ではないと思いましょう。
手術看護認定看護師の資格取得方法・条件
日本看護協会が資格認定を実施しています。
手術看護認定看護師になるためには、日本看護協会が実施している認定審査を受けて、合格する必要があります。この認定審査ですが、誰でも受けられるものではありません。
まず看護師の資格を取得し、通算で5年以上の実務経験が求められます。そしてその中の3年以上は、手術看護分野における実務経験が含まれないといけません。手術器具はどんどん進化していますから、できれば現役のオペ室看護師であることが望ましいといわれます。
その上で、手術看護認定看護師の育成を行っている教育機関で所定のカリキュラムを修了します。ちなみにおもな教育機関としては、東京医科大学や福井大学、兵庫医科大学大学院に設置されています。
必修科目が630時間で32単位を取得しないといけません。一般的にこのカリキュラムが修了するまでに、半年くらいの時間が必要です。その上で研修を受けて、審査に合格できれば手術看護認定看護師として日本看護協会に登録できます。
最新鋭の知識やスキルを持つことの重要性
医学はどんどん今でも進化を続けています。その中でも特に進歩のペースが速いといわれているのが手術分野です。少し前までは手の施しようのなかった不治の病でも、手術をすれば治るケースもあります。
また、高齢者の場合、体力を消耗する手術は危険なケースも出てきます。しかし中には極力体力の消耗のないような、高齢者でも受けられるような手術アプローチも開発されています。
日進月歩で進化する手術の世界では、専門的な知識・技術を持った看護師が求められます。特に一般でも医療事故という言葉が広く認知された現在、手術ミスなどに対する目も厳しくなっています。
手術を実施しているどの病院でも、手術看護認定看護師の資格を持ったナースは欲しいはずです。
手術はチームで事に当たります。手術看護認定看護師のような専門性の高い人材は、現場をリードできるようなリーダーシップも求められると思いましょう。
手術看護認定看護師の資格に興味がある看護師さんへ
手術看護認定看護師の資格を持っている人は、総合病院や大学病院のような大規模病院で勤務しているケースが多いです。救命救急センターや災害拠点病院で勤務しているナースも少なくありません。
手術そのものに関する専門知識も必要ですが、手術をした後に合併症を起こすような事例もあります。そこで幅広い医療に関する知識が必要ですね。手術機器をどのように取り扱うのかといったノウハウも持っていないといけません。
患者さんにとって手術を受けるのは、決して気持ちのいいものではありません。緊張や不安もあるでしょうから、いかにして患者をリラックスさせるかも、手術看護認定看護師の腕の見せ所ですよ。