看護師のスキルアップ資格「産業カウンセラー」
看護師の中には、一般企業の医務室(産業看護師)への転職を希望する人が多いです。一般企業の良いところは病棟勤務のように夜勤がないところです。
また、土日祝日、年末年始、お盆、ゴールデンウィークなどに休みを取れ、カレンダー通りに仕事のできる所に魅力を感じる人も多いようです。しかも病院で勤務しているのと給料もあまり変わりありません。
ただし企業看護師の募集は、そう多く出ていません。募集が出ても応募者が殺到するため、倍率はどうしても高くなります。確実に企業看護師になるためには、関連資格を取得して、採用へのアピールをすべきです。
そこでおすすめの資格として、産業カウンセラーがあります。
産業カウンセラーは従業員に対するカウンセリングやメンタルケアを行うためのノウハウを持っていることを証明するための資格です。
会社で勤務していると、仕事へのプレッシャーとか職場の人間関係でストレスを感じている人も多いです。そのようなストレスのケアをするために、産業カウンセラーの資格を持っている人は企業では高く評価されます。
産業カウンセラーの資格保有者は、2015年現在44000人強います。産業カウンセラーの試験ですが、決して難易度は高くありません。
合格率も60~70%で例年推移しているため、きちんと試験対策をしていれば合格できる可能性は高いです。ただし後述しますが、受験資格はやや厳しいです。
産業カウンセラー資格取得方法・条件
日本産業カウンセラー協会という一般社団法人が主催しています。シニア産業カウンセラーやキャリアコンサルタント試験なども開催しています。
受験資格
20歳以上を対象にして、協会の指定する産業カウンセリングのスキルを取得するための講座を修了していることです。
その他にも4年制の大学や大学院のいずれかで産業カウンセラーに必要な単位を取得していれば、受験資格を獲得できます。
試験のシステム
学科試験と実技試験に分けて実施されます。学科試験は一般教養試験とカウンセラーの対応能力を考査する試験で構成されています。いずれもマークシート方式で、一般教養は40問を90分、カウンセラーとしての対応能力は20問を60分で解く形になります。
実技試験は受験者同士でみにカウンセリングを実施します。30分くらいコミュニケーションをとります。両方を合格すれば資格取得できますが、いずれか一方に合格すれば、次回受験時には合格した方の試験は免除されます。
産業カウンセラーは歴史も長く、今後の需要も見込まれる資格
企業看護師を目指す人は、産業カウンセラーの資格を取得しておいた方が良いでしょう。というのもアメリカ発祥のこの資格は、日本でも50年以上の歴史があります。
カウンセラー関係の資格はほかにもいろいろとありますが、社会的に最も広く認知されている資格の一つです。
一般企業でも看護師などの医療関係者を採用する傾向が顕著になっています。会社にとって、従業員は人的財産の一つです。そこで従業員の健康管理を会社で行うといった考え方も広く浸透しています。医務室やカウンセリングルームに在籍させている会社も多いです。
その他には人事部で勤務している産業カウンセラーの資格を持った看護師も見られます。看護師というよりもOLとして勤務する形になり大きくキャリアチェンジをして自分の可能性を試してみたい人にはおすすめの資格といえます。
産業カウンセラーの資格に興味がある看護師さんへ
産業看護師になるためには、産業カウンセラーの資格は持っておいてきっと損はないと思います。企業の他にも人材派遣会社やハローワーク、ジョブカフェのような所でもこの資格は良きると思います。
最近は定年後も健康で仕事を続けたいという人も多いですから、高齢者就職支援センターでも産業カウンセラーの資格を持った人の募集が出ています。
産業カウンセラーとして経験を積み、顧客などを獲得できれば独立することも可能です。複数の会社と契約して、フリーランスとして活動することも可能です。自分のペースで仕事をしたい人は、産業カウンセラーの資格を使って開業を目指しませんか?