看護師のスキルアップ資格「感染管理認定看護師」
インフルエンザやノロウィルスなど、感染症はいたるところにリスクはあります。
病院内で感染症が発生すると、免疫が低下している患者の多い場所柄、重篤な症状になってしまうケースも見られます。
感染管理認定看護師は、感染症の蔓延を防ぐために専門的な知識・スキルを持って対処できる看護師をさします。
院内で感染症が発生しないための対策を講じます。プラス万が一院内感染が発生してしまった場合、感染の広がりを最小限に抑制することも感染管理認定看護師として求められる役割です。
院内感染を発生させないためには、必要な知識を医療スタッフが持ち合わせていることも大事です。
他の看護師をはじめとした医療スタッフに周知徹底する、感染症を引き起こさせないために注意すべきことを教育するのも感染管理認定看護師の仕事です。
2015年10月現在日本全国で感染管理認定看護師の資格を保有している人は、2324人います。大半が病院で活躍しています。
感染管理認定看護師になるためには、認定審査を受けて合格する必要があります。過去の認定審査の合格率を見てみると、例年90%後半で推移しています。
これは受験するための資格が厳しく設定されているためです。決して資格取得が容易というわけではありません。
感染管理認定看護師の資格取得方法・条件
日本看護協会が認定審査並びに資格認定を実施しています。他にも他分野に渡って認定看護師がありますが、そのいずれの認定審査も主催しています。
認定条件
まず看護師免許を取得してから、通算5年以上にわたる実務経験を有していることが絶対条件です。その中でも3年以上感染症の患者対応をした実績が求められます。
感染管理認定看護師の資格取得を目指すのであれば、感染管理の職場で3年以上勤務することが望ましいです。
認定までの流れ
日本看護協会の認定する認定看護師教育課程の教育機関で、所定のプログラムを受講します。
ちなみに半年くらい学校に通って勉強する形になり、その間は職場をいったん離れる形になるでしょう。勉強期間中の取り扱いに関しては、勤務先と前もって話し合いをしておくことをおすすめします。
このカリキュラムが終了すれば、受験資格が得られます。感染管理認定看護師の認定審査ですが、筆記試験によって実施されます。
合格できれば、認定証が交付されます。ただし資格は5年間のみ有効で、更新審査を受けて、資格を更新する必要があります。
医療機関における感染管理認定看護師の重要性
日本は先進国の中では、感染管理に関する意識が希薄であるといわれています。時折感染症が院内で蔓延して、多数の患者が重篤な状態に陥ったという報道をニュースなどで耳にします。
もし感染症が院内で発生して、最悪の事態になれば、家族からの賠償請求も出てくるでしょうし、病院の評判も下がり、経営に重大な影響をもたらす危険性もあります。
そのような認識を院内で共有するためにも、感染管理認定看護師の存在は求められます。
感染管理認定看護師はほかの医療スタッフに、感染症に関する知識を教育します。そして危機管理意識の徹底を施します。
また自分自身でも感染症が院内で発生しないように対策を講じていきます。それでも感染症が発生した場合には、初期段階での封じ込めをするために重大な役割を果たすでしょう。
感染管理認定看護師の資格に興味がある看護師さんへ
感染管理認定看護師の職場を見てみると、入院患者を抱えているようなある程度大きな規模の病院で勤務しているケースが多いです。その他には感染症の専門病院や外来で専門知識を生かして活躍している人もいるみたいですよ。
今後高齢化がますます進んで、高齢者の入院・外来患者も増えてくることが予想されています。高齢者は成人と比較すると、免疫力が衰えています。このため、感染症にかかってしまうとより重篤な症状に発展する可能性が十分考えられます。
ですから今まで以上に感染管理認定看護師の重要性は高まってくると思いますよ。キャリアアップをしたいと思っている看護師は、取得しておいて損のない資格ですね。