看護師のスキルアップ資格「介護福祉士」
身体や精神面でハンディキャップを抱えている人がいます。その中でも自力では日常生活を送ることが困難な人も少なからず存在しています。このような人は身の回りのお世話をする介護の手が必要です。
介護福祉士は、このようなハンディキャップを抱えている人の介護に関する知識やスキルを持っている人をさします。
介護が必要な人に対するお世話以外にも、普段は家族が介護を行っているケースもあるため、家族に対して普段気を付けるべきことのアドバイスをしています。社会福祉士及び介護福祉法の中に明記されている資格です。
介護福祉士の資格保有者数は、2015年6月現在で139万5432人います。合格率は、2010年くらいまでは50%前後だったのですが、近年は60%くらいで推移していて合格率は上昇しています。
事前にしっかりとした試験対策をしておけば、合格できる可能性も高いです。
介護福祉士の資格取得方法・条件
介護福祉士は国家資格の一種です。登録先は社会福祉振興・試験センターという厚生労働大臣の指定登録機関で公益財団法人となります。
受験資格
介護福祉士になる方法として、大きく2種類のコースがあります。
・養成施設卒業
・国家試験を受験する方法
養成施設は、保育士養成のカリキュラムを持っている専門学校や短大、大学で所定の単位を取得します。
その他には保育士養成施設卒業者で、1年間の養成施設で勉強する方法もあります。前まで卒業すれば無条件で、資格取得ができたのですが、2015年から国家試験を受けて合格しないと資格取得できなくなりました。
国家試験を受験する方法として、実務経験を積み重ねる方法もあります。介護などで3年以上の実務経験を持っているとか、高校の福祉科福祉コースを卒業したのち、国家試験を受ける方法があります。
試験内容
介護福祉士の国家試験は筆記試験と実技試験の2つによって構成されています。両方で例年60%以上の点数を取ることが合格基準です。ただしこの正答率は毎年統一されているのではなく、その時々の難易度によって微調整が行われます。
人手不足が慢性的に続く介護の現場
高齢化がどんどん進んでいる現状、要介護者の数がどんどん増加する可能性は極めて高いです。しかし一方で介護に従事する人材は慢性的に不足している状況が続いています。
もし介護に興味のある看護師がいれば、資格取得しておくと今後活躍できるフィールドを増やせます。
病院も入院患者で高齢者の割合は今後増えるでしょう。ですから高齢者看護を行っている看護師が介護福祉士の資格を取得すれば、より専門性の高いケアができます。高齢者専門の病院や慢性期病院では、介護福祉士の資格を持っている看護師の需要は高いです。
介護福祉士の試験を受けるためには、実務経験を積む以外にも、専門の教育機関で勉強する方法もあります。介護福祉士の教育プログラムの見直しが行われています。看護師の教育機関でも、介護福祉士に関する勉強のできるような所も出てきています。高齢化が進んでいることがここでも関係しています。
実習時間が大幅に拡大したことで、より実践的な勉強が可能です。将来看護師を目指す人は、介護実習の充実した学校に進学して、あらかじめ必要なスキルを身に着ける方法もあります。
介護福祉士の資格に興味がある看護師さんへ
病院の他にも、介護関係の福祉施設で介護福祉士の資格は活用できます。介護老人保健施設やデイサービス、ショートステイ、グループホーム、有料老人ホームといった感じで活躍できるフィールドはたくさんあります。
その他には、公的機関で勤務するときに介護福祉士の資格が生かせるかもしれません。社会福祉協議会や地域包括センターなどで活躍している介護福祉士の人もいるようです。また市町村役場で、高齢者介護の相談に応じるという仕事もあります。
訪問介護の仕事などは、パートなどの非正規雇用で勤務するケースも少なくありません。家事や育児との両立もしやすいですから、ママさんナースで介護福祉士の資格取得をするのも良いかもしれませんね。