看護師のスキルアップ資格「臨床心理士」
心の問題は広く一般にも認識されるようになっています。そこで患者の心のケアをする専門家の必要性がどんどん増しています。
臨床心理士は心理関係の資格の一つで、臨床心理学に関する専門的な知識やスキルを使って、患者のこことのケアを行います。
心理関係の資格はいくつかありますが、その中でももっとも社会的な認知度の高い資格といわれています。今後心理関係の分野にキャリアを進みたいと思っている看護師は、臨床心理士の資格取得を目指してみませんか?
心の問題を抱えた患者に対して、カウンセリングを実施します。そしてその人の抱えている問題の本質や原因と特定して、それに見合った対処法をアドバイスするのが仕事です。
臨床心理士の資格保有者の数ですが、平成26年の試験終了時点で2万9690人います。試験の合格率は60~70%台で年々推移しているので、しっかり試験対策をしていれば、決して難易度の高い資格ではないです。
臨床心理士の資格取得方法・条件
臨床心理士の資格は、日本臨床心理士資格認定協会という団体が認定しています。こちらの団体は、公益財団法人の一つです。
受験資格
看護師が臨床心理士の受験資格を得るためには、以下の3つの条件のいずれかを満たしている必要があります。
・指定された大学院を修了
・臨床心理士養成の専門職大学院の修了
・海外の上記に該当する教育プログラムを修了した上で、国内で2年以上の臨床心理関係の実務経験
試験の概要
試験は2段階で考査が実施されます。1次試験は10月、2次試験は11月に実施されます。
1次試験は筆記試験となります。多肢選択方式と論文記述方式の2種類のスタイルで問題が出されます。2次試験は面接試験で、面接官の訊かれたことに口述で答えるという方式になります。
医療の現場におけるメンタルケアの重要性
心理関係の仕事にチャレンジしてみたいと思っている人には、おすすめの資格といえます。心理関係の資格の中でも、もっとも信頼度は高いです。就職するときにはかなり有利な武器になります。
心理ケアに関しては、年々需要が高まってきています。病院やクリニックはもちろんのこと、学校や職場でもこのようなメンタルケアが求められています。ですから看護師として活躍できるフィールドも広がってくるとみられています。
現在臨床心理士の資格は、民間資格です。しかし社会的に資格の価値は高まってきている中、もしかすると将来的には国家資格に格上げになる可能性も十分考えられます。国家資格になると、試験の難易度も上昇するかもしれません。
実際現在は60~70%程度の合格率ですが、1988年には86.6%の合格率を記録しています。徐々に合格率も下がってきて、さらに国家資格になると試験の難易度がアップする可能性もあります。ですから今のうちに資格取得を目指しておいても良いでしょう。
臨床心理士の資格に興味がある看護師さんへ
臨床心理士の資格を生かして活躍したいのであれば、まず医療機関があります。精神科や心療内科のある病院やクリニックに就職するときには、有力な武器になります。
その他には児童相談所や療育施設、福祉施設のような福祉関係、教育センターや学校などの教育関係で活躍することも可能です。
大学や大学院といった研究機関で就職する方法もあります。家庭裁判所や少年院、刑務所などの公的機関などでも臨床心理士の資格を持った人を募集するケースも見られます。
そしてもう一つ、独立開業する方法も将来はあり得ます。心療内科クリニックを作るとか、カウンセリング業務で活躍する方法もあります。
独立すると自分のペースで仕事のできるのは魅力ですね。しかも場合によってはかなりの収入を得ることだって可能です。
カウンセラーとして人気が出て、セミナーの講師やメディなどに出演をすれば、年収1000万円以上を稼ぐことも可能です。もちろんすべての独立した人が高収入を得ているわけではありませんが、夢のある仕事だと思いませんか?