看護師のスキルアップ資格「母性看護専門看護師」
私たち人間というよりも生物にとって欠かせないことの一つに、生殖行為があります。この生物の営みの中でも最も重要な項目に関して専門的な知識やスキルを持っていることを認定する資格として、母性看護専門看護師があります。
母性看護専門看護師の具体的な仕事内容ですが、周産期の母子やケアをする家族のサポートになります。
母子の健康のためのサポートシステムは、地域などでも様々実施しています。このようなサービスを紹介するとか、このような施設で勤務している母性看護専門看護師もいます。
妊娠・出産にあたっては、予期せぬトラブルが起きることも十分考えられます。このような緊急事態のときに迅速・適切に対応できるかも、母性看護専門看護師に求められることです。
自分の看護活動だけでなく、関係する医療チームとの意見集約をして調整をする役割もあります。また後輩ナースに対する教育なども担当します。
母性看護専門看護師の資格を保有している人は、2015年までに日本全国に49人います。資格取得するためには、認定審査に合格する必要があります。
合格率は8~9割ですが、後で見るように受験資格を満たすためには厳しい基準をクリアしなければならず、簡単に取得できる単位とは思わないことです。
母性看護専門看護師の資格取得方法・条件
母性看護専門看護師の認定審査は日本看護協会が実施しています。
看護師の資格を保有している人が対象で、日本看護系大学協議会の定める専門看護師教育課程基準における26~38単位の取得が求められます。
ちなみのこの単位を取得するためには、看護大学の大学院修士課程を修了する必要があると思ってください。
母性看護専門看護師のための教育課程を設けているのは、日本全国に12カ所あります。現状は38単位の取得が推奨されつつあります。
フィジカルアセスメントや病態生理などを強化することで、より幅広い知識やスキルを獲得することが可能です。福岡県にある聖マリアンナ医科大学院の看護学研究科では、母性看護専門看護師教育課程で、この38単位に対応しています。
プラスして、通算で5年以上、そのうち3年以上の母性看護分野での実務経験を有して初めて受験資格が得られます。ちなみにこの実務経験は、正規・非正規関係なくカウントすることが可能です。
書類審査と筆記試験の2段階で考査が実施されます。両方に合格して初めて、母性看護専門看護師として活動できます。
晩婚化と出産技術の進歩
近年日本では出産を取り巻く環境が変わってきています。晩婚化が進むことで、今では30代や40代で出産をするのが当たり前の時代になっています。またほかの医療の世界と同様、生殖医療の技術も急速に進歩しています。
このため、出産に関係する看護師にはより高度な知識やスキルが求められます。また患者のニーズも多様化していますから、どのような要望でもフレキシブルに対応できるような姿勢で臨む必要があります。
そのためには母性看護専門看護師という上級資格を持った看護師がケアをした方が、患者もその家族も安心できるでしょう。
妊娠や出産だけでなく、今後はより幅広いサポートが必要になるでしょう。核家族化が進み自分一人で子育てをする環境に置かれている人も多く、悩みを一人で抱えるケースも増えています。
最悪育児ノイローゼのような状況に追い込まれる人も出てくるでしょうから、母子共々のメンタル面でのケアが今後より求められるはずです。
母性看護専門看護師の資格に興味がある看護師さんへ
母性看護専門看護師の資格を持っている人が現在活躍している職場を見てみると、周産期母子医療設備を抱えている病院が多いです。総合病院や赤十字の運営する病院とかでも活躍している人もいるみたいですよ。
クリニックで仕事をしている人もいるみたいです。外来で出産や育児に関する悩みや心配事の相談に乗っている看護師もいます。
いろいろな話が持ち込まれますから、相手の話をしっかりと聞いて、わかりやすくアドバイスできるようなコミュニケーションスキルを培っておきたいところですね。