看護師のスキルアップ資格「助産師」
女性が出産するときに赤ちゃんを取り出すためには、助産師という国家資格が必要です。助産師は女性しか取得することはできません。
助産行為に関われるのは日本の場合、医師と助産師だけとなっています。看護師で助産行為に関わりたいと思うのであれば、助産師の資格取得を目指しましょう。
出産時以外にも、助産師の活躍できる場所はあります。妊娠中や産褥期の女性に必要なアドバイスをします。また新生児や乳児のケアも行います。場合によっては、家族計画に関する相談を受ける場合もあります。
助産師の資格保有者数は、32000人以上いるといわれています。年々増加傾向にあるようです。試験の難易度は決して高くなく、合格率も例年95%以上ですから、受験対策をきちんと行っていれば、まず落ちる心配はないレベルと言っていいです。
助産師の資格取得方法・条件
助産師は国家資格になります。つまり厚生労働省が認定する資格ということになるわけです。
受験資格
助産師になるためには必須の条件として看護師免許があります。看護師免許を取得してから、1~2年間助産師教育機関に通学して、必要な知識やスキルに関して勉強します。
必要なプログラムを修了し卒業できれば、国家試験の受験資格が得られます。ちなみに助産師の教育機関ですが、以下の6つのコースへの進学が考えられます。
・助産専門学校
・助産課程のある大学院、助産専門職大学院
・大学の助産学専攻科
・助産課程のある大学の選抜試験に合格し進学
・助産課程の大学別科への進学
・助産学専攻科のある短大に進学
試験内容
基礎助産学と助産診断・技術学、地域母子保健、助産管理の4つの分野から出題されます。一般問題と状況設定問題に分けられます。年1回、毎年2月に開催されています。
少子化が進む現代でも助産師のニーズは高い
少子化が進んでいるといわれているため、助産師の資格を取得しても使い所があまりないのでは、と思う人もいるでしょう。しかし助産師の需要は年々高まっています。その背景に、出産の多様化が関係しています。
一昔前までは、病院で出産する人が多かったです。しかし最近では自宅分娩を希望する人も増えています。その意味では要請があればいつでも駆けつけられる助産師の存在は、重宝するわけです。
たとえばクリニックのような小規模の医療機関の場合、医師と助産師資格を持った看護師が手分けして複数のお産に立ち会うことも可能になります。
これからの時代の助産師は、ただ赤ちゃんを取り上げるだけではなく、プラスアルファの活動をしていった方が良いでしょう。たとえば出産や育児のカウンセリングを行うとか、少子化対策のためにどのようなことを心がけるべきかなど、出産だけでなく、その前後の妊娠や育児までのケアができた方が活躍できる場は広がります。
給料ですが、助産師資格を得ると看護師時代よりは給料アップする可能性は高いです。常勤の場合、月給で35~40万円程度で、年収は500~600万円といったところが相場です。若い夫婦の多い地域だと助産師のニーズがさらに高くなるため、600万円以上の年収を稼ぐことも十分可能です。
助産師の資格に興味がある看護師さんへ
助産師資格を持った看護師のうち、8割以上の人が病院やクリニックで仕事をしていますね。産科のある病院、クリニック、産婦人科医院、助産院で仕事をしているわけです。
また最近では少子化対策というものも国を挙げて対応に迫られているのをニュースの報道などで耳にしたことはありませんか?このため講師として保健所に招かれ、妊娠や出産について若い女性に講義するケースも見られます。
最初の内は、病院やクリニックで仕事をする形になるでしょう。しかし助産師の良いところは、将来独立して仕事できる可能性の高い点です。自宅で助産院を開業して、自由に活動も可能です。自宅分娩を希望する妊婦の自宅に出向き、お産の手伝いをすれば、ほとんど開業にあたって資金がなくても独立できますよ。
生命の誕生という神秘的な瞬間に立ち会える仕事です。その意味を理解し、やりがいを持って活動している看護師さんも多いですね。