看護師のスキルアップ資格「保健師」
看護師がステップアップするために取得する関連資格の中でも代表的なものが保健師です。地域医療の専門家に与えられる資格で、公衆衛生に特化して業務する人です。地域密着型で周辺住民の健康維持のためのアドバイザー的な役割を担います。
平成23年の厚生労働白書のデータに基づくと、保健師の資格所有者数は53212名となります。その多くが公務員として活動しています。
保健師は国家試験を受験して合格すれば取得できます。難易度は年度ごとで上下動をします。平成20年では97%の合格率でしたが、平成21~23年にかけては80%台にとどまっています。それが平成24年になるとまた96%にまで上昇しています。
おおむね80%以上の合格率は維持されていますから、勉強すれば合格できる可能性は十分あるといえます。
保健師の資格取得方法・条件
保健師は国家資格であり、厚生労働省が認定する資格になります。国家試験は保健師助産師看護師法の規定に基づき、厚生労働省が認可して実施されます。保健師の免許は厚生労働大臣から合格者に対して交付されます。
受験資格
保健師の国家試験を受けるためには、大前提として看護師資格が必要です。その上で以下の条件のいずれかをクリアすると、試験が受けられます。
・文部科学大臣の指定した学校で6か月以上にわたって保健師になるために必要な学科を修了する
・厚生労働大臣指定の保健師養成所を卒業する
・海外の保健師免許を取得もしくは保健師学校を卒業し、上2つの条件をクリアすると厚生労働大臣によって認められる
つまり看護師の資格を取得してから、一定期間保健師としての勉強をしないと受験資格は得られないわけです。保健師の資格取得を積極的にバックアップしてくれる所を探しましょう。
国家試験の概要
公衆衛生看護学と疫学、保険統計学、保健医療福祉行政論の中から出題されます。客観式一般問題が75問、客観式状況設定問題が35問の内訳になります。
看護師資格+保健師資格で待遇アップは確実
看護師の場合、主に病院で患者の健康管理や身の回りの世話をします。保健師になるとその他に、保健指導が行えます。
健康診断の内容などをベースにして、それぞれの人に健康維持するために日常生活の中でどのようなことに注意すべきかをアドバイスできます。その他にも健康面の相談に乗ることも可能です。仕事の幅を広げることが可能です。
保健師の資格を取得すると、病院の他にも保健所や一般企業でも仕事ができるようになります。保健所や一般企業であれば、夜勤がありませんし、土日や祝日は休みになる公算が高いです。
つまり、病院勤務のように、不規則なスケジュールで仕事をする必要がなくなります。プライベートの時間もしっかり確保しながら、仕事をしていきたい人は保健師の資格を取得するのはおすすめです。
保健師となって場合の給料ですが、初任給で20万円前後、平均すると34万円程度です。年収で見ると530万円くらいが相場といわれています。
看護師の平均年収が470万円強といわれていますから、給料アップの可能性が高いです。病院で引き続き仕事をすれば、資格手当の付く可能性もあり、さらに給料を上積みできるかもしれません。
保健師の資格に興味がある看護師さんへ
保健師の職場は、大きく3タイプに分類できます。それは保健所などの公共の場と一般企業、病院です。その他に数は少ないものの大学や保育園といった教育機関、介護福祉施設といったところです。
保健師の中でも8割以上は保健所などで公務員として勤務しているみたいですね。公務員のいい所はとにかく「親方日の丸」な所ですかね。
公共機関が運営していますから、潰れる心配をする必要がありません。しかも一定期間仕事をすれば、かなりの退職金がもらえる可能性もあるんです。
生活を安定させるために転職したいと思っているのなら、保健師の資格を取って、保健所などへの転職を検討してみても良いでしょう。
いったん保健師の資格を取得すれば、ずっとその資格は生かせます。つまりいったん結婚や出産をして現場を離れても、将来職場復帰できる可能性も高いですね。