看護師のスキルアップ資格「作業療法士(OT)」
病気やけがをした患者の中には、機能回復維持や向上のためにリハビリプログラムを実施することがあります。リハビリの担当をする人の中に、作業療法士がいます。
作業療法士は英語で「Occupational Therapist」と表記するため、OTという略称で紹介されることもあります。
リハビリ関係の資格の中にはほかにも、理学療法士や言語聴覚士などの資格があります。この中でも作業療法士は、手芸や工芸などの日常生活でごく普通に行われる作業を使って、機能回復を目指す資格になります。
作業療法士の資格保有者数ですが、57196人います。合格率を見て見ると、だいたい80%前後で推移しています。年度で合格率には変動があり、高いときには90%程度、低いときでも70%くらいの合格率はありますから難易度は決して高くないといえます。
作業療法士の資格取得方法・条件
作業療法士は医療関係の国家資格の中の一つです。認定しているのは厚生労働省になります。
受験資格
作業療法士は国家資格のため、試験に合格しないといけません。ただし国家試験は誰でも受験できるものではなく、一定の基準をクリアしていないといけません。
日本全国に作業療法士の養成課程のある教育機関があります。こちらで所定のカリキュラムを修了すると、受験資格が得られます。短大や専門学校で3年、大学は4年勉強しないといけません。
看護師資格を持っていても条件は一緒ですから、短大や専門学校で学んだ方がより早く受験資格を獲得できます。
ちなみに学校によって授業の難易度は変わってきます。将来の試験合格を考えると、多少厳しくてもしっかり学習できる教育危険で勉強した方が良いでしょう。
試験内容
作業療法士は筆記試験と口述試験、実技試験で考査が行われます。筆記試験は一般問題の他に、実地問題が出題されます。
合格率の高さを見ると、しっかり勉強していれば合格できる可能性は高いです。ただし試験内容を見ると、紛らわしい問題が隠れています。
このような問題に足元をすくわれると、不合格になる可能性があります。いかにケアレスミスを少なくできるかが、試験突破のポイントです。
看護師+作業療法士の資格を活かせる場面
看護師が作業療法士の資格を取得することで、患者のリハビリにより手厚いケアができます。作業療法士の知識を生かして、普段患者と接するときにいろいろな手芸や工芸を持ちかけてみて、より早く機能回復が図れるかもしれません。
作業療法士の数は少し前までは、慢性的な不足状態にあったといいます。しかし養成学校や養成施設の数が増加していることも影響して、資格保有者数は順調に上昇しています。
このため、作業療法士として今後活躍するためにはオリジナリティを出すことがポイントです。ただ単に今まである従来のリハビリプログラムではなく、自分で新しい作業療法の方法を模索してみる姿勢を持っている人が今後成功する公算も高まります。
作業療法士の資格を取得すると、給料アップの可能性が期待できます。大規模病院を中心として、資格手当を基本給に上乗せしているところも多いです。待遇改善を目指す人も、作業療法士の資格を取得すると良いでしょう。
作業療法士の資格に興味がある看護師さんへ
作業療法士の資格を持った看護師は、まず何といってもリハビリ施設のある医療機関が就職先として挙げられますね。病院の他にもリハビリ専門のクリニックなどもおすすめですね。
その他には社会福祉施設からも求人が出ていることもありますよ。具体的には身体・精神障碍者更生施設、児童福祉施設などがあります。
高齢化が進んでいることもあって、日本全国に介護施設が作られています。この介護施設でも高齢者を対象にしたリハビリプログラムを提供しているところが多く、作業療法士を持った看護師がいると重宝します。
その他には保健所のような公的機関で勤務している作業療法士の資格を持った看護師もいます。こちらは社会弱者が社会参加できるような環境を整えるための仕事になりますね。このようにいろいろな所で活躍できますよ。