サーフロー留置の基礎とコツ
看護実戦で、もっとも新人看護師が苦手とする、しかし最も身近と言える医療行為が、採血や点滴と言われています。
最近では、点滴治療において、留置針を利用し、何度も患者さんに点滴針を注射する事無く、苦痛を少しでも緩和した医療器具のサーフローを利用する医療現場ばかりとなっています。
その手技の難しさは、単に点滴する操作とは異なり、内筒と外筒を分離させ、ルートにつなぐと言う操作を必要とし苦手意識の強い看護師が多く居ます。べてらん看護師でも「苦手」とすることもあり、新人看護師にとっては苦痛と感じることもあるようです。
では、サーフローの使用方法について学び、苦手意識を克服しましょう。
サーフロー留置で大切なこと
まずは、十分な物品準備が重要です。
必要物品はもちろんですが、使用するものの位置やルートの準備、固定テープがすぐに使えるように切って準備されているかなど、実践するうえで必要な物を、自分が使いやすい位置に置いておることが大切です。
最も重要な実戦前の準備は、内筒と外筒を一旦動かしてぴったりとくっ付いた双方を話しておくことです。滑りが良くなることで、挿入後の内筒の引き出しが楽になります。
また、輸液セットと延長ルートを接続し、必要時三方活栓などを接続して、ルートを点滴液で満たしておく事も大切です。
サーフローの内筒と外筒の上手な進め方
まずは、駆血帯で駆血し、血管を確認し、その走行を観ます。そして、なるべくまっすぐな血管を選択し、皮膚消毒します。
次に挿入角度30度から45度で皮膚に穿刺し、血管に当たると針先より血液が見えるようになります。そうすると、挿入角度の半分くらい(15度程度)針先を寝かし、針の半分程度(3から5ミリ)まっすぐ進めます。
外筒まで針先が進むと、外筒の上部まで血液が上がってきます。それを、毛細血管現象と言います。
ここまで血液が上がってくれば、外筒のみを血管に沿い進め、内筒はそのままの状態をキープします。この時、絶対に内筒を引き抜いたり、動かしたりしないでください。挿入完了したら、延長ルートを接続し、固定します。
サーフローが苦手な新人看護師にアドバイス
まず、普通の採血や点滴が上手く出来ますか?
血管の確認や施行部位の選定の自信はありますか?
サーフローの留置は、点滴操作の応用とも言えます。基礎を十分に身に付けた上で、上手くできるようになるのがサーフロー留置です。準備物品がきちんと理解でき、適切に整えられ、準備出来ることが成功の秘訣です。
また、苦手意識の払拭が重要と言えます。
サーフローでは、内筒と外筒の分離、延長ルートへの接続などの外的な、不必要な力が入りやすい行為があります。上手く挿入出来ても、それが上手くいかなければ、血管破綻の要因ともなります。
外的な力を少なくするために、緊張を緩和し、平常な気持ちで実践する事も大切です。慣れない操作、苦手意識から緊張やプレッシャーを感じることがあるかもしれませんが、その思いこそが失敗の原因ともなり得ます。
緊張は患者さんに伝わり、不安を与える要因ともなり得ますので、リラックスして冷静を保って施行するようにしましょう。
患者さんに実践するのに不安がある場合は、模型や、先輩看護師に練習をさせてもらったり、上司の許可を取り、先輩の指導を受けながら、新人看護師同士練習し合う事も工夫の一つではないでしょうか。
医療や看護の分野は、実践する事により感覚を磨き、習得できる行為が多くあります。サーフローの取り扱いについても同様なことが言え、経験を積まなければ上達しません。
よって、練習と経験を繰り返し、自ら率先して、サーフロー留置をすることがあれば、先輩に見守って貰いながら実践していくことも上手くなるコツです。しかし、失敗は患者さんの苦痛とのなりますので、失敗した時は、丁寧に謝罪し、上手な先輩看護師に交代する潔さも大切な態度です。