新人看護師の理想の成長過程
新人看護師の成長過程は、紆余曲折、一筋縄ではいきません。看護学校を卒業し、看護師に慣れたと思っていたかもしれませんが、看護師の資格はもらえたけれど、看護師として出来ることがほとんどないことに気付いたのではないでしょうか?
研修や勉強会の日々、なかなか実践を出来ない状況に対して「こんなはずじゃなかった」と感じ、指導や注意を繰り返され、「自分ってこんなにできない新人なのか」と意気消沈している新人看護師もいることでしょう。
しかし、この状況は異常ではありません。
隣にいる先輩看護師も、管理を行う病棟主任も、看護師長も、このように悩んだ時期がありました。また、今は、新人としてではなく、各役割遂行の為の悩みを抱えながら日々の業務を行っています。
では、新人看護師が一人前になるための成長過程について考えてみましょう。
新人看護師は怒られたもの勝ち
新人看護師は、ミスをするものです。一つの看護業務を取っても、対象の患者さんが異なれば、方法や順序が異なることがあります。いくらマニュアルを熟知していても、個別性や臨機応変性を求められるのが看護の世界です。
よって、一度経験したことを復習していても、対象者が異なれば、「違うよ」「なんでそうするの」と叱られることがあります。しかし、新人看護師は、その臨機応変に対応する力を、「今」習っている最中です。
叱られることを恐れるな
失敗を恐れて、経験する事を躊躇する場合があります。初めから出来る看護師はいません。経験を重ねて成長していくのが看護のお仕事です。失敗をしないように経験をしなければ、いつの間にか「新人教育期間」が終了し、一人で実践を迫られた時、出来ない、出来ないけれどいまさら聞けないと言う状況になっています。
新人期間中は、たくさん怒られて、振り返り、反省して気付きの多い期間にしましょう。
失敗は成功のもと
看護師の仕事は、経験が必要という事を説明しました。失敗を繰り返す事で、「向いてない」と感じる新人看護師も多くいます。それを共に早期リタイアしてしまう事も。失敗は成功のもとという言葉を聞いたことがありませんか?
経験をし、失敗をすると得ることがたくさんあります。気付くことがたくさんあります。しかし、経験なしで失敗もしないと目立たない、一見育ちの良い新人看護師に感じるかもしれませんが、中身の無い新人看護師です。
いざという時に、経験値の無さから「ボロ」がでます。失敗を繰り返し、経験値を高める新人看護師は、いずれ大輪の花を咲かせるでしょう。
インシデントとモチベーション
人間は、ミスをする生き物です。そのミスを回避するために、あらゆる対策を行い、危険予知、回避行動を行います。しかし、新人看護師は、その経験の浅さや判断ミスによりインシデントやアクシデントを起こします。
入職したての1カ月後、少しずつ仕事に慣れてきた時に起こすミス、三カ月ほどたった時に、一人立ちや仕事の慣れによる気持ちの緩み~起こすミス、半年後の疲労や一人で行う業務の増加によるミスが多く見受けられます。
インシデントを起こすと、新人看護師だけではなく、どの看護師の落ち込みます。しかし、ここがプロの看護師と県県の浅い看護師との違いで、新人看護師は、そのミスを引きづり、モチベーションを低下させます。自分に自信をなくし、看護師が向いていないとすら感じ始めます。しかし、プロの看護師は、「こんなミスもあるのか」と次に似たミスを起こさないように対策を講じます。
インシデントにより、モチベーションを低下させるのが新人看護師です。
しかし、モチベーション低下は、看護や医療の業務に対する姿勢を揺らがせます。正常な精神状態ではなく、集中力や判断力を低下させます。
この状況で仕事を行うと、ミスをもう一度繰り返します。そして、また、自分を責めてやる気と自信を失います。
このような事で、充実した仕事を行えるでしょうか?新人看護師が成長には、ミスをして、反省し、次に活かすと言う繰り返し、ミスの経験も必要なのです。
新人看護師が理想の成長過程を歩むためには
失敗を恐れる理由は何ですか?
患者さんの安寧の為?先輩や上司の視線を感じるから?自分に自信が無いから?医療事故で大ごとになるのが嫌だから?自分の日々の振り返りが不十分なことを自覚しているから?
失敗を恐れて経験しないことは、看護師としての成長課程をストップさせることです。
新人看護師は、多くのアドバイスや助言を受けられる立場です。この時期に多くミスをして、これからの仕事の糧に出来れば一人前の看護師に近づけます。しかし、失敗を恐れて経験をしないと、叱られることはありませんが、本当に一人で実践するようになった時、先輩に聞ける身分にない場合があります。この時、「あの時、自分が逃げたから実践できる力が無いのだ」と後悔する時が来ます。
新人看護師として成長を希望するのであれば、失敗と振り返り、学習と経験を積み重ねましょう。